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2015/1/12

[][]『幸腹グラフィティ』の幸福で贅沢な音楽 - オシャレでポップなフルコース


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シャフト製作の2015年新作アニメ幸腹グラフィティの第1話<ほかほか、じゅわっ。>を観ました。


食事をテーマの中心に据えた漫画作品を一体どの様にシャフトが"料理"するのかと興味津々だったのですが、所謂"シャフ度"での摂食シーンや3D CGを使用した食器や料理の描写、そして、何よりも特徴的な構成と色彩による部屋の表現と、シャフトの味がシッカリと出た料理アニメになっているなというファーストインプレッションを受けました。


まだまだ第1話ですので、作品に対する全体的な評価を書くのは完全に勇み足ではありますが、有機的な要素が重要なグルメアニメ構成主義的であり表現主義的な、どちらかというと無機質な色合いの演出を得意とするシャフトが作った結果、独自の感性を持った作品が世に生み出されたという感じでしょうか?


個人的には、ルックスは私が大好きなにゃんこい!住吉加奈子さん(染髪ロングな美人さん!)似で、声優さんは、これまた大好きなHEROMANで主人公のジョーイ役を演じられていた小松未可子さんという、私の"大好き!"を詰め込んだようなハイブリッドヒロイン、椎名さんの本格的な物語への登場が楽しみです。


さて、そんな『幸腹グラフィティ』ですが、前述の絵の要素と同じく大きなインパクトを受けたのが、その音楽面でした。そこで、今回のエントリでは幸腹グラフィティ』を彩る音楽についてアレやコレやと書いてみたいと思います。



■オープニングに真綾さんとラスマス・フェイバー

『幸福グラフィティ』を観ていて驚いたのが、音楽面で本作を支えているミュージシャン、クリエイター陣の異常な豪華さです。


オープニング曲の『幸せについて私が知っている5つの方法』を歌うは、近年では大規模なロックフェスに出演を果たすなど、<声優><歌手>という枠組み、ボーダーを越えて活躍をされている坂本真綾さん。そして、この曲で作詞、作曲を手掛けているのが何とラスマス・フェイバー


<Rasmus Faber / Ever After>


中島愛さんへの楽曲提供やアニソンをカヴァーし大ヒット作となったプラチナジャズシリーズのリリースでアニメファンにも知られるラスマス・フェイバーですが、本職はジャズをベースとしたプレイヤーであり、ハウス・ミュージッククリエイター。この『幸せについて私が知っている5つの方法』でも、ハウス的なアタック感に満ちたビートとリスナーの心の琴線を鷲掴みにするようなエモーショナルなメロディーが同居した素晴らしいサウンドを作られています。


歌手が坂本真綾さんで、作曲者がラスマス・フェイバー。このオープニング曲だけで、十分に豪華で贅沢な『幸福グラフィティ』ではありますが、その音楽的な味わいの豊かさは、この曲だけでは終わりません。



■エンディングと劇伴にも豪華なサウンドクリエイターが!

物語の主役であるリョウときりんの2人が歌うキャラクターソングであるエンディング曲『笑顔になる』クリエイターは、ROUND TABLE北川勝利さんです。90年代の所謂"渋谷系"シーンから登場し、その活動の場をアニメ声優ソングへとシフトしていった北川さんとROUND TABLE


ROUND TABLE / Dancin' All Night>


パーマネントに良質なアニソン、声ソンをリリースしている(昨年だと『モモキュンソード』でのEDのお仕事も本当に素晴らしいものでした!)北川さんですが、今回もオシャレでポップな楽曲を『幸福グラフィティ』に提供。"渋谷系アニソン"の一流シェフである北川さんのレシピは、やはり間違いなし。


そんな、オープニングとエンディングに並んで、劇伴も非常に凝った味付けがなされています。本作のBGMを手掛けるはシンガーソングライターコトリンゴさん。アニメファンにも、劇場アニメ映画マイマイ新子と千年の魔法』の主題歌を歌っていた女性シンガーとしてお馴染みのミュージシャンですが、コトリンゴさんをアニメ劇伴に起用する音楽的センスというのも如何にもおもしろく思えます。


コトリンゴ / ツバメが飛ぶうた>


このように、主題歌、BGM共に非常に聴き応えのある音楽とミュージシャンのキャスティングが楽しめる『幸腹グラフィティ』ですが、自分が更に驚いたのが提供クレジットの際に、これまたリョウときりんがデュオで口ずさむジングル的なナンバーです。アニメ版だとほんの僅かな時間しか流れないトラックではあるんですが、何とこの曲の作曲者は鈴木さえ子さんなんです!



ジングル鈴木さえ子さんが作るという贅沢さ!

