新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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星野之宣短編集 アトランティス大陸誕生、そして滅亡

古代文明をモチーフにした五作品。
巻末の「水のアマゾネス」は古代白人国と別の伝説を組み合わせた作品。
冒頭の二作品「暁の狩人」「はるかなる朝」はアトランティス
アトランティスの始まる前と、アトランティスの滅びの後を
それぞれ描いている。
 
しかし、何といっても中盤の「巨人たちの伝説」二部作が大傑作。
巨人族タイタン人が氷河期に立ち向かう第一部を受けて、
次の氷河期に立ち向かう現代人を描いた第二部が、
突出して素晴らしい出来映え。
 
あまり読んでるわけではないが、これまで読んだ星野之宣
短編の中では、これが最高傑作だと思う。
 
本書の表紙にもなってるタイタン人のイメージが強烈。
そしてそこからのハードSFとしてのプロジェクトのアイデアと、
サスペンス・アクションとしてのストーリー展開が、
いずれも傑出している。
 
何度もピンチがあって、その度冴えたアイデアでそれに立ち向かい、
最後の最後もテーマに見事に沿った解決策が用意されてる。
 
良質のSF映画を観たとき以上の満足感と感動を与えてくれる作品。