「たまこまーけっと」を大改造!!劇的ビフォーアフター - かんなちゃんが描いた間取り図を直してみよう!

 

 
テレビアニメたまこまーけっと、ホントにおもしろいですよね。
 
Web上で、色々な感想、考察エントリを読んでいても熱の入った様々な意見が出ていて、その辺りの情報に触れるのも含めて、「たまこまーけっと」を楽しませていただいています。
 
そんな中で、自分なんてアニメの作画とか演出とか全然詳しくないですし、知識もない自分が本作に対して語れることなんて全然ないし…なんて思っていたのですが、「たまこまーけっと」の第2話を観ていたら、そんな自分でも物凄く気になるトピックが!
 
ということで、今回のエントリでは「たまこまーけっと」のアレやコレやについて語ってみたいと思います! 第一種低層住居専用地域!!
 
 

■間取り図のことなら俺にまかせろ!


 
たまこまーけっと」の主人公、たまこの親友である牧野かんなちゃんの実家は、大工を営んでいます。そんなわけで、直角や梁に興味があるかんなちゃん。建築そのものにも大いに興味があるのか、第2話「恋の花咲くバレンタイン」では、バレンタインに因んでチョコレートの家を設計、間取り図まで描いています。
 

 
…だったら、このアニメを語るのは俺にまかせろ!
 
間取り図か! よし! 間取り図は得意だ!! 何を隠そう、私はかつて不動産屋さんで間取り図とか販売用の図面を作るアルバイトをしていたんですよ! いや〜あの頃は、間取り図とか作ったね! 超作ったね! 3SLDKとかね!!
 
以前、こんなエントリを書かせていただいたように私の前職は和菓子屋さんだったんですが、そこを退職後に不動産屋さんでアルバイトをして食いつないでいたのです。なので、間取り図に関しては任せろと。色んなアニメ感想BLOGはありますが、正直、その中でも私が一番間取り図については詳しい自信があります。間取り図の知識なら誰にも負けない! 作画や演出とかに関してはまだまだ勉強不足ではありますが、間取り図なら任せてください! いや〜あの頃は、間取り図とか作ったね! 超作ったね! 二世帯住宅とかね!!
 
まさか、不動産屋に勤務していた際に身につけた知識が、アニメ視聴に役立つ日が来るなんて思いもしませんでした。アラサーになるまで、まともに就職もせずにフラフラして、色々な業務を経験してみるのも良いもんですね! いや、物凄く惨めな気分なのは間違いないですが…。
 
 

■かんなちゃんの間取り図を見てみよう!

そんなこんなで、かつて間取り図を作りまくっていた経験がある人間から、かんなちゃんの作った間取り図を観てみるとですね…。
 

 
う〜ん…。チョコレートの家の間取りに整合性を求めるのもおかしな話なのですが、この間取り図はちょっと良くないですね…。
 
デッドスペースはあるし、浴室や洗面室、トイレもないですし…。あと、普通、間取り図を作る時は、1階、2階、3階…と左から右に描いていくものなんですが、かんなちゃんは右から左に描いちゃってますし…(左の間取りにバルコニーや庇屋根を描き込んでいるので、左側が2階のハズ)。それに、この間取り図だと1階に3室あって、2階にLDKをレイアウトした3LDKになっていますが、平面図では2階にある大型の引き違い窓が完成予想図だと1階にきていますし…。
(追記:コメント欄にて、左側の間取り図で壁の外に描かれているのはバルコニーや庇屋根ではなく、土間ではないかというご指摘を受けました。…成る程、そうすると確かに1階がLDKで、2階に3室…という間取りになって、完成予想図とも対応します。逆に、かんなちゃんは2階にバルコニーを描き忘れているわけですね)
 
2話のラストを観ると、かんなちゃんはキチンとチョコレートの家を完成させていますし、制作の途中で間違いに気付き、ここから修正を施していった可能性もありますが、設計図の時点でこの失敗はちょっといただけないですね…。
 
…え? お前は、アニメに出てきた間取り図に対して何を本気で整合性を求めているのかって?
 
…間取り図を舐めるなぁ!
 
間取り図ってのはなぁ! 建築業者と設計士、そして、戸建を販売する販売業者や仲介業者のタマの取り合いなんだよ! ここで、お客様に見せる間取り図をいい加減に作ったりすると、建物の完成、引き渡し後に色々とトラブルになったりするんだよ! スゲー間取り図大事!!
 
