(198) 冥土への一里塚

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「そう若くない……」おいおい泣くタニシ。
「死にたくない……」おいおい泣くカワウソ。
[そうわかくない おいおいなくたにし
 しにたくない おいおいなくかわうそ

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意味的な対を作ることで回文を構造化する技術があり、私はkawaharさんの回文に影響を受けてそれを使ってます、という話を(192)に書きました。この構造化の方法を、
  島袋、八分増し。馬淵は、六分増し。
という回文から一語をとって「島袋の原理」と呼んでいます。……このブログ以外では通用しません。

上掲の回文もその原理に負っているわけですが、構造化の仕方が(192)より少しシステマティックでありまして、
  「そう若くない……」おいおい泣くカワウソ。
  「死にたくない……」おいおい泣くタニシ。
という2回文をフュージョンすることで対を作っています。前にも(38)など何箇所かで書いてますけど、島袋の原理との関係を明確にしてなかった気がするので、記しておきまする。

今回のは、イイカゲンに2回文をフュージョンしたんでなく、2つがちょうど意味を補い合うようになってる感じで、フュージョンする必然性があってよいかなと思ってます。