ミステリマガジン700 【国内篇】 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 作者: 日下三蔵
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/04/24
- メディア: 新書
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さすがにそれは断ったそうだ。
掲載される国内短編はそうそう多くないから、その層の薄いとこから選んでも、
落ち穂拾い的なしょぼいアンソロジーになっちゃうのは、選者じゃなくても容易に理解。
なにせ層の厚みはたぁ〜〜っぷりとあるはずの海外編ですら、あの出来だったからなぁ。
まぁ、これは杉江松恋の選定眼(というより私との趣味の違いなんだろうけど)
ということになるのかもしれないけど。
こちらもバラエティ豊かな作品を、という選定基準だったせいか、
広義のミステリとしか言えない、ちょっとぼんやりした作品が多かった印象を受けた。
そんな中で、ベスト3を選ぶとすれば、
ベストは悩みようがないほど、これで決まりの鮎川哲也「クイーンの色紙」。
自虐ネタというユーモアを効かしながら、シンプルでお見事な謎解き。
第2位は原寮「少年の見た男」にしよう。なかなかにトリッキーな構図を、
ハードボイルドの形式に乗せて、カッコよく描き出してるくれる作品。
第3位は悩むところだが、若竹七海「船上にて」で。
トリックはしょうもないが(特にダイヤの方)、オチが爽快。
このコンセプトの程には楽しめなかった感が強いので、採点は6点止まり。