現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

大豆の畦畔の草刈りと俳句の日とブチヒゲカメムシ


18日(金)
午前中は大豆の圃場の畦畔の草刈り。午後は営農組合の研修会と懇親会。百姓仲間の懇親はあれこれ情報が出ておもしろい。若い人が、つい先日入籍しました、と実にうれしそうな顔で報告してくれました。目出度いですな。



19日(土) 俳句の日
暑い。終日、大豆の畦畔の草刈り。どうも発芽がもう一つだったので、なかなか草刈りも苦戦。苦しい。とにかく暑い。
俳句の日らしいし、グリーンカーテンにゴーヤがぶら下がっていたので、一句詠みたいと思ったが、何も浮かばない。カタカナの俳句は嫌いではないのだが、ゴーヤは苦瓜にできるが、グリーンカーテン大和言葉だと、なんて言うんだっけ?緑の簾?まあ、苦瓜だけで一句詠めればいいんだけど。
    一仕事して味噌汁の苦瓜や
    苦瓜や一仕事して朝の汁
うーむ。たいへん苦しいが、とりあえず。(笑)


20日(日)
暑い。今日も終日、大豆の畦畔の草刈り。朝は曇っていたのだが、朝のうちだけで、強い陽射し。残暑厳しき折り、皆様、お元気のことと存じ候。
日没になったので、帰ろうかと思ったのだが、ご近所のNさんが同じように大豆の圃場の草刈りをまだしておられるので、もう少しやろうかと次の圃場へ。頑張って刈っていたら、Nさんが軽トラでこっちを見ながら白い歯を見せて、こくりと頭を下げて挨拶して帰っていかれた。あははは。気がつけばあたりは夕闇である。これ以上はよく見えないし危ないので、ここで切り上げて僕も帰ることにする。
うまく書けないが、しんどいときに、ふっと顔を上げれば、田んぼのどこかで同じように頑張っている百姓仲間が見えるということは、ま、元気になりますな(笑)。
ま、頑張り過ぎないようにしないと。昨日は夜中に目が覚めたのだが、足の甲がツリました。足の甲がつったのははじめてかも(笑)。何かが足りないのだが、カリウム?汗でカリウムが出て身体に少なくなると足がつったりする、って聞いたような気がするのだが・・・。



朝、犬の散歩の時に、ニラの花が咲いてきていて、見とれていたら、花にブチヒゲカメムシを見つける。なかなか美しいのだが、いちおう稲や野菜の害虫ということになっています。害虫といっても、人間の都合なんですけどね。登熟中の稲穂にやってきて、穂の汁を吸うらしいです。吸われると米に黒い斑点が残るので米の検査で等級がおちる要因になります。このニラの花のすぐそばにはうちの田んぼがあって今まさに登熟中なんですが、ブチヒゲカメムシにはブチヒゲカメムシの都合もあるだろうし、と写真だけ撮って知らんぷりをして過ごしました。ブチヒゲカメムシよ、この恩を忘れるんじゃないぜ。あーたがもし恩返しをしたいと思うのなら、あーたの気持ちを受けるのにやぶさかではないぞよ。


今朝の日本農業新聞の記事に「アフリカで米生産倍増 日本が公約達成 優良種子普及、人材育成・・・ 面積の拡大 決め手に」というのがあった。
自然界では生き延びるために、他の種とは違うものを食べるようにする、という方法がありますね。虫なんかは食べる植物の葉っぱが違っていたりして、他と競合しないようにしているんですね。スバラシイ知恵ではありますが、人の世では、主食が同じだとお互いに融通しあおうという連帯感や仲間意識が生まれるかな?それとも米の輸出先ができてお金儲けにいいのかな(笑)。でも世の中の安定の一番は食料があるということですわな。


昨日(19日)の日本農業新聞のコラム。
“わずかな文字に込められた平和への思いをかみしめる。そして共鳴する▼俳人金子兜太さんが、太平洋上赤道直下のトラック島から引き揚げる駆逐艦で詠んだ句に、有名な〈水脈(みお)の果て炎天の墓碑を置きて去る〉がある。戦友の屍を置いてきぼりにする無念さに耐え、平和な社会をつくり上げることへの決意がこもる。終戦後、日銀に勤め“金庫番”をしながらも、句を作り続けた。そして、いま、新たに「戦よあるな」を叫ぶ▼小紙「おはよう名歌と名句」で紹介された金子さんの〈長生きの朧の中の目玉かな〉(『両神』)が頭に焼き付いて離れない。年は取っても、「目玉だけは曇らないぞという自負」との選者宮坂静生さんの解説に、目からうろこである▼国民が本当に知りたいことにふたをしたまま、数を頼んでの政治が続く。「丁寧に説明します」と言いながら、陸上自衛隊の日報問題や国有地払い下げのからくりは闇のまま。米朝間の緊張が重なり、戦争の臭いが漂う。いまの有権者に必要なのは、本質を見抜く「目玉」である。しっかり見開かないと▼今年も実りの秋がやってくる。見渡す田んぼは、稲穂が首を垂れ、波打つ豊かさに心が弾む。平和の尊さよ。〈美しき稲の穂並の朝日かな〉(八十村路通)。きょうは俳句の日。”