3月のライオン

昨日、久しぶりにマンガ喫茶に行きました。


私、時々無性に脳がエンターテイメントを渇望することがあり、

そういう時は六本木に行って映画を見るか、近くのマンガ喫茶に数時間こもるかして

エンタメチャージをすることにしております、ハイ。


今回読んだマンガの中で、「こいつは凄いゾ!」と思ったのが

羽海野 チカの「3月のライオン

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

そう、「ハチミツとクローバー」の作者さんの新作なのです。


3月のライオン」は幼くして家族を失い心に傷を負った少年棋士が、周囲の暖かい下町の人たちに支えながら、

生きていくうえで避けては通れない困難にもがき苦しみながらも、将棋の世界のトップを目指していく

というストーリーです(多分・・・)。

明るく楽しいトーンで展開された「ハチクロ」からは一転、今回の作品はどこか暗く、哀しい雰囲気で進行していきます。


私が衝撃を受けたのは、この作品の奥の深さ。


まだ1巻しか単行本化されていないので、全てが表現されているわけではないのですが、

それでも内容を読むと、主人公やその周りの登場人物のバックグラウンドが相当緻密に設計されており、

かつ、物語の舞台となっている旧き良き東京の下町や、一般世界からはかけ離れた感のある将棋界を

事前に丹念に調べたのであろうことが十分に読み取れます。


ハチクロでおなじみのふんわり・ほのぼの画風ながらも、

前作とくらべ、ここまで違った世界感を、これだけ高いレベルで提供できる

羽海野 チカという漫画家を改めて尊敬しました。


ちなみに、連載は「ヤングアニマル」なるちょいとマイナーな少年コミック誌です。

少女コミック誌ではないというところに、作者の意気込みが感じられますね。