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2009/10/9 エロ漫画における部活動の描写について考えてみる

tunderealrovski2009-10-09

[]エロ漫画における部活動の描写について考えてみる

 

今回のエントリでは、エロ漫画における部活動の描写について考えてみたいと思います。

 

一般漫画や四コマ漫画でも好んでモチーフとされる「部活動」。最近では、サッカーやバスケットのようなスポーツ青春モノの王道的な作品だけでなく、軽音楽部をテーマにした「けいおん!」や書道部をテーマにした「とめはねっ!」のように文化部の活動を描いたヒット作も登場し、部活漫画の人気は益々高まっています。

 

勿論、エロ漫画の世界でも部活動を描いた作品は多数存在します。

ただし、エロ漫画は基本的に「性」を描く漫画ジャンルであるために、その描かれ方は一般作に比べるとやや特殊であるように思うのです。

それでは、エロ漫画における部活動は作品の中でどのように描かれ、またシナリオ面やキャラクター造形において如何様な役割を果たしているのでしょうか? 以下、拙文ながら私の考えを書かせていただきます。

 

 

■スポーツ系の部活エロ漫画について

先ず、エロ漫画における部活動の描写の大きな特徴として、多分に衣装的なフェティズムやコスプレ的な要素が含まれていることが挙げられます。これは、体育会系の部活動を描いた作品に特に顕著であるように思います。

 

例えば、陸上部ならばショートパンツやブルマ、スパッツ、テニス部ならばアンダースコートといった具合に、スポーツ系の部活動にはそれぞれの競技にあったユニフォームやコスチュームが存在するわけですが、エロ漫画においてそれらの衣装は、女の娘の健康的な肢体や女性としての扇情的な魅力を引き立てるのに非常に有効に機能をします。

 

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<Dr.P「あなたが触れるたびに」 (富士美出版) P.41 , 出縞臣「ラブゲーム」 COMICメガストア 2009年1月号 (コアマガジン) P.412>

 

そういったスポーツ系の部活の中でも、様々な作家さんによって描かれ、作品のモチーフとなる機会が圧倒的に多いのが水泳部でしょう。

 

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<しなま「きょうえい!」 COMIC MUJIN 2009年7月号 (ティーアイネット) P.348,349>

 

現在「COMIC MUJIN」で連載されている、しなま先生の「きょうえい!」は水泳部での男女の様々な人間関係を描いたオムニバス的な要素が強い作品なのですが、ボディーラインがハッキリと出る上に露出度が高く、またコスプレの嗜好としての人気も高いスクール水着や競泳水着を、シナリオ面で違和感なく描くのに「水泳部」というモチーフを非常に上手く利用している漫画だと思います。

 

他にも、柔道部空手部の道着、バスケット部やサッカー部のユニフォームなどなど、スポーツ系の部活動では様々なコスチュームが描かれているわけですが、現実の学校生活では余り馴染みのないマイナーな部活動が登場するのもおもしろいところです。

 

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<いけださくら「むにちち」 (コアマガジン) P.163,165>

 

日本情緒溢れる袴姿と胸当てが眩しい弓道はそうした部活動の代表格と言えるでしょう。

上で参考画像として挙げている、いけださくら先生は和装のヒロインを描くことが多い漫画家さんなのですが、弓道少女をヒロインに据えた「いっし そうれん」では、袴の魅力を存分に描いています。

弓道部がある学校なんて、実際には決して多くはないように思うのですが、袴というこれまたフェティズム的な人気の高い衣装を描くのに最適なモチーフとして、エロ漫画には弓道部を描いた作品が数多くあります。

 

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<ED「チアリズム」 (コアマガジン) P.6>

 

チアリーディングも、そうした実際の学校生活の現実性とは離れた部分でエロ漫画のモチーフとして好んで描かれる部活動であり、そこからはチア部部長と鈍感な主人公の恋の行方を描いたED先生の「チアーでV!」のような傑作も生まれています。

競技としての勝ち負けを競う他のスポーツと違って、競技者を応援するチアリーディング部をモチーフとした作品には「チアーでV!」のようにチアフルで明るい作品が多いという特徴があり、部の活動内容がそのまま作品のカラーなっているというのも興味深いところです。

 

また、衣装的な側面だけでなく、競技の特徴をエロ描写のシチュエーションに用いることによって、スポーツによって鍛えられたヒロインの身体性が強調され、よりエロティックな視覚効果を挙げる場合もあります。

 

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<武田弘光「ツンデロ」 (コアマガジン) P.69>

 

新体操部員のしなやかで柔らかな身体を存分に使った複雑な体位によって、パワフルなエロ描写を漫画内で展開する武田弘光先生の「Doppler Lesson」などは、そうした作品の好例だと思います。

 

 

■文化系の部活エロ漫画について

スポーツ系の部活動に比べると数は少ない印象を受けますが、文化部も学園モノのエロ漫画にしばしば登場をします。

 

