(192) 固定と携帯

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買わんでいて後悔積もる、まこと侮れない携帯電話か。
買わんでいたい系なれどなあ、と困るも、つい買う固定電話か。
[かわんでいてこうかいつもる まことあなどれないけいたいでんわか
 かわんでいたいけいなれどなあ とこまるも ついかうこていでんわか]

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 どういう状況なのか、いまいちよく分からん。
 回文の面白さのひとつとして、意表外な言葉の結びつきが生まれる、というのがありますよね。「しぼめ梅干し」とか。このブログだと、なぜか今年に入ってからも感想を複数もらっていたりする謎の回文(4)

スルメが蚊をしこたま捕るス。するとまた腰をかがめるス。

とか。
 ただどういうわけか、ここしばらく、自分が作る回文はそういう方向へ行っていませんで、できるだけ各語に必然性を持たせることに気を使っています。なんでそうなってるのかはよく分からないんですが。意表外な展開を期待しようと思うと、そうとうな偶然が起こるのを待つことになるので、自分で制御がしやすいような方向へ走っているのかなあという気もしていますが。どうなのか。みなさんどっちがお好きですか。
 と、これはただの前置きでした。長くなってしまった。さて、各語に必然性を持たせるテクニックとして、今回の標記の回文のように、「回文を2パートに分けてそれらが対になるようにする」というのがあり、これはなかなか便利であります。あんまり試行錯誤せずに回文の方向性が決められるので楽なんですよね。このブログで昔出した回文にもいくつか同じタイプのものがあります。いや、いくつかどころではないですね。最近とくに多いような。
 と、これも前置きでした。言いたいことは、こういうのは、kawaharさん(回文師)の回文に大いに影響を受けているんです、ということでありまして、とくに

タイに老パンサーが居たからか、タイガー サンパウロにいた。

ですね。「タイガーがいた」という回文に、対の「パンサー」を組み込もうとしたら、上のようになったそうな。最初に聞いた時は、そんな発想があるんか、と驚いたことですよ。
 こういう、回文作成の種々の方法論については、もう少しいろいろ言語化しておきたいなあと思ってますですが、なかなか上手くまとまらないんですよねえ……。