さよならストレンジャー・ザン・パラダイス このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014/12/29

[][]"ロードムービー"として楽しむ『棺姫のチャイカ


f:id:tunderealrovski:20141225074848j:image


2014年に放送をされたアニメ作品の中でも、特にお気に入りの一本となった棺姫のチャイカ。第1話から最終話まで、2期に渡って放映された全22話。どのエピソードもそれぞれに魅力的で、そのラストも強く心に残るものでした。


BONES作品らしいよく動くアニメーションに、残酷なシーンがありつつもそれらを決してただただショッキングな映像として露悪的に見せるのではなく、戦争の哀しさと愚かしさを描くドラマに昇華してみせる手腕と誠実さ。そして、ファンを引き込む人物描写と物語に散りばめられた数多くの謎。それらが全て結実する最終回は、本当に素晴らしいものでした。


■”ダークファンタジー”が苦手な自分が、何故『棺姫のチャイカ』を楽しめているか?


第1期の後に、自身が感じたドラマ性の誠実さについては、上記のエントリに一度まとめてみたのですが、今回は全話を視聴し終えた後に、改めて『棺姫のチャイカ』についての感想を書き残しておきたいと思います。そんなこんなで、『棺姫のチャイカ』についてアレやコレやと!



■『棺姫のチャイカ』で特に印象に残った"旅"の描写

私が『棺姫のチャイカ』という作品を振り返ってみた時に、そのドラマの中で特に強く記憶に残ったのが、チャイカたちによる"旅"の描写です。


街から街へ。村から村へ。父親を弔う為に遺体を探し続けるチャイカと、その雇われ戦士であり、"保護者"代わりでもあるアカリやトールは旅を続けます。


そこで、自分はふと思ったんです。自分が『棺姫のチャイカ』という作品に惹かれたのは、このチャイカたちの旅の描写によるところも大きかったのではない? つまりは、『棺姫のチャイカ』は、骨太なファンタジー作品であると同時に、"ロードムービー"としても大きな見応えを有したアニメ作品なのではないかな、と。


実際、そうしたロードムービ的なパートに着目して観返してみれば、『棺姫のチャイカ』における旅の描写は実にエモーショナルで心に響いてくると思うんです。



チャイカたちの旅が持つエモーション

物語の始まり。第1話で、山の中で出会ったチャイカとトール。そして、そんな2人と合流したアカリ。彼、彼女たちの"旅"はここから始まります。


f:id:tunderealrovski:20141225074845j:image


自身の足で、時には馬車で。ガズ皇帝の遺体を集める為に、大陸を巡る旅。仲間と出会い、人々から情報を集め、遺体の欠片を有する八英雄と相対し、それらを奪取するクエストをクリアしていくチャイカ、トール、アカリ。正しく、RPG的な物語の構成を有したファンタジーではありますが、そこには何とも情緒に溢れたニュアンスが加味されています


それっていうのは、あやふやな記憶しか持たず、死体を集めるというグロテスクな目的の為に旅をするチャイカという存在の、その不安定さと儚さによるところが大きいのではないかと思います。


可憐でまだ幼さの残る少女でありながら、過酷で残酷な運命へと突き進んでいくことになるチャイカの"旅"。その運命の歯車と劇中での移動の描写がガッチリとシンクロしていたからこそ、棺姫のチャイカ』という作品の旅の描写には、独特な情感があったのではないかな、と。



■名作ロードムービーを思い出すシークエンス

f:id:tunderealrovski:20141225074847j:image


チャイカたちの旅は、魔法の力で動く自動車、ヴィークルが出てきてから、更にその移動距離と範囲が広がります。そして、不確かな記憶しか持たない少女と戦争の終結で仕事と生きる目的を失ったサバターは大陸を旅し続け、遂には生まれて初めて海を見ることになります。


f:id:tunderealrovski:20141225074851j:image

f:id:tunderealrovski:20141225074852j:image


こういった描写も実に、ロードムービー的だと私には感じられます。"ロードムービー"の定義は、劇中で登場人物が旅をする映画ということになりますが、自分は場合はそこに"情緒"や"感傷的な空気"といったエモーションの部分でのニュアンスも求めたい。例えば、ジム・ジャームッシュヴィム・ヴェンダースといった名監督の諸作品に溢れていた"エモーション"。そうした作品と共通する情感が『棺姫のチャイカ』にはあったと思うんです。


