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俺の邪悪なメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

お知らせ
バイオレンスでホラーな自主制作コミック『黒の女王』
第4話までを特設サイトで公開中!

自主制作コミック「黒の女王」


2009-09-03

17年前に、すでに『サマーウォーズ』を予言したようなマンガがあった。

(追記あります)

これは映画『サマーウォーズ』のオープニング部分。

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ようこそOZの世界へ。

OZは世界中の人々が集い楽しむことができるインターネット上の仮想世界です

(中略)

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まずはあなた自身のアバターを設定しましょう。

アバターとは、OZ上でのあなたの分身です。


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ウチの本棚に、この映画とよく似た始まり方をするマンガがある。

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ここは電子の街「アゴラ」


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「アゴラ」はコンピュータネットワークの中につくられた街。

全国から様々な人々が電話回線を通じてやってきます。


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初めておこしのかたは、まずこの店でご自分のキャラクターをお求めください。

それがこの街でのあなたの姿となります。




偶然なのだろうが、ウサギのキャラクターが出てくるところまで一緒だ。

このマンガは『プレイヤーは眠れない』。


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セリフに「電話回線」とあるが、日本ではブロードバンドはおろか、インターネットすら普及していない17年前の1992年に『ビックコミックスピリッツ』で短期集中連載され、翌93年に単行本化している。



本作では、仮想空間の街「アゴラ*1」が、"GOD"と名乗る謎のハッカーに乗っ取られてしまう。"GOD"は「アゴラ」のアバター*2たちを支配下におく。


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さらに"GOD"は情報インフラを悪用して事故を起こすなど、現実世界に干渉してくるのだ。


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こういった展開も『サマーウォーズ』とよく似ている。

また、途中で明かされるハッカーの正体も、とてもよく似ているのだ。


ぼくは、これをもって『サマーウォーズ』はパクリだぜ〜、と主張したいわけじゃない。

本作と『サマーウォーズ』が似ているのは、作品のごく一部分に過ぎないし、作品の核となるテーマはぜんぜん違うものだ。この程度の類似は偶然の一致でも十分にあり得るだろうし、もし細田監督が本作を下敷きに脚本を執筆していたとしても、何ら問題ないと思う。

ただ、17年前の時点で、セカンドライフのような仮想世界でのアバターを使ったコミュニケーションサービスや、情報インフラによる社会システムのコントロールを予言していたともいえる本作が、埋もれたままなのは少し惜しいと思うのだ。

もちろんコンピュータ上の仮想空間を題材にしたフィクションはこれが最初というわけではない。ディズニー映画『トロン』の公開は82年、士郎正宗の『攻殻機動隊』は91年だ。また、ハッキングによる現実世界への干渉というアイデアも、すでに89年公開の『機動警察パトレイバー the Movie』で、描かれている。

しかし、これらの作品はSF方向に強く傾いており、現代(発表の時点では未来)とのシンクロという点では、本作は抜きんでている。もちろん、そういうこと抜きでも、純粋にエンターテイメント作品として十分楽しめる内容でもある。

ちなみに本作がどのくらい埋もれているかというと、絶版なのはもちろん、復刊ドットコムではわずか3票。数年に1票入るくらい。とりあえずぼくも1票入れといた。

しかも、それで入手困難かといえば、そういうわけではなくamazonマケプレでは1円で何冊か出ているという埋もれっぷりだ。事実上、送料だけで入手できるので、ちょっとでも興味のある方にはポチッとされることをオススメしたい。

※(2009/9/3 17:00)1円の出品は完売したみたいです。



関連

本作の原作者、黒沢哲哉氏のウェブサイト

深夜通信’09


本作の作画、正木秀尚氏のやっているバンドのウェブサイト

ようこそ!ジャムキッズワールドへ




<追記1>

ブコメで、貴重な指摘をいくつか頂きましたので、追記します(急に「です・ます」調)

id:pontennaさん 「[ファミコン神拳]てつ麿先輩の仕事。」

原作者の黒沢氏は「ファミコン神拳」のてつ麿さんでした!(ちなみに、id:pontennaさんは、カルロスさんです)

wikipedia:ファミコン神拳

小学生の頃、愛読してました。夏休みが長かったあの時代に帰りたいです。あたたたた。




id:www6さん 「元祖ビジュアルチャットHabitatがはじまったのが1989年。」

id:mangakojiさん 「まーアバターのあるネットはその頃からあったからね。ハビタットとか、まさにアバターって名前だったし。ジャックインとかいってloginするサイバーパンクはアバタつかったのが多かった気が」

当時から日本にもアバターもビジュアルチャットも存在していたようです。おそらく、本作はこういったものを下敷きにして構想されたのでしょう。本作は、未来を予言したというよりも、まだニッチだった最先端のメディアを取り入れた作品ということですね。

更に追記。

なお、本作がぼくがいうほど「先進的」だったかについても疑問に思う向きがあるようです。たしかに、そうかも知れません。

ただ、SFにあまり親しんでなかった高校生(当時。今はオッサンです。念のため)としては『スピリッツ』にこれが載ってて、「こういう作品世界があるのか」と結構おどろきました。

日本ではSFというジャンル自体がマイナーなので、たまたまこういう作品を目にすると、とても先進的に思えてしまうのかもしれませんね。これを機に当時の作品を発掘して読んでみようと思います(時間があれば……)。






<追記2>

ちなみに、ぼくは『サマーウォーズ』は(内容については)いい映画だと思っています。

『サマーウォーズ』内容は良かったんだけど…… - 俺の邪悪なメモ



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*1:もちろん、池田信夫先生は関係ない

*2:本作ではアバターという単語は出てこない