うすたび蛾
うすたび蛾の繭.
漢字にすると、「山叺」とか、「釣叺」。
冬の無彩色の環境の中では
鮮やかな緑色は一際は目立って見えます。
しかし成長した うすたび蛾 の体のどこにも
この緑色は見当たりません。
ところで 繭がこの色で身を包むのには
それなりの理由があるのでしょう
以前見た アサギマダラの繭も
エメラルドのように輝いていました
外敵に対して何もできない繭が
厳しい環境の中で なぜ目立つ事をするのでしょうか
生きるために外敵が嫌がる
色、形、臭いで身を守っているのではと
思っていましたが もしかすると
それ以外の目的があったのではないかと
最近思い始めました
仮に 身を守る必要が無くなった時に
この美しい緑色は冬の無彩色の中で
鳥たちや生き物(人間も含めて)達に
春が来る事をつげる色になったり
かます型の繭はゆらゆらと
緑の反射板のように輝いて
遠くでも目立つように
みんなのみちしるべ になったりしているのではないか。
と思うと 今年は昆虫達の行動を
もっと素直に注意深く観察しいきたいと思っています。
遅くなりましたが、
本年もよろしくお願い申し上げます。
ツユムシ
あれは、ちょうど1か月前のこと。
10月14日体育の日は夏日
前日は気温30度を越えた真夏日
東工大の中庭に
アンバークイーンが咲いていた
花色がアプリコット
花の中から
ツユムシが顔を出した
しばらく見つめていた
瞬きしても
こちらが動くまでずっと
見つめて動かなかった
昔 好きになった人を
見つめる事が出来なかった
なぜだったんだろう
嫌われてしまうかもしれないという不安
「やめて」といわれる致命的拒否の怖さ
どうしても伝えたかった気持ちを
言葉では伝えられなかった
行動もぎこちなかった
せめてちょっと見つめることで
何とか気持ちを伝えたいと思った
そんな切ない行動も
相手には気付いてもらえなかった
悲しくて苦しかった初恋の思い出
時は流れ
少し図々しくなった今
愉快に楽しく老いらくの恋に
挑戦してみましょう
肩の力を抜いて・・・。
ヤマトシジミ
2,013年の最終章
少しずつ失われて行く自然環境
母のお腹で十月十日
その時までじっと待っている赤ちゃん
生まれる前に性別がわかってしまう医学
神から授かったもの
その神秘さがどんどん科学の力で
解き明かされてゆく 冒涜と言いたいが
神秘だから空想が イマジュネーションが膨らむ
科学は止めどなく全ての根源を
解明しようとする
そろそろ立ち止まってみては
と思ったりもする
なぜって 今 向き合っている 現実の中で
一つ原発の脅威をもっと謙虚に
みんなで考えるべきです
高校生の時に習った
It is no use crying over spilt milk
このセンテンスをもう一度正しく訳してみよう
人のおごりと身勝手さが
彼らの生態系を壊してしまった
今年の4月の新聞に「被爆 生態系 異常」
ヤマトシジミの「翅、触角 生存率に異常」
の記事が掲載された
やはりそうか!
しかしその後 関連記事のレポートはない。
(東京新聞)
真実を伝えている記事に
齟齬をきたしてはならない
真実とかたる嘘は信じたくない
真実とは
我々はもう一度
この言葉の持つ意味を正しく
確認しておく必要があるかもしれない
アキアカネ
アキアカネがしきりに飛びまわっている
旅客機の車輪部分に当たる前脚は
飛び立つとき 降りるとき
そして止まったりする時に
その脚を折りたたんだり伸ばしたりする
抵抗を少なく邪魔にならない様に
自然に折り曲げる
旅客機も同じようにそれを利用している
これもまた人が昆虫達の知恵を
黙っていただいてしまったのかもしれない
そんな知恵を頂いているのだから
我々はもっと彼らを
大切にしなければいけない
そして彼らをもっと知らなければならない
真しに彼らの事を考えなくてはならない
自分さえ快適であればよいと考える前に
彼らに嫌われない様にするために
何をすべきか考えたほうが
おたがいに共存しやすい環境を
作っていけるのではないかと思う