新・三つの棺−「幻影の書庫」日記

2018-06-13

[]風神の手

風神の手

風神の手

初期以降は、ほぼ毎年1冊づつくらいのペースで読んでいる道尾秀介だけど、

15年の「透明カメレオン」に並ぶか、いや、多分それを越える秀作だった。

道尾秀介中期を代表する作品として、今後記憶されるようなものになるかもしれない。

 

とにかく本書の全てが伏線かと思えるくらい、

から隅までずずずずずい〜〜と、とにかく張り巡り尽くされている。

全てが繋がり、因果は巡り、そうしてそこに題名意味がそっと置かれる。

 

嘘と真実

それらは必ずしも常に対義語であるとは限らない。

嘘は時には真実でもあり、真実も時には嘘になり得るのだろう。

嘘と真実が反転しつつも因果を転がし、大きな織物として編まれていく。

 

精緻に織り込まれた作品の歓びをじっくりと味わえる。

 

秀作だろう。採点は7点。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/tsuki0214/20180613