タカハシマコ「棺の中は黄色いバラ」1巻

これをラブストーリーのつもりで書いてるんだ・・・。そっか・・・。
隣の大きな洋館に引っ越してきた転校生の細貝柊にはかつて母親を殺した過去があった。人を殺すことに興味を抱く主人公・スミカは噂に惹かれて柊に近づくことにした。「私、茨木スミカ。人の殺し方を教えてほしいの」どう見てもサスペンスです。本当にありがとうございました。
相変わらずリリカルダーク全開のタカハシマコ新刊です。田舎の鬱屈とした空気、美しい洋館と手入れされた庭のバラ園、不安定な思春期の少年少女、やんわりとした殺意、といった要素が混然一体となってものすごく美しい世界観が展開されています。タカハシマコってセンスで勝負する短編気質の作家で、ストーリーテラーではないからうまく風呂敷をたためるか若干不安ではありますが、いつにも増して怪しく耽美的な雰囲気が素晴らしいです。