日本のNew Waveテクノポップオリジネーターの一人であり、様々なカルチャーで作曲家として活動をされている鈴木さえ子さん。アニメ作品においてもケロロ軍曹輪廻のラグランジェで、そのSF的で洒脱な音楽センスを遺憾なく発揮されています。


■「輪廻のラグランジェ」を目の前にして、その音楽を手掛ける鈴木さえ子のインタビューを読み返す


私も鈴木さえ子さんのアニメ音楽が大好きで、以前、上記のようなエントリを書かせていただきました。鈴木さえ子さんのお仕事なんかについても触れておりますので、もしよろしければご覧いただければ幸いです。


そういえば、『輪廻のラグランジェ』も主題歌にラスマス・フェイバーが参加していた作品であり、『幸腹グラフィティ』との音楽的な共通点を持つ作品。そこで、スタッフをチェックしてみれば、両作品共に音楽プロデューサーとしてflying dog福田正夫さんのお名前がクレジットされており、この辺りの選曲、アーティストの人選、作品世界のイメージ作りなんかは、福田さんのディレクションによるところが大きいのかな、と。


福田さんといえば、アニメちょびっツの主題歌にROUND TABELを起用する等、アニメ音楽と渋谷系音楽のクロスオーヴァーを行った先達的なプロデューサーさん。そのセンスと人脈をフルに活かしたかのような印象を受ける最新作『幸腹グラフィティ』。主題歌、劇伴、更にはジングル的な音楽に至るまで、豪華なクリエイター、ミュージシャンが勢揃いをしており、今期のアニメ作品の中でも、音楽面において特に注目すべき作品だと思います。



■最後に

ハウスや渋谷系音楽など、オシャレかつポップな音楽が揃っている『幸腹グラフィティ』は、そのサウンドでも観ている人のお腹を一杯にさせてくれるようなゴージャスさとボリュームがあり、音楽ファンとして非常に大満足なアニメです。


余りにも豪華絢爛過ぎて、他の作品が損をしてしまっているのではないかと余計な心配をしてしまう程。……それにしたって、ジングル鈴木さえ子さんを持ってくる贅沢さは一体、何なのでしょうか? 日清チキンラーメンを始め、優れたCMソング、ジングルを作り続けてきた鈴木さんですが、音楽プロデューサー的には、そこでの仕事が頭にあり、この依頼に至ったのでは……? なんてことを考えてみるのも一興。この先、キャラソンなんかで再び鈴木さえ子さんが登場することもあるのか? ファンとしては、そんな期待も持ちつつ『幸腹グラフィティ』という作品を楽しみたいと思います。


鈴木さえ子 / チキンラーメンCMソング>


aa 2015/01/13 14:24 昨今はアイドル系やバンド系以外の作品でもアニメ放映終了後に主題歌シングル曲やキャラクターソングなどを収録したベストアルバムが発売される事が多く、
「アニメソングのトータルアルバム化」とも言える現象が起こっているので、この作品もその内出そうですよね。これは確かにアルバムが欲しくなります。(そもそも「物語」が実際にフィルムとして存在するのでこれほどコンセプトアルバムと相性のいい物もない)

2009年に日常アニメでGA 芸術科アートデザインクラスがシングルを切らずに主題歌キャラソン劇伴を全てをアルバムに収録して発売するという販売形態を採ってましたが、あれは現行の販売方法を先取りしていましたね。

aa 2015/01/13 14:27 続き。

音楽とアニメのマッチングで言うとそろそろ実際にロックバンドとして活動している人が劇中歌を提供するオリジナルのバンド物アニメとか出てこないかなと。

つまり、Angel Beats!やシンフォギアやラブライブ!のように「楽曲作家の顔が見える体制」で、BECKのように「バンドが曲を提供」して、けいおん!みたいに「劇中で演奏」したり、フリクリみたいに「劇中歌として使用」されたり……みたいなアニメ。誰かがとっくに思いついている筈のアイデアですがあんまり実現している感じではないので。

近いところだとUNISON SQUARE GARDENのソングライター田淵智也氏がヨザクラカルテットのアルバムをプロデュースしたりはありましたけど。
あと今期だとブルーハーツの声優カヴァーをぶっ込んできてるローリングガールズはいろいろアナーキーでヤバげな香りがしますね。

tunderealrovskitunderealrovski 2015/01/19 07:27 >a様


熱いコメントありがとうございます!


>音楽とアニメのマッチングで言うとそろそろ実際にロックバンドとして活動している人が劇中歌を提供するオリジナルのバンド物アニメ


『快感フレーズ』のΛuciferみたいな感じでしょうか?(ニュアンスを汲み取れてなかったら申し訳ありません!)
実現したらおもしろそうですね〜!

みゃーみゃー 2015/03/16 02:30 こんにちは
個人的にはflying dogの福田さんのやってる事にはあまりポジティブな考えはもてません
というかなんでオールディーズにもなれない10年以上前の流行りをいまさら使うんだろう?
なんでカルチャーの最前線をいってる作品や声優さんに今の音楽を使わないんだろう?
tofubeats的な使い方ならまだしも今それかという感じで
なまじ当時の空気感を知ってるので尚更そう感じるのかもしれませんが…

tunderealrovskitunderealrovski 2015/05/11 18:44 >みゃー様


はじめまして、コメントありがとうございます。
そして、更新停止状態だった為に、超遅レスで申し訳ありません……。
私は、福田さんのお仕事が大好きです。単純にリバイバルというだけでなく、海外のハウス系クリエイターを起用したりだとか、あの辺りのセンスはシンプルに凄いな〜と思いますね。

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