例えば、前述の海を観るシーン。これなんかは、ロードムービー好きの映画ファンである私なんかは、反射的にドイツ映画におけるロードムービーの傑作、『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアを連想します。生まれてから一度も本物の海を観たことがない登場人物が海に至るまでの物語。海の広大な広さと美しさが、ストーリーと同時に観るものの心を揺さぶる物語。


f:id:tunderealrovski:20141225074846j:image


そういった"見立て"を行ってみれば、野営でたき火を囲みチャイカ達が食事をするシーンを観れば、ジム・ジャームッシュダウン・バイ・ローで、トム・ウェイツジョン・ルーリーロベルト・ベニーニが演じる3人の脱獄囚が、森の中で捕まえた兎を焼いて食べるシークエンスなんかを思い出してしたりも。


やはり、この辺りの描写も私にとっては、ロードムービーのエモーションを感じられるシーン。だからこそ、『棺姫のチャイカ』という作品が持つ情感は、より一層胸に響いてくるのです。



■最後に

f:id:tunderealrovski:20141225074849j:image


偽りの記憶しか持たない少女が、仲間と共に大陸を旅し、沢山の人と出会い。


f:id:tunderealrovski:20141225074850j:image


そして、別れ、また旅を続ける。


棺姫のチャイカ』における旅の描写は、チャイカというキャラクターの存在もあいまり、どうしょうもない程の誠実さと感傷的な雰囲気を伴って胸に迫ってきます。だからこそ、そういった旅を終えて、安住の地を見つけ出すラストシーンには、本当に感動をさせられました。


私は、『棺姫のチャイカ』は本当に優れたロードムービーだと思います。ダークで芯の通ったファンタジーアクションであると同時に、感傷的なロードムービーだと。こうした優れたアニメ作品に出会えたのは、個人的な2014年の大きな収穫の一つです。


棺姫のチャイカ』は、このように映画的な目線でも楽しめる作品だと思います。物語は完結しましたが、来年の春にはOVA付きの原作小説最新巻もリリースされますし、未見の方には是非ともオススメをしたい作品です。


2014/11/24

[][][]『繰繰れ! コックリさん』とディスコと『サタデー・ナイト・フィーバー


f:id:tunderealrovski:20141123204019j:image


平池芳正監督の新作アニメ『繰繰れ! コックリさん』


監督に平池さん、音響監督鶴岡陽太さん、音楽には百石元さん、そして、キャラデザと作画のキーパーソンには大島美和さん……という布陣に、スケッチブック〜full color'S〜』GJ部の良いとこどりなアニメ作品(私は、この2作品の大ファン!)……なんて勝手な期待を抱いていたのですが、流石は平池監督、ところどころに画面に現れる寂寥感やセンチメンタルな空気感を描くのが抜群に上手いなぁ、と思います。百石さんの音楽も良いですし、背景美術も素晴らしい。各キャラへの声優さんのキャスティングもバッチリハマっています(特に、普段は飄々とした優男役を演じることの多い小野大輔さんが全力でツッコミ役をやっているおもしろさや、中田譲治さんの怪演っぷり、物の怪達の"女性形態"を演じる白石涼子さんや斎藤千和さんの可愛いらしさときたら!)。


本作では脚本も手掛けていらっしゃる平池監督ですが、個人的には『繰繰れ! コックリさん』のちょっとブラックでほんのりグロいギャグの数々は、岡田麿里さんの筆で観てみたかったな、という気も。平池さんと岡田さん。『スケッチブック〜full color'S〜』の監督、脚本コンビの再会は、いつかまた目にしてみたい……なんて『スケッチブック』ファンの自分は夢想したりするのです。