アンタ! …アンタ! かんちゃんが大人になった時に、間違った間取り図を描いて、建売り業者や建築業者に笑われたらどうするんだ! アンタ、彼女の笑顔を守れるのか!? かんなちゃんが将来、欠陥住宅を作っちゃったらどうするんだ! アンタ…アンタ、ちゃんと責任持てんのか!? ♪家の周りが、家の周りが! 蟻だら〜けぇ〜!!(byロマンポルシェ。欠陥住宅」)
 
…ハァ、ハァ…。イ…イカン、元不動産屋(ただし、アルバイト)の血が騒いで、つい熱くなってしまった…。しかし、それくらい、間取り図って大事だと思うわけですよ。かんなちゃんも作るのがお菓子の家とはいえ、大工の娘に生まれたならば、そこは全力投球で実際の戸建に近付けるべき!
 
 

■かんなちゃんの間取り図を作り直してみよう!

そんなわけで、ここはかんなちゃんが作った間取り図を、実際の戸建のリアリティーに基づいてリビルド(蝶野正洋調)してみようと思うのです。
 
■劇的ビフォーアフター 『便所のない家』(水の音、無形の雫様)
 
…とか、思っていたら既に同じようなことやっている人いたー!(スッテンコロリーン!!)
 
上記のBLOGでも、やはりかんなちゃんの描いた間取り図が気になるようで、そこに手直しを入れていらっしゃいます。オリジナルの間取り図をベースにしつつも、そこに建築的な整合性をプラスした間取りになっていますね。
 
自分は残念ながら、建築士の資格は持っていない(え!? ここまで散々偉そうなことを書いておいて!?)ので、ここまで理知的に平面図を作る自身も知識もないのですが、アルバイター時代に毎日毎日、他業者さんの図面を見て間取り図をおこしていた経験を持つ人間として、一般の住宅に近い感じでかんなちゃんの図面を作り直してみようかな、と。
 
縮尺に関しては、「水の音、無形の雫」の管理人でらっしゃるPeace-AK さんに倣って、910mmの標準モジュールで廊下を制作。そこから元の図面の縦横の比率を大雑把に計算して作業を進めてみました。すると、やはり、上記のBLOGと同じく4550mm×7280mmという大きさになったので、ここから各部屋を配置。
 
この大きさですと、1階辺りの床面積が20帖(約10坪)ですからね…。コレは結構、狭い…。そこに、かんなちゃんと同じく、3LDKを入れるわけですから、これはなかなかにセンスが必要です。元の図面を大事にしつつ、住みやすさを求めた3LDK…。そんなこんなで、私が作った新しい間取り図がコレです!
 
 

■生まれ変わったチョコレートの家


 
どう? どう? どう? ねぇ、コレどう!?
 
所詮は建築士の資格を持たない素人仕事ではありますが、熟慮に熟慮を重ねて作った間取りです。この広さでありながら、住みやすさを考え、各階にトイレを配置。結果、LDKが少し小さめになったのと、1階の洗面室を広く取れずランドリースペースを2階に持ってくることになりました(また、LDKの帖数が犠牲に…)が、バルコニーは2階にありますし、家事動線的にも水回り的にも、これは結構いいのかな、と。
 
浴室もちゃんと1坪(2帖)分のスペースを取ってありますし、小さめの床面積ながらも、お風呂はユッタリとくつろげる設計にしました。また、オリジナルのかんなちゃんの間取り図のように同じ階に3部屋を持ってくると、どうしても1部屋辺りの帖数が小さくなってしまいますから、1階に5.3帖の洋室を2部屋、2階に12.8帖LDK+4帖の洋室を1部屋…という配置の3LDKに。
 
正直、採光や階段の高さ、玄関の扉の使い勝手とかに関しては、実際の建築物との整合性は考慮できていない(この間取り図の階段だと、梯子みたいな高さと角度になっちゃいますよね…)のですが、かんなちゃんの描いた図面に比べると、随分と建物としてのリアリズムと実際の生活のしやすさは追求できたかな、と思っております。
 
かんなちゃん…これがプロ(ただし、アルバイト)の仕事だよ? あと、俺も実は梁とか直角とか建築とかに凄い興味があるんだよね〜。京間とかいいよね! 京間!!
 
 

■まとめ

かんなちゃんの描いた設計図を元に広告用の間取り図を作ってみたい
 
 
 
<関連URL>
■たまこまーけっと第03話を楽しくする補足 かんなの直角好きは第01話で既に示唆されていた(karimikarimi様)