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diary / nowadays


2009-10-12-月 Little One

[]『呪霊 THE MOVIE 黒呪霊』

『呪霊 THE MOVIE 黒呪霊』

監督・編集:白石晃士 / 脚本横田直幸 / 製作:張江肇、鈴木ワタル / プロデューサー:木谷奈津子、大橋孝史 / 助監督江田広司 / 制作担当:小泉史香 / Aプロデューサー:磯田修一 / 撮影:坂本一雪 / 美術:越阪部珠生、武田勇生 / 衣装:堀えり奈 / ヘアメイク:村中幸恵 / 録音:横内靖典 / 音楽:D・R・A / 主題歌若槻千夏『あなたのいない雨』 / 出演:若槻千夏上野未来、一戸恵梨子、小倉一郎、千野弘美、塩顕治、森康子、沢樹くるみ、柳ユーレイ、Betty / 日本スカイウェイ&パル企画製作 / 配給:パル企画 / 映像ソフト発売元:BROADWAY

2004年日本作品 / 上映時間:1時間20分

2004年3月27日日本公開

2009年7月24日DVD日本盤発売 [bk1amazon]

DVDにて初見(2009/10/11)


[粗筋]

第十話:深夜のビル街、照明の落ちたテナントの窓ガラスを前にダンスの練習に励む4人の女性達(Betty)。怪しげな気配に勘づいたときから、彼女たちを悪夢が襲う……。

第九話:前田紀子(若槻千夏)が友達の川嶋理絵(上野未来)のアパートから帰ったとき、家には誰もいなかった。塾に行っていた弟・純哉(塩顕治)も、その弟を迎えに行ったはずの母・真由子(千野弘美)も見当たらない。

 訝っているところへ、父・一繁(小倉一郎)から電話がかかってきた。突然の出張で出かけていた父だが、やはり時間がかかりそうだ、ということでそのまま滞在することにしたらしい。しかし、回線がおかしいのか、気づけば電話は切れてしまった。

 続いて今度は、紀子の携帯電話が鳴った。相手は、原仁美(一戸恵梨子)。直前の経緯から腹を立てて電話に出た紀子だが、聞こえてきたのは奇妙な呻き声。すぐに電話が切れると、紀子は自分から電話をかけ直した。いつまで経っても仁美は出ない。だが紀子は、異様な事実に気づく。

 誰もいないはずの我が家のどこかから、携帯電話の鳴る音がするのだ……


[感想]

 Vシネマとして発表されていたシリーズ『呪霊』の劇場版第2作に当たる――が、実は私は先行作を1本も観ていない。Vシネマ版はおろか、劇場版の先行作についても手に取っていないのだ。何故いきなり本篇から観たのかというと、劇場版第1作の評判があまり芳しくなかったから、というのもあるが、監督を担当しているのが、『ノロイ』などでホラー映画作りのセンスの高さを示している白石晃士監督作品だったからである。

 本篇においても監督のホラー・センスの高さは健在だ。怪奇現象のスタイル、雰囲気はまるっきり『呪怨』に倣っており、それだけで否定的な見解を持つ人もあるだろうが、問題はどう活かすか、である。

 粗筋で“第十話”“第九話”と遡行しているのは内容通りで、本篇は視点人物の切り替わり、あるいはエピソードの切り替わりで1話として区切り、それをラストである第十話から逆に辿って示している。こうすることで、登場人物にとっては自然な台詞、行動であっても観る側には謎として感じさせ、作品全体に牽引力を齎すことに成功している。それでいて、第一話から順繰りに観てもカタルシスに繋がらない、逆順で見せて意味のあるアイディアとなっているのも出色だ。最初、何処からやって来た“呪い”なのか意味不明の状態で観るからこそ、本篇の不気味さは際立っているのである。

 一方で、間の取り方が非常に巧いことにも注目していただきたい。このタイミングで無音が続く怖さ、ある構図が持続する禍々しさ、など、静かだからこそ効く怖さが随所に盛り込まれている。ごく一部に猫騙し的な趣向も用いているが、大量に用いていないのでこれはこれで本来の効果を上げていることも、監督の恐怖演出の巧さを証明している。

 舞台はごくごく限定され、出演者も少数、メイキングを観ると撮影時間も極度に限られているのが解る。まして、登場する“幽霊”たちが、特殊メイクをふんだんに用いて作られているのではなく、顔を白塗りにしただけ、というシンプルなものであるのが、本篇の予算の乏しさを窺わせる。だがそれでも、作り手に志があれば、ちゃんと優秀なホラーに仕上がるのだ、ということを証明した、ありそうでなかなかお目にかかれない佳品である。最近はともかく、一時期やたらと『呪怨』フォロワー的な作品が登場していたが、そんな中にあってはいちばん優秀な部類に入る出来だと思う。


 ちなみに本篇では終盤(内容的には一連の事件の発端に近いところ)に映画館が重要な舞台になっているが、ここで撮影に使われたのが、テアトル池袋、という実在の映画館だった。出入口に刻まれた館名を目にした瞬間、ちょっとした感慨に囚われたのは、この映画館が既に閉鎖されているからである。

 本篇の撮影は2004年に行われたようだが、テアトル池袋はその2年後に閉鎖されている。経営会社ホームページに残る報告によれば、特異な立地ゆえの収益性の悪さが原因であったらしい――確かに、池袋映画館は東口のサンシャイン通りと西口付近に固まっており、テアトル池袋はそのいずれからもちょっと離れた場所にあった。

 この館名に覚えのある方は、在りし日の姿をふたたび確かめるために観てみるにも一興かも知れない――如何せん、ビルの中に入ったテナントのひとつなので、全体像を眺められるようなショットは存在せず、撮りようもないので、断片を眺めるしか出来ないのだが。


関連作品:

呪怨

ノロイ

ほんとにあった!呪いのビデオ THE MOVIE

ほんとにあった!呪いのビデオ THE MOVIE2

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