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自主制作コミック「黒の女王」


2009-10-14

生活保護の本当の問題


まあ、景気が悪くなってくると、こういう感じで福祉が憎まれたりするわけだけど。

働いたら負けは事実

実際、働いてるのに生活保護以下の生活しかできない人はいるわけで、問題提起としてはアリかも知れない。でもちょっと計算がおかしいし、実際のところ生活保護なんてそう簡単に受けられるもんじゃない。明らかに生活保護が必要と思われる人だって、役所で門前払いされるのが現実だ。

不適切な受給で甘い汁吸ってる人なんて、本当にごくごく一部。生活保護を受けている大部分は、十分な収入がない人や、働きたくても働けない人たちだ。


でもね。

この本当に必要で生活保護を受けている人たちが、どんな人たちなのか調べると、生活保護制度が抱える深刻な大問題が浮かび上がってくるのだ。


ここに、平成19年度時点での生活保護を受けている世帯の類型別割合を示す。

××世帯…45.1%

傷病世帯…24.4%

障害者世帯…12.0 %

母子世帯…8.4 %

その他…10.1%


さて問題。

ブッチギリNO1、生活保護世帯の45%を占める「××世帯」とは、どんな世帯の人たちでしょうか?


外国人? 病気も障害もない失業者? 不正受給のDQN

どれも不正解。

そーゆー人たちは「その他」の中に含まれる。生活保護受給者の大部分が在日外国人やDQNだっていうのは大ウソ*1


正解は……、

高齢者世帯。


世帯数でいうとおよそ49万世帯。

我が国で生活保護費を最も多く受け取ってるのは、母子家庭でもなければ、ケガや病気で働けない人でもない。まして外国人やパチンコ三昧のDQNでもない。老人なのだ。

この比率は年々上がっており、平成元年の時点ではまだ23万世帯で35%だった。つまり約20年で割合としては10%、世帯数は倍以上増加していることになる。


高齢者世帯への生活保護の最大の特徴は、ほとんどの場合が死ぬまで続くことだ。

そもそも生活保護緊急避難的な性格の強いセーフティーネットだ。何らかの理由で憲法で謳われている"健康で文化的な最低限度の生活"が困難になった人たちを救済し、再び自前での生活が可能になったら「卒業」してもらう。そういう制度である。

実際に、世帯主が病気やケガから回復した傷病世帯や、世帯主が十分な収入を確保できた母子世帯は、生活保護から「卒業」していく。自治体にだって予算枠というものがあるから、はやく「卒業」して貰えるよう色々働きかけたりする。

しかし、高齢者世帯にはこういった「卒業」はまず期待できない。大抵の場合「卒業」=「死」なのだが、日本は世界一の長寿国である。統計上も高齢者世帯は他の世帯より受給が長期になる割合が高い。


半数近くを高齢者が占めた今、生活保護は形を変えた年金といっていいだろう生活保護緊急避難的なセーフティーネットというより、何らかの理由で年金で生活できない高齢者の生活保障システムとしての色合いを強めている。

しかも、我が国最大のボリュームゾーンである団塊の世代はまだ統計上の高齢者(65歳)になっていない。おそらく、そう遠くない将来、生活保護費の半分以上を高齢者が受け取ることになるだろう。


このような状況で、生活保護という制度が本来のセーフティーネットとしての役割を果たせるわけがない。

前述したように本当に必要な人が生活保護を申請しても門前払いされたりするのだが、これは当たり前だ。予算の半分近くが固定費のように高齢者に消費されており、今後それが増え続けることが目に見えているのだ。役所は口を絞るよりない。

結果、ごく希な不正受給*2がクローズアップされて悪目立ちする。正当な理由があって受給を受けてる人も、こぼれ落ちた人たちから憎まれる。悪循環だ。セーフティーネットの存在を憎む社会なんて悲しすぎる。


老人がその大半を食いつぶしていること。

これが生活保護制度の最大の問題点だ。


人口ピラミッドを眺めると憂鬱になるばかりだが、何はともあれ、一刻も早くセーフティーネットとしての生活保護高齢者の生活保障を切り離すべきだ




ついでにもうちょっとぼくの考えを書くと、生活保護から切り離したとしても、この先、高齢者の生活保障を現役世代が負担していくのは不可能だと思う。これは年金介護保険もそう。

単純な話、人もいなけりゃ、金もない。

貯金が大好きな日本人はなんと1500兆もの大金を貯め込んでるらしいけど、そのほとんどを持っているのが高齢者なのだ。

2009-03-20 - カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記

個人金融資産1,500兆円の世代別分布状況日経ヴェリタス」(2008年6月15日発行)

世代      資産   人口   一人当たり資産

70歳以上    452兆円  1897万人   2382.7万円

60〜69歳    494兆円  1577万人   3132.5万円

50〜59歳    330兆円  1924万人   1715.2万円

40〜49歳    172兆円  1568万人    1096.9万円

30〜39歳    86兆円  1892万人    454.6万円

29歳以下    10兆円  3918万人    25.5万円


生活保護を受けなきゃいけないような老人が大勢いる一方で、ガッポリ貯め込んでいる老人も大勢いるわけだ。人口も資産も少ない現役世代が高齢者を支えるより、高齢者同士で支え合ってもらった方が合理的だ。

だからぼくは、後期高齢者医療制度のような仕組みは絶対に必要だと思うし、廃止するなら、もっと極端な制度を新設するべきだと思う。一定以上の資産や収入がある高齢者には、現役世代以上の負担をお願いするべきなのだ。

でも、こんな政策掲げたら絶対に選挙で負けるから、実現しないんだろうけどね。


「なんだとー! 一生懸命がんばって国を豊かにしたワシらからむしりとるのかー!」

「でも、こんな歪で不公平な社会にしたのもあなたたちですよね?」




参考

国立社会保障・人口問題研究所 「生活保護」に関する公的統計データ一覧


関連

今週のお題:これがないと困る! - 俺の邪悪なメモ




生活保護手帳〈2009年度版〉

生活保護手帳〈2009年度版〉

*1:もちろん、在日だろうがDQNだろうが、正当な理由があれば保護を受ける権利はある

*2:どんな制度でも不正は必ず発生する