腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「ブレイキング・バッド」

ようやく見終わった。
すっっっごいおもしろかったけど、オチ、切ないわー_| ̄|○。
主人公、悪い人ではあるんだけど、でも、あんなにがんばっていたら応援したくなりますよね。私の中では、ルルーシュの次に応援したい人でした。仲間に恵まれないところとか、家族に理解されないところとか、あんなに頭がいいのに予想外の展開でいつもあわあわしているところとか、に、似ていて憎めない……。
切りぬけても切りぬけても、それがまた呼び水となって次の悪夢を呼び寄せるっていう、全編綱渡り状態です。よくまあ、つづけられるよなぁ……ふつうなら、そのストレスで病気が悪化しそうなものだが、窮地におちいると俄然力が湧いてくるっていう、米人気質(笑) あのあきらめなさ加減、ほんとすごい。
そして、敵はどんどん倒されていくんだが、主要人物はあまり変わらなかったところも、なんかよかった。弟子のジェシーなんて、1シーズンで死ぬだろうと思ってた。最後まで残ったのにはおどろきです……いや、主人公がひたすら助け続けているからではあるんだが……なのに最後憎まれるっていう(笑)
いや師匠、すごいですよ。オビワンより全然頼りになりますよ。それにくらべて弟子のダメさ加減(笑) いや、いい奴ではあるんだけど、悪事を働くときの味方には、しちゃだめだよね。ガスが正しいよね。
この作品、敵にまわる人たちのキャラも、本当秀逸でした。マイクとか最後悲しかったわー。そして、ガス! ガス、かっこE!! 黒人のインテリヤクザってすごくね? いや、やたらに銃をぶっ放す人たちより、なんといっても怖かったのはガスでした。結末も含めて最高! 最高です!
ガスとの対決が終わったら、少し気が抜けてしまって放置していたこのシリーズなんですが、見始めるとやっぱりおもしろい。オチも、悲しいけど良かったですよ。“家族のためじゃなく、自分のためだった”という、あのセリフに救われました。“生きてるって実感できた”という、それ、なんかわかるわーと。私も見ていて楽しかったよー! 麻薬と裏社会の話なので残虐ではあるんだが、でもこう、西部劇調で、からっとしているので、イヤな後味は残らないです。「悪の法則」とはちがって、結局、描かれているのは人間なので、良い悪いではなく、それぞれ面白い人たちだったよなぁ、っていう(笑)

義弟のキャラもすばらしかったですね。典型的にマッチョな感じなのに、どこかマッチョになりきれないところとかGOODでした。主人公とは正反対のキャラなので、その対比とかもおもしろかった。
すごい敵対したかと思うと、命を助けるためなら80億を差し出すとか、主人公のその、独特の家族観、びっくりさせられたんですけど(笑) 義弟のほうは、あなたを殺しそうな勢いでしたけど? この人も、最後の死にざまはかっこよかったです。「アンダー・ザ・ドーム」ではわーるい人の役やってますけど、とにかく、面構えがいい。一度見たら忘れられない顔です。いい仕上がり。

クスリをめぐる闇社会の話だけでなく、米の家族観みたいなのが描かれているのが面白かったです。日本に比べて、父親の存在感のでかいこと。。。てか、米のお父さんて、大変だよね。家族を守るためにあそこまでしなくちゃいけないのか?(笑) 本当に命をかけてがんばっているのに、奥さんになじられ、弟子にも息子にも罵倒されていた。ひ、ひどくない……? あそこまで言わなくても、よくない……?
ひとつ失敗したら、全部が帳消しになっちゃうの?
たとえ家族であっても、ジャッジされて“悪”となると、手厳しくはじかれるところが「えー……」となりました。こどもに対しても、必死で弁明しなくちゃいけないっていう、ああいうの、日本はあまりないよなー、もうちょっとこう、なあなあっていうか、そこはふわっとさせておく、みたいな……。
必ずしもそれがいいともいえないけど、でも、あれじゃ、家の中でもなかなかくつろげないよねー、となりました。“いつでも力を貸すよ”と基本、まわりの人も親切なんだけど、そういうときも常に説明しなくちゃいけないっていう、簡単には甘えられない、本当には気をゆるせない、あれ、大変だよね。“みなまでいうな、わかってる”という、東洋的な言葉にしない間、みたいなのが、わずかに現れるのは涙ながらにハグするシーンとかですが、そのあとに裏切ったりするからなー(笑)
“やったことには、責任をとる”
というあの厳しさ、そのかわり、自由もあるし、弁明もさせてもらえる、リカバリーのチャンスも与えられるっていう、ああいうところは、すこし見習うべきだよな、と思う反面、あんまり杓子定規にすると、ギスギスして闘争が激化する、殺伐とする、実際、生活しようと思ったら、あの国大変すぎる、とこう、いろいろ考えさせられます。

いやー、むずかしいね。あんな国と戦ったら大変だね! 大変ていうか、勝てないね。わたりあうなら、別の切り口でいかないとだめだね。
いや、戦うことないです。
できれば仲良くしたほうがいいです。

基本、ドラマは吹き替えで見る私ですが、これは声優さんも合っていて良かった。特に、安原義人さんがやっていた弁護士、その名もピンクマン! よかったわ―、ピッタリだったわー。コスいヤツなのに憎めない、この人が殺されなくてほっとしました(笑)
と思っていたら、スピンオフができていた_| ̄|○。
す、すごいな、ピンクマン……。

ブレイキング・バッド」は自分的ベスト3にはいる海外ドラマでしたね。忘れたころにまた見返したい。




※ まちがえた。
ヒンクマンは弟子のジェシーでした。弁護士はソウル・グッドマン(笑)