テイルズオブファンタジア

昔のゲームは素晴らしかったとか言うと、じゃあ今のゲームは素晴らしくないのかという話になります。そんなことはない。今は今で十分面白い。ただ、人生の中で一番いろいろなことを考える時期を共に過ごした作品には、やはり特別な思い入れがあるわけです。
僕にとってそれは、『ロマンシングサ・ガ2』であり、『ワイルドアームズ』であり、『テイルズオブファンタジア』でした。今でもYoutubeでこれらの作品のプレイ映像を見たりするのですが、最近『テイルズオブファンタジア』のOP映像を見てテイルズ熱が高まってきました。
http://www.youtube.com/watch?v=XCo5SylJa3A
懐かしい、という以上に素敵です。その勢いでこんなのも紹介しましょう。

「百年経ったら、また相手してあげるわよ」

時空転移を繰り返しながら、過去・現代・未来と魔王ダオスとの戦いを続けていくこの作品。単なる悪役に終わらせない魔王ダオスの設定と、藤島康介によるセンチメンタルなキャラクタ造形が見所になると思います。ただ、アニメ版ではあまりにも短すぎたため、その辺の葛藤が十分に描ききれなかった感があります。
その他の問題点としては、ストーリィを省略しすぎたことによって設定に矛盾を起こしたことが挙げられるでしょう。特に過去編のダオス戦を省略したのは致命的。あと、張ってもいない伏線を消化しようとしたり……。僕はあまり「原作を見ていない人にはオススメしない」とか「前作から順番に見よう」とか言うのが好きではないのですが、これはさすがに原作のファン以外には辛いものがありますね。そもそもゲーム1本の内容をたった120分で、というのは無理があるのかもしれません。
あと、これは批判というより疑問なのですが、ゲームにおいてはキャラクタの「成長」をストーリィとシステムの両面からプレイヤに感じさせることが出来るわけです。それをアニメにおいて再現しようとするならば、システムからのアプローチが出来ない分、原作以上のストーリィを作り上げるしかないのではないでしょうか。そのため「原作そのまま」だと、アニメにしたとき劣化するのは必然という気がします。
ただ、最近では珍しいくらい古典的なファンタジィとしては、戦闘シーンもきっちり描かれているのでそれなりに楽しめます。他にも魔女っ娘アーチェ(CVかないみか)に萌え萌えという方、原作のファンなのでストーリィを脳内補完できるという方にはオススメできます。