ツカンポは荒野をめざす

2010-12-31

[]2010年の5冊(漫画)

今年は日本語の小説をぜんぜん読んでないので、漫画だけにします。

ガラクタで満たされた煩悩寺の、小沢さんと小山田くんと島ぽんが織り成すダラダラした空気がたまらなく心地いい、素晴らしく温いラブコメだと思います。秋★枝、温いラブコメを書かせたら今一番上手いんじゃないかな。

エキセントリックなお子さま・リューシカの突飛な行動が楽しい作品です。リューシカの一人称にはドラッギィな楽しさがありますwフルカラーで本としてきれいなのもポイント。

大学のそばの星川のお話です。お話が動くのはまだこれからだろうけど、1巻の時点でも細かい内面描写の巧みさに舌を巻きます。あと乙女ちゃんがかわいい。

  • たかみち「ゆるゆる」

ジャンル「カントリーユートピア」な作品はたくさん読んだ気がするけど、本作と「りとうのうみ」が一桁上のクオリティだったと思います。

少女というもの、ひょっとすると現実には存在しないかもしれない妖精たちの、神秘性と可愛さを書くために全てのエネルギーを注いだような作品です。あんずとすみれが可愛すぎてニヤニヤ(・∀・)が止まりませんw

2009-12-23

[]2009年の5冊(漫画)

ちょっと早いけど、年末年始は旅行に行くのでまとめておきます。例によって、今年単行本の一冊目が出た作品の中から順位をつけて選んでみます。

第五位:高橋しん花と奥たん

ゆったりとした奥たんの日常とおいしそうな料理、という主題をビビッドに描くためだけに異常な世界設定を設ける構造が面白いです。この構造、恋愛以外でも使えるんだw

第四位:森薫乙嫁語り

連続したコマ割りで表現される動きと、丁寧に表情で描写される心の動きがすばらしいです。ストーリー的にはまだ始まってもいないけど、描写と演出のクオリティはすごすぎて何かを超越してる気がします。

第三位:TOBI「銘高祭!」

高校の文化祭(の準備)を扱った作品。ひたむきに“今”を楽しむ(やってる本人は大変だろうけど)登場人物が少しうらやましいですw

第二位:タカハシマコ「ニコ」

可愛らしさと同居する冷たさ残酷さというタカハシマコの特徴が一番わかりやすい作品だと思います。「乙女座・スピカ・真珠星」()の方がとっつきやすいけどw 実は初めて読んだタカハシマコ作品だったりします。

第一位:めいびい「黄昏乙女×アムネジア」

幽霊の夕子さんと一緒に、不思議な現象を論理的に解明していく、というストーリーも面白いのですが、別にエロいシーンじゃないのに妙に色気のある夕子さんの作画に注目ですw 黒髪乙女好きは是非。そんな感じ。


次点は、「モテキ」「オールラウンダー廻」「空色スクエア」あたり。今年は面白い作品がたくさんありました。

[]2009年の5冊(小説)

調子が出てきたので一気に行っちゃいます。今年文庫が出た作品の中から順位をつけずに選んでます。

新城カズマ15×24

“死”についての物語であり、いたるところでテンションの高い<24>であり、現時点でまったく終着点が見えないこの作品。今年中に完結するのにまだ半分しか読んでないけど、それでもここで取り上げないわけには行かないだけのテンションと面白さを持った作品だと思います。

・万条目学「鴨川ホルモー

股間の下の素敵なサムシングを往来で揺らしたり、くだらないことにプライドをかけて戦ったりする、どうしようもない学生生活が楽しい作品でした。どうでもいいけど、某作家の詭弁論部と本作の青龍会はどちらが不毛楽しい学生生活なんですかね?

恩田陸ネクロポリス

幻想的な雰囲気と世界観を書かせたら右に出るものはいないであろう恩田陸の、本気の幻想小説。相変わらずオチは微妙な気もしますが、完璧に構築された耽美的な世界観には圧倒されます。

有川浩「海の底」

日本の自衛隊基地を怪獣が襲ったらどうなるかという社会派実験小説でありながら、閉じ込められた自衛官と子どもたちの交流を描いた子守小説でもあり、同時に不器用な恋愛小説でもあるすばらしい作品でした。

山本弘「アイの物語」

設定としてはロボットSFなのですが、AIの主張の法が人間より正しいという、というか僕らは何か間違っているのではないかという思いにすらとらわれるすさまじい話でした。人間と社会に対する失望と、そんな現状をフィクションの力で変えようという真摯な思いが伝わってきました。今年のベスト。


こんな感じかな。読んだ作品はちょっと減ったような気がします。(´-`).。oO(今年はあと一週間くらいあるけどな)

2008-12-31

[]2008年の5冊(小説)