ところで、この『繰繰れ! コックリさん』。おもしろいのが、そのオープニング曲。今回のエントリでは、この曲についてアレやコレやと書いてみたいと思います。



伝奇コメディなのに、オープニング曲は何故かディスコ

f:id:tunderealrovski:20141123204014j:image


『繰繰れ! コックリさん』のオープニングになっている「Welcome!! DISCOけもけもけ」前山田健一さんの作曲によるナンバーで、前山田さんらしい字余り気味な譜割りを用いたハイテンションな歌詞と小野大輔さんの歌唱が印象的な一曲。しかも、その曲調とタイトルは、コックリさんや狗神等の伝奇的、オカルト的な要素を孕んだ世界観とは真逆のディスコナンバー!


ディスコといっても、70年代のソウルファンクっぽいメロディーではなく、ちょっとアシッドハウスっぽさも感じるグネグネビキビキしたシンセが唸りを上げる今風の曲ではありますが、伝奇モノのコメディアニメディスコを持ってくるアイデアは何ともユニーク。


また、おもしろいのがオープニングのアニメーション。コックリさんは白のスーツで"ビシッ"とキメて、極彩色に光るネオンのライトとミラーボールの光の中で、ちょっと懐かし目のダンスを踊り続けます。これっていうのが、ジョン・トラボルタ主演の映画サタデー・ナイト・フィーバーへのストレートなオマージュなんです。



■『繰繰れ! コックリさん』と『サタデー・ナイト・フィーバー

f:id:tunderealrovski:20141122061332j:image


1977年に全米公開をされた『サタデー・ナイト・フィーバー』。ジョン・トラボルタ演じるブルックリン出身の青年、トニーは悪友達と共に週末のディスコへ行くことが生き甲斐であり、家庭や職場で溜まった鬱憤を踊ることでしか晴らすことが出来ない男。そんなトニーが、ある日、都会的な雰囲気とインテリジェンスを持った女性ステファニーと出会い、彼女と接していく内に自身の生き方を見つめ直し、やがて自立した人間へと成長していく姿を描いた作品です。


ド派手なスーツを着て、右手を突き上げたジョン・トラボルタの決めポーズとギンギンギラギラ(死語)なディスコの印象が先行をしている映画かと思いますが、実は、ディスコでのダンスシーン以上に重要なのがトニーが過ごす日常の描写下町で暮らす下層階級の家庭の生活や若者達の鬱屈、当時のニューヨークの風俗等がリアルに描写をされ、劇中で大きなドラマ性を持っているのです。実は、ちょっとアメリカン・ニューシネマにも通ずる作品で。


そんな『サタデー・ナイト・フィーバー』をトリビュートした『繰繰れ! コックリさん』のオープニング。


f:id:tunderealrovski:20141122061333j:image

f:id:tunderealrovski:20141123204012j:image


f:id:tunderealrovski:20141122061329j:image

f:id:tunderealrovski:20141123204015j:image


f:id:tunderealrovski:20141122061330j:image

f:id:tunderealrovski:20141123204013j:image


ネオンカラーで極彩色に光る床や腕を前でグルグル回すアクション、両腕を頭の上で重ねてスイングするダンスなどなど、まんま『サタデー・ナイト・フィーバー』でディスコキングを演じるトラボルタへのリスペクトが込められています。妖狐や狗神や化け狸が出てくるコメディ作品で、ジョン・トラボルタ。まるで咬み合わない組み合わせに見えて、何だか癖になる魅力がある「Welcome!! DISCOけもけもけ」。そういう意味では、ビザールなギャグが飛び交う作品イメージにもピッタリとフィットをしている気がしてきます。まさに、組み合わせの妙を感じる一曲ですね。



■『スペース☆ダンディ』でもフィーバー!

