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現代田んぼ生活 辻井農園 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2017-12-08 毛布にもぐり込んだことと丸山宗利『昆虫こわい』

丸山宗利『昆虫こわい』(幻冬舎新書)

8日(金)

朝から雨が降ったり止んだり。寒い。

午前中は普及所のMさんと今年の稲作や転作作物について少し話。米の直販についても少し。関西ではもちろん江州米と言えば、滋賀県のお米だとだいたい知ってもらっているが、東京だと江州米といってもすぐに滋賀県と結びつかない状況なんではないか、という話も。ま、確かに江州とか近江とか昔の地名だとだんだん難しくなってきているのかなぁ。

と言って滋賀県というのも地味ですからね。ええ、琵琶湖はよく知っていただいているようですけれど。


でもってラジオを聴いていたら高橋源一郎が、森巣博『無境界家族(ファミリー) 』を紹介していておもしろそうなのでネットでクリックしようと思ったら、出ているのは中古本なのですが、すでにすべて売り切れでした。なんとねぇ。まあ、そういうものなのでしょうね。


机周りの整理整頓をしようと思ったけれど、あまりに部屋が寒い。午後はすべてをうっちゃって(笑)、毛布にくるまって丸山宗利『昆虫こわい』(幻冬舎新書)を読む。あはははは。すべてをうっちゃって読むにふさわしいおもしろい本でした。「昆虫こわい」っていうのは落語の「饅頭こわい」からきているんだろうな、とすぐにわかってクリックした本なのだが(もっともmanjyuとkonchuなのでよく似ているのだが、ちょっと違和感はあります。)、昆虫の研究者の昆虫採集旅行譚です。ペルーカメルーンカンボジアマレーシアミャンマーケニアフランス領ギアナと世界のあちこちを回る話ですから、おもしろくないはずがないですね。ま、でも虫好きにとっては、プロの研究者がどうやって虫を集めているのか、ということがなんとなくわかっておもしろいです。

それから著者の丸山宗利先生の研究対象はアリと共生する昆虫なんですね。うーむアリと共生する昆虫?となんだかもやもやした感じだったのですが、最後に番外編として、これらの昆虫採集旅行を経て書いた論文のおおまかな解説があって、素人の僕がなんだかすごく納得させられてしまいました(笑)。その論文は「軍隊アリと共生するハネカクシの古い時代からの収斂進化」というものなのだそうですが、・・・。「なお、これらの研究が人類の生活に直接役に立つことはないだろう、しかし、私はそれでいいと思っている。学問とは大小の発見の積み重ねであり、それぞれにかけがえのない大切なものである。人類の生活の貢献する偉大な研究の背景には、必ず地味で小さな発見の積み重ねがあるのだ。どんな小さな発見が、その後の大きな成果につながるのか、それは誰にもわからないことなのである。」とありましたが、私もそう思います。

税金の使い道を決めるのは政府というか国会というか政治家の仕事ですが、教育にお金を使わないのは国が亡びる道です。丸山宗利さんのあとがきに「環境破壊の背景にあるのは「知の欠如」と言われて久しい」とありました。でも「知の欠如」が背景にある問題は、環境破壊だけではありませんね。人間の欲の深さ、強欲をつくづく思います。

そういえば、「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通とおせば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」とおっしゃった文豪がおられましたな。