僕がカードを捨てた理由−データベースを越えて

僕がカードを捨てた理由−カードの並べかえで発想はできるか?の続きです^^;

前置き

いろんなアイデア、策が、その時々の課題に応じ、有効性とかに関係なく次々に生じる。そのうち、あるものは忘れられ、あるものは思いつきで実行され、それはたまたま成功し、たまたま失敗する。
だったら、それらを有効活用しよう、ということからMoEは始まる。MoEが目指すのは、アイデアの最大限の活用であり、発想、閃きを有用な方向に向けることである。
これは意識的な作業であり、目的がまずある。所詮、知的生産というのは手段なのである。

前回まででデータベースについては否定した。これにより、その時々の目的にあわせ、メモを自由に活用していいということになる。
今までデータベース理論によってとらわれていた制限から解放し、より、メモの運用を、知的生産にふさわしいものに作り替えていこう。

データベースを越えて

データベースを否定したことにより、データを全て残す必要も、関係するデータを全て登録する必要も、無くなっている。
従って、その時々の必要に応じて、ファイルを最初にためられている場所から、別の場所に移動してもいいことになる。
また、そのメモを改編したり、合成したりすることもいいし、不要になったと判断したメモは、積極的に捨ててもかまわないということになる。

  1. メモの移動
  2. メモの改編、合成
  3. メモを捨てる

これらのことが、データベースを否定することで可能になったのである。

イデアを結晶化させる二つの条件

この三つができるようになったのは大きい。アイデアを結晶化させるには、

  1. 関連するメモが一つの場所にかたまっていること
  2. それらを自由に操作すること

が必要条件だからである。
イデアメモをためたとしても、それを一度に結晶化することは難しい。脈絡のないものがまざった状態だからだ。その中には、同じことの繰り返し、関係の無いこと、内容のないレトリック、追求しても無駄なアイデア、が並列している。それらが全て、個々バラバラの完成度の高いメモで、それをつなぎ合わせればひとつのまとまりになる、というのなら、KJ法のように、それを一度並べ、グループ分けし、順番を入れ替えれば終わるだろう。だが、実際はそのようなことはない。全体の脈絡だとかつながりだとかに沿った形で、つなぎ合わせれば完成するようなパズルのピースのような形で、アイデアが生じるわけではないからだ。そして、アイデアというのはそれ自体では不完全なものであり、不完全なものをいくら継ぎ合わせても不完全なものしかできないのである。
従って、アイデアを徐々にまとめ、必要なものを補い、一つにしていくという漸次的な作業が必要になる。
そのためには、まず関連するメモが、同じ場所にあることが必要になる。かつ、そこにあるものを自由に組み替え、少しずつ完成に近づける環境が必要になる。

Memo on the Electron

まず焦点化されるのは第一段階、

「どのようにして、関連するメモを一つの場所に集める仕組みを作るか」

である。
これへの私の答えは、

「その時々の課題に応じたフォルダを作り、そこに有用なメモが集まる動的な仕組みを作る」である。

MoESystemとフォルダ

中心となるカテゴリフォルダ

その中心になっているのがカテゴリーフォルダ(howm2)である。このフォルダが上の条件を満たすように、Tempフォルダ(howm)とゴミ箱フォルダ(howm3)を用意している。そして、メモがこの三つを移動することで、有用なメモのみがhowm2に残るような仕組みを作っている。

  • howm−時系列で無秩序、howm2に移動することで秩序を一定に保つ
  • howm2−カテゴリーフォルダ、まとめられることとhowm3への移動とフォルダ自体が捨てられうるということで秩序を保つ
  • howm3−ゴミ箱、通常は中身を見ない、必要なときに取り出せる
Tempフォルダ

イデアは最初は脈絡が無く、カテゴリー分けができない状態で生じる。そこで、まずhowmフォルダに全てのメモが時系列でたまるようにし、そこでねかしたあとで、howm2フォルダに移動するというようにしている。

ゴミ箱フォルダ

不要になったメモを、あらかじめ廃棄する場所を作っておくことで、有用なもののみがカテゴリフォルダ内に残るようにしている。