そういえば、今年はこの『繰繰れ! コックリさん』の他にも、『サタデー・ナイト・フィーバーオマージュアニメ作品がもう一本。


f:id:tunderealrovski:20141123204017j:image


スペース☆ダンディ第22話<同じバカなら踊らにゃ損じゃんよ>は、主人公であるダンディ達がスペーシーでファンキーディスコサウンドに合わせて踊りまくる狂乱の一夜を、米たにヨシトモさんのタッチで描くハイテンションなエピソードでしたが、そこにゲストキャラとして登場をする宇宙人の名前がズバリ、トン・ジョラボルタ。やっぱり、ここでもジョン・トラボルタ


f:id:tunderealrovski:20141123204016j:image


これまた、『サタデー・ナイト・フィーバー』的なネオンカラーの光の中で、ジョン・トラボルタな腕をグルグル回すダンスをダンディとトン・ジョラボルタも披露してくれました。初公開から、40年近くが経過しているとはいえ、こんな感じでアニメ作品にちょいちょいパロディとして出てくる『サタデー・ナイト・フィーバー』の偉大さを改めて痛感。2010年代に突入しても、やっぱり"ディスコトラボルタサタデー・ナイト・フィーバー"なんですよね。ディスコのシンボルとしてのジョン・トラボルタ。本作は、まさに金字塔的な作品です。



■テレビアニメディスコ

f:id:tunderealrovski:20141123204018j:image


日本でも、90年代のバブル時にジュリアナ東京マハラジャといった有名ディスコがオープンをし、大ブームに。そのケバケバしいイメージと当時の熱狂がバブル象徴として未だに語り継がれていますが、そんなディスコという固有名詞もほぼ"死語"となり、代わって登場をしたのが"クラブ"というモダンな名称。"ディスコ"という言葉は前近代的な名称となり、そこで流れていた音楽も文化も現在のクラブではスッカリ様変わりをしてしまいました。


ところがおもしろいもので、やっぱりディスコ的なサウンドやダンス、デザインって根強い人気があるんです。


■「K」のクラブ・フィーリングに満ちた音楽と渋谷の風景描写について


例えば、『K』の様に劇中でクラブで流れている様な現在進行形のダンス・ミュージック……それは、ハウスであり、ヒップホップであり……を使用している作品もあるんですが、それでも、アニメでダンスシーンを描く際には、やっぱり"ディスコ"的なカルチャーが描かれることが多々あります。それは、ジョン・トラボルタのあのキメポーズや綺羅びやかな往年のディスコのイメージが、観ている人、聴いている人に対して非常に伝わりやすい、訴求力が高いからではないかと思います。


f:id:tunderealrovski:20141122061331j:image


最先端で洗練をされていてお洒落なイメージのある"クラブ"に対して、どこかノスタルジックでどこまでもポップな"ディスコ"というカルチャー。その最大級のアイコンが『サタデー・ナイト・フィーバー』とジョン・トラボルタアニメ作品の中でパロディとして、未だにディスコのイメージを語り継いでいるわけですから、やはり凄い映画だなと実感をさせられますね。



■最後に

そんなこんなで、『繰繰れ! コックリさん』を起点に、ディスコや『サタデー・ナイト・フィーバー』についてアレやコレやと。『繰繰れ! コックリさん』と『スペース☆ダンディ』は、『サタデー・ナイト・フィーバー』でまさかのネタ被りをしたわけですが、こういうのを観るにつけ本作の不朽の名作っぷりを感じますね。


ちなみに、『サタデー・ナイト・フィーバー』といえば、ジョン・トラボルタが白色のスーツで、"あのポーズ"をしているキービジュアルの印象が強いかと思いますが、実は、トラボルタが白のスーツを身にまとうのはラスト付近だけで、その時に踊るダンスもスローなバラード曲。あの人差し指を突き立てたポーズも、中盤でちょこっと出てくるだけです。


どちらかというと、本作は日常にフラストレーションを溜め込んだ不良青年の青春ドラマ……といった趣が強い映画。青春映画であり、ボーイ・ミーツ・ガールな恋愛映画であり、音楽映画でもあるという『サタデー・ナイト・フィーバー』の複層的なドラマ性は、今観返しても見応え充分。ノーテンキなダンス・ムーヴィーだと思ってらっしゃる方がいるならば、是非とも本作をジックリと観ていただきたいと思います!