今年読んだ本(文庫)の中から順位をつけず5冊選んでみます。

・大西科学「晴れた空にくじら」

不思議な現象を一つだけ設定して、そこからは完全な物理学的な考察で作られる世界観が面白かったです。ニュートン力学にしたがうファンタジーなんて、そうそうないんじゃないかな。

有川浩「空の中」

空の中に浮遊する不思議生物を扱ったSF。こちらは「そういう生物がいたら社会はどう対応するのか」をシミュレートしてる感じです。青春小説でもあり、恋愛小説でもあり、どの方向から読んでも楽しめる作品だと思います。

・東野圭吾「容疑者Xの献身」

よくできたミステリであり、それ以上に最高の非モテ文学でした。ネタバレネタバレなラストは涙なくしては読めません('A`)。今年のベスト。

・森見登美彦「四畳半神話体系」

こっちはダメな非モテ小説w ダメな大学生が、あの時に判断を誤らなければダメな生活を送ることはなかったのに、という平行世界でやっぱりダメな生活を送る話です。超絶な文章力で繰り返されるダメな主張に注目だねw

・森博嗣「クレィドゥ・ザ・スカイ」

えーと、ストーリー的な印象はあまり残っていませんw 余計なものはいらない、いつまでも飛続けたいというキルドレの純粋な思いが印象に残る作品でした。ほら、俺キルドレだしw

次点として、秋山瑞人「DORAGON BUSTER」と野村美月「“文学少女”と神に臨む作家」を名前だけ挙げておきます。

2008-12-30

[]2008年の5冊(漫画)

単行本の一冊目が今年出た作品から順位をつけて選んでみます。

第五位:コゲどんぼ「亡き少女のためのパヴァーヌ」

第五位:羽海野チカ「三月のライオン」

現時点で面白いというより、この人がこの方向性で書いたらまず外さないという作品を二つ選んでみました。素晴らしい物語になることを期待しています。

第四位:甘詰留太「ナナとカオル」

明確な行為を書かずにエロくするという新種の競技がはやってるのでしょうか。エロい漫画やえちぃ漫画もそれなりに読んだけど、エロさではぶっちぎりでしたw 触ってすらいないのにwww まさかこの方向性で「キミキス」を超える作品が出るとは・・・

第三位:シギサワカヤ「ファムファタル」

こっちはえちぃ作品。男視点で女性のわけのわからなさを扇情的に描く作品なのかな。どこまでが本心で、どこからが嘘なのか全くつかめないまま、海老沢さんに嵌っていくハイくんが面白いです。悪女的なイメージが強い、ファム・ファタルというタイトルもすんなりと納得できますね。

第二位:松沢まり「さんぶんのいち

仲良し三人組(男女女)の関係が、中学生になって否応なく変化していくさまをリリカルに描いた作品。純粋さと表裏一体の不安定さをきちんと書いてるのがポイントです。

第一位:ナヲコ「なずなのねいろ」

三味線というマイナーもいいとこの題材を扱った部活青春もの。題材はマイナーだけど、ストーリー展開を含めて「なずな」という人物を(あるいはなずなの成長を)書いた作品です。つまりはなずなが可愛ええ(*´Д`*)。そんな感じ。

小説は明日。

2007-12-31 まとめ

[]2007年の5冊(小説)

今年文庫が出たものの中から順位をつけずに五冊選びます。

恩田陸「蛇行する川のほとり」

本気出した恩田陸はすごいね。ライトノベルにある少女小説より一桁くらい上の水準でした。これまで読んだ恩田陸の中で一番好き。

・伊坂幸太郎「チルドレン」

五つの短編を通して一人のキャラクタを書いた、伊坂幸太郎らしい連作短編集でした。

・歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」

単純な驚きは今年一番でした。大胆な伏線と無茶なトリックを楽しもう。ギャフン、ということ請け合いですw

・田中ロミオ「人類は衰退しました」

「よーせーさんはかわいいです?」「ほのぼのなのだ」「ときどきぶらっくー」「ことしいちばんです?」「たんじゅんにたのしーよー」以上、妖精さんが応援に来てくれました。

・冲方丁「スプライトシュピーゲル」「オイレンシュピーゲル」

これは選ばないわけにはいかないでしょ、な冲方丁の同時多発テロストーリー。二つのレーベル/二つの視点で一つの事件を追った2巻目は圧巻の一言。さらに交錯するという噂の次作にも期待してます。

こんな感じかな。次点として、貴志祐介「硝子のハンマー」、法月倫太郎「生首に聞いてみろ」、森博嗣「フラッタ・リンツ・ライフ」、古橋秀之「冬の巨人」、大西科学「ジョン平とぼくらの世界」を名前だけ挙げておきます。