中でも多いのが漫画研究会漫研モノの作品でしょう。

漫画を上手く描く才能はあってもグータラでやる気のない男子部員が、原稿を描く代わりに部長さんにモデルとしてメイドコスプレを要求する、オノメシン先生の「なりきりメイドスケッチ」や、様々なコスプレをした先輩女子部員に玩具にされる美少年の甘美な日々を描いた、はんざきじろう先生の「MAN研」シリーズのように、学校内でメイド服などのコスプレ衣装を用いたシチュエーションを描くのに漫研というモチーフは最適です。

 

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<オノメシン「おっぱいパ〜ティ〜」 (コアマガジン) P.28 , はんざきじろう「誘惑の花園」 (富士美出版) P.26>

 

また、漫研というテーマがテーマだけでに、自然と登場人物のキャラクターも自然とオタク寄りに描かれることが多く読み手も感情移入をしやすい上に、オタク系のギャグやパロディを作品内にふんだんに織り込むことができるという利点もあります。

 

そして、文化系の部活動の中でも特におもしろいのが多く、個人的にお勧めなのが化学を描いた作品です。

例えば、和六里ハル先生の「しるけろん」は、「薬学研究会」に所属するヒロインが好意を寄せている幼馴染が開発した新薬のせいで、髭が生えたり、母乳が出たり、挙句の果てには股間から男性器が生えてきてしまったりと散々な目に遭うコメディー作品なのですが、その風変わりなシナリオがとにかく楽しく、笑える漫画に仕上がっています。

 

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<和六里ハル「苺ちゃんぷるー」 (コアマガジン) P.97>

 

惚れ薬や痺れ薬、催淫剤を使っての淫乱化やふたなり化、極端な肉体の膨張などなど、薬や化学物質によって肉体や精神に変化が訪れそのまま風変わりなエッチになだれ込むというシナリオの展開は、化学部モノのエロ漫画の定番のシチュエーションであり、科学部は一風変わったユニークでビザールなエロスを描くのに最も適した部活動と言えるでしょう。

 

このように、コスプレ的な要素が強いスポーツ系の部活に比べると、シチュエーション的な側面が強いというのが文化系の部活を描いた作品の特徴として挙げられるかもしれません。

 

また、こうした作品の中には普通の学校生活の中ではありえない、漫画ならではのぶっ飛んだオリジナルの部活が出てくることもあります。

 

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<睦月のぞみ「らでぃかる同好会」 (蒼竜社) P.6>

 

「黒魔術研究会」や「コスプレ部」、或いは性行為そのものを部活動として描いた作品まで、個性豊かなエロ漫画ならではの部活を、数ある作品群の中から探し出してみるのもおもしろいかもしれませんね。

 

 

■部活動ならではの特有の人間関係

運動部におけるマネージャーや、先輩、後輩の上下関係、「顧問」という教師が学校内で見せる「先生」以外の姿など、部活動ならではの関係性が存在するわけですが、こうした人間関係をどう描くかというのもエロ漫画においては非常に重要な要素です。

 

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<けいじえい「ももかんプライマル」 (コアマガジン) P.11>

 

例えば、美人の顧問や、自分のことを慕ってくれる可愛い後輩部員、キツイ練習の日々の中で癒しとなる優しい女子マネージャーといった、ラブコメ系のエロ漫画において頻繁に描かれる部活ならではの人間関係は、読み手の部活経験の有無に限らず、理想の学園生活、憧れの青春の一場面として誰もが潜在的に夢見るものだと思います。

 

一方で、陵辱系の作品においては部活というある意味で閉じた人間関係が物語の閉鎖性を高め、行為の狂気性を高める場合もあります。

 

こうした部活ならではの人間関係をどう描くかは、作品の中で描かれる性描写のシチュエーションによって大きく異なります。この辺りの描き方の差異を楽しんでみるのも、部活動を描いたエロ漫画の楽しみの一つだと思います。

 

 

■まとめ

エロ漫画における部活動の描写について、長々と書かせていただきましたが、やはり一般作に比べるとエロ漫画における部活動の描写には、コスプレや扇情的な肉体を描くための手段、あるいは性描写のシチュエーションとしての要素が強いように思います。

 

Throwing Heart 2 (セラフィンコミックス)

Throwing Heart 2 (セラフィンコミックス)

 

しかしながら、中には野球に青春を捧げる少女たちの姿を描いた昭島しゅん先生の「Throwing Heart」のように、長期間に渡って部活動の達成感や部内の人間関係を描いた作品もあり、その辺りのエロと物語性とのバランスは作家さんによって千差万別です。

その辺りのバランス感覚に注意をして漫画に触れ、作者さんや作品毎の個性を楽しのもエロ漫画の醍醐味と言えるでしょう。

 

 

最後に、数ある部活漫画の中から個人的なお勧めとして、命わずか先生の「すぽ魂!」シリーズを挙げたいと思います。

 

すぽ魂! (OKS COMIX)

すぽ魂! (OKS COMIX)

 

スポーツ万能で、なおかつ女装をした巨根の美少年が「母乳射撃」や「隠語カバディ」など、オリジナルのスポーツ(?)に挑戦してライバルを打ち負かしていくというストーリーなのですが、こんな変な部活漫画はエロ漫画でしか読めないと思います。

こういう作品が突然変異的に出てくるのも、エロ漫画のおもしろい所だと思うんですよね〜。

 

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