2014/11/17

[][][]僕の"2D OR NOT 2D" - 3Dのキャラクターを可愛い、カッコ良いと思えるようになるまで


f:id:tunderealrovski:20141117010204j:image


来月発売される家庭用移植版の『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』が楽しみで仕方がありません。


何で、このゲームがこんなに待ち遠しいかというと、このコンシューマ版で追加をされるという新キャラのエルフェルトが物凄く可愛い(そして、おっぱいが大きい)からです!


f:id:tunderealrovski:20140904221153j:image


純粋に格ゲーファンではありますが、何より可愛い(そして、おっぱいが大きい)女の娘が大好きな自分。格ゲーで遊ぶ時は、おっぱいの大きさで持ちキャラを選ぶくらいです。『KING OF FIGHTERS』ならクーラよりシェルミー、『餓狼 MARK OF THE WOLVES』なら圧倒的にほたるよりB.ジェニー派、『ストリートファイターZERO3』なら、さくらよりもかりんお嬢様よりもレインボー・ミカです。格ゲーで、おっぱいの大きな女のばかり使う為に、周囲から"オカマ"というアダ名で呼ばれていて、イラストレーターとして商業デビューした時に、そのままペンネームにしたくらいです。そんな人間なので、エルフェルトの新規参戦はテンション上がるわ〜。


……失礼。流石に、イラストレーターとして商業デビューのくだりは完全に嘘です。OKAMA先生のエピソードをまんまパクリました。でも、格ゲーで、おっぱいの大きさで持ちキャラを決めるのは本当なんです、お願いですから信じてください!(何故か、必要以上に必死に)


ところで、この『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』。おもしろいのが、キャラクターが全部3D CGで描かれていること。一見すると2Dにしか見えないんですが、実は3D。そこが、同社が製作をしている『BLAZBLUE』シリーズとギルティの最新作の一番の違いで。


それで、自分なんかは本当にビックリしまして「遂に、自分も3D CGのキャラクターも萌える時がきたのか!」と。そもそも、自分は昔から3D CGのキャラクターに苦手意識があって、ゲームでもアニメでも映画でも敬遠をしがちだったんです。そんな自分が、CGでモデリングをされた女の娘に一切違和感を持つことなく「可愛い!」と思える時代がくるなんて……個人的な体験としては結構大きなサプライズ。


そんなこんなで、今回のエントリでは超個人的な3D CGとの距離感とヒストリーに関する体験をアレやコレやと書いてみたいと思います。



■自分の世代だと最初に3D CGを意識した作品といえば……

自分の世代だとアレです。一番最初に、"3D CGによるキャラクター"っていうのを意識したのは、やっぱり『ウゴウゴルーガ』。フジテレビ系列で放送をしていた、シュールな造型のCGキャラクターが多数登場するアナーキーな子供向けバラエティー番組。


f:id:tunderealrovski:20141117010205j:image


同時期に、NHKの『天才てれびくん』では、アニメと実写と3D CGを組み合わせた『恐竜惑星』の放送がスタート。ダチョウ倶楽部さん司会のキッズバラエティーコーナーと併せて、大好きだったなぁ〜『恐竜惑星』。幼児、子供向けバラエティーに3D CGのキャラクターが登場をする先駆けの頃でしょうか?


そして、『ウゴウゴルーガ』『天才てれびくん』と並んで、自分に"3D CG"や"ポリゴン"という概念を強烈に意識させたのがやっぱりコレ! SEGAが世に送り出した世界初の3D対戦格闘ゲーム『バーチャファイター』


f:id:tunderealrovski:20141117010206j:image


最近、『Hi☆sCoool! セハガール』でもピックアップをされていましたが、格ゲーブームの当時、この『バーチャファイター』を初めて目にした時は、本当に驚きました……。確か、セガサターンがリリースをされたタイミングで、このゲームの大規模なキャンペーンが行われていて、私が子供の頃に住んでいた九州のド田舎にも、大型モニターを搭載したトレーラーとサターンの試遊機がやってきたことを覚えています。今、思い返してみれば佐賀の田舎町にまでよくやってきてくれたなSEGA……。


