新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

奇術探偵ジョナサン・クリーク第二話「闇からの銃弾(後編)」

現在ミステリチャンネルにて絶賛放送中の「奇術探偵ジョナサン・クリーク」。
全てが飛びっきりの不可能犯罪ばかりという、気の狂ったような(勿論褒めてます)ミステリ・ドラマを見逃せるはずも無かろう。
「越境する本格ミステリ」やら、何年も前のMYSCONで小山正・若竹七海夫妻が絶賛してた姿などを心に留めておいた人間であればなおさら。
せっかく全作見るんだったら、レビューやっちゃおうかな、と思い付いたのがこの企画。といいながら、気付いた時には二週目だったため第一話は見逃してる。まぁ、前後編だったので理解としては十分かということで、【奇術探偵ジョナサン・クリーク(ほぼ)全作レビュー】の始まり、始まりぃ〜〜。

#1 「闇からの銃弾」 前編
画家のヘドレーが自宅の寝室で何者かに射殺された。少し前に起きた強盗事件と犯行の手口が似ていたことからスティーブンが警察に逮捕されるが、本人は犯行を否定。スティーブンの依頼で事件の再捜査をすることになったジャーナリストのマドリンは、ひょんなことからジョナサン・クリークと出会う。マジックのネタ作りを本業とするジョナサンの助けを得て、殺人事件の真相に迫るが……。

#2 「闇からの銃弾」 後編
ヘドレーの妻、セレナに動機があると睨んだマドリンとジョナサンは、セレナの事件当日の行動を探り始める。窓の開かない13階のオフィスの部屋にいたというアリバイを崩そうと二人は推理を進めるが、なかなか解決には至らない。やがて、ヘドレーの絵が展示された美術館で、ある事実が露わになる。

上記あらすじはミステリチャンネルのページより転載。もっと煽るような内容ならいいのに、と自分で書かないくせに文句をたれたらいかんわな。
 
第一話を見逃したので、主人公二人の出逢い(ひょんなことから)についてはわからないが、この探偵コンビは結構異色。まぁ、うだつの上がらなそうな控えめ男が探偵役というのはよくあるパターンとはいえ、だったらせめて相手とのギャップで見せるパターンじゃないの?と思っちゃう。
なんじゃ、この太った品の無いおばちゃんは?! この二人で恋模様かな、ドキドキ……なんてことはさっぱり思えないのだが。う〜ん、この妙すぎるヒロイン設定だけは、どうにもツボに入らない。
 
とはいえ、本筋はなかなか凄いぞ。単純なハウダニット物なんだな、と油断してたら、予想外の方向からの攻撃についつい意表を突かれてしまった。本命はこっちだったか。
勿論ハウダニットの方も、なかなか負けてはいない。バカミスちっくでいいぞ、いいぞ。
でもって憎たらしいのが手掛かりの与え方。堂々と重要なアイテムをさらしたり、さらっと解説される手掛かりに関するホワイダニットなんかも素敵。
 
不可能犯罪ってとこだけに注目してちゃ勿体ないぞ。
さりげないホワイの上手さってのが、ドラマで味わえるってのはなかなか魅力的じゃない?