こんな感じで、自分の世代だと子供の頃に、3D CGのキャラクターがテレビやゲームに登場をしだした、その走りの部分を体感出来たのではないかと思うんです。まさに『ウゴウゴルーガ』と『バーチャファイター』直撃世代。



■初めて"惚れた"思い出の3D CGキャラクター

ただ、『恐竜惑星』は好きでしたし、『バーチャファイター』も楽しんではいたんですが、どうしても、CGのキャラクターに対して愛着を持てなかったんです、この頃は。『バーチャファイター』は、凄いゲームだと思いましたが、やっぱり自分が好きなのは2Dの格ゲーで、可愛い、カッコ良いと思うキャラクターもやっぱり2D。アニメならセル画。パイやサラよりも、可愛いのは不知火舞にナコルル。『バーチャ』には驚愕しつつも、CAPCOMやSNKの2D格ゲーが好きでした。


何で、ポリゴンのキャラクターに愛情が持てなかったかというと、やっぱり、あのカクカク感。アレがどうしても"可愛い"というフィーリングに自分の中では繋がらず……。唯一、この頃に"惚れ"て"萌え"たのは、『闘神伝』ソフィア姐さん。


f:id:tunderealrovski:20141117010207j:image


でも、この人のことが好きになったのも、本作でキャラクターデザインを務めたことぶきつかささんの一枚キャラ絵で惚れたので、恋のきっかけは完全に2Dでした。ソフィア、好きでしたね〜。ことぶきつかささんのあのタッチにSMをモチーフにした衣装。そして、当時の格ゲーキャラとしては、破格のバスト90cmという巨乳(格ゲー界における巨乳キャラの代名詞である不知火舞ですら、当時の公式プロフィールにおけるバストサイズは80cm台だったハズ)。あと、『闘神伝』で一番の人気キャラだったエリスにいかず、おっぱいでソフィアを選ぶ辺り、自分の巨乳、爆乳好きに対する業の深さが現れている気がします……。



■全編フルCGで作られたアニメ作品といえば、やっぱりコレ!

『バーチャファイター』から少し経った後に、プレイステーションが発売。『鉄拳』などなど3D格ゲーも数多くリリースされ、格ゲーファンな自分にとっても何だか一気にCGが身近に迫ってきました。


f:id:tunderealrovski:20141117010202j:image


この頃、ディズニーの長編3D CGアニメ『トイ・ストーリー』が日本でも劇場公開。これまた映画館で観て、全てがCGで作られた世界観に驚愕をしました。とはいえ、あくまでこの頃は、「3D CGを実験的に用いた作品で、ディズニーもまた手描きに戻るんだろう」と思っていました。まさか、この後、ディズニー(ピクサー・アニメーション・スタジオ)の大ヒットアニメはそのほとんどが3D CGで作られることになるなんて、当時は全く思いもしませんでした……。


また、『トイ・ストーリー』が映画館でフルCGの世界を見せてくれた作品ならば、テレビアニメでそれを見せてくれたのが、これ! 『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』!!


f:id:tunderealrovski:20141117010203j:image


出演声優さん達の異常なハイテンションと爆笑もののアドリブによる吹き替えの数々が伝説になっている作品ですが、これもビックリしたアニメ。やっぱり、アメリカは凄いな、と子供心に思ったものです。


もっとも、個人的に親しみがあるのはやっぱり、ゲームにしろアニメにしろ二次元、2D。『トイ・ストーリー』や『ビースト・ウォーズ』は凄いけれど、やっぱり、日本のアニメは2Dだろ、なんて思っていました。3D CGは、まだまだこの頃はデジタルアート系のそれに寄っている印象がありました(『ポピーザぱフォーマー』の増田龍治監督とか)し、自分には関係ないかな、と。3D CGのアニメなんて、アート系とかデザイン系の専門学校生とかが卒業制作とかで作っているイメージで。あ、でもこの頃、『電脳戦機バーチャロン』には、メチャクチャハマったなぁ〜。『ビースト・ウォーズ』と並んで、カッコ良いと思えた3D CGロボットの原体験の一つかもです。


もう少し、時代が下ると『ゾイド -ZOIDS-』『電脳冒険記ウェブダイバー』など、メカやロボットを3D CGで描いたアニメ作品が登場。確実に、ロボットアニメの世界では3D CGによる技術革新が起き始めていましたが、イマイチ、自分はそこに乗り切れず……やっぱり、女の娘もロボットも、可愛くてカッコ良いのは手描きのもの、三次元よりも二次元だろ! という信念を持っていたことを覚えています。



■おっぱい好きとしては……やっぱり、この作品は外せません!

とはいえ、中には「おっ!」と思った3D CGの作品もありました。3D格ゲーのヒストリーにおいて、この作品を外すことは決して出来ない程の名作中の名作、『DEAD OR ALIVE』ですね!


f:id:tunderealrovski:20141117010208j:image


ゲームセンターで初めてこのゲームを観た時の衝撃は未だに忘れられません。ジャンケン的な三すくみの要素を取り入れた戦闘システムも新しかったんですが、何といっても衝撃的だったのはそのおっぱい……! "ゆっさゆっさ""たぷんたぷん"揺れる女性キャラクター達のおっぱいに、自分は確かに二次元の乳揺れとはまた違う衝撃を受けました。硬派なセガゲーマーを自称していた自分は、同時期に稼動をしていた『LAST BRONX -東京番外地-』にコインを投入していたのですが、『DEAD OR ALIVE』のセガ格ゲーとは違うカクカク感を余りない滑らかなキャラクターの身体や、何よりあの乳揺れは気になって気になって仕方がない存在でした。


しかしながら、これもあくまで特例……ここから後っていうのは、3D CGの急激な進化に相反する様に、自分はCGのアニメなりゲームなり映画なりにほとんど接することが無くなっていきました。寧ろ、それらがちょっと苦手だったというか、今では全然平気なんですけど、平成仮面ライダーシリーズでCGの巨大なモンスターとか出てきた時なんかも、「何だか味気ないな〜。キグルミでやってくれないかなぁ〜」なんて感じちゃうタイプのファンで。


大好きな格ゲーもほとんど2Dのゲームしかやっていませんでしたし、『3Dカスタム少女』は遊んだことがなく、ミクミクダンスには全く興味がありませんでしたし、最近でいえばアニメでも『シドニアの騎士』とか『蒼き鋼のアルペジオ ‐アルス・ノヴァ‐』なんかも、"フル3D CG"というポイントがネックになって食指が動かず未見のままで……と、こうやって振り返って見てみると、自分の場合は世代的にCGの使用がアニメやゲームや映画で一般的になってくる、その初期の頃からの流れをリアルタイムで体験出来ていたにも関わらず、極端な3Dアレルギー、CG音痴だったんだと思います。"3D CG"というだけで拒否反応が出てしまって接することすらしなかった作品も数多くありましたし……。



■3D CGのロボットを心から"カッコ良い!"と思えた、このアニメ

そんな自分の認識を大きく変えてくれたのが、昨年放送をされたロボットアニメの傑作『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』です。


f:id:tunderealrovski:20141117080136j:image


昨年のベストに入る位、個人的にハマったアニメ作品で、キャラクターもストーリーもとにかく魅力的な作品だったのですが、ロボットの存在も凄く印象的な作品でした。というのが、『マジェスティックプリンス』は、主役機が登場するシーンのほぼ全編を3D CGを使用して描いているんです。オレンジによって製作されたロボットのモデリングは、スタイリッシュでありながら重厚感に溢れていて、更に、劇中では3Dであることを駆使してとにかく動きまくるんです!(カメラが機体の周囲をグルグル回りながら上昇したり、下降したりする)


『マジェプリ』は、ロボットに人間臭い動きをさせたりとか、メカの動きを描くシーン自体も非常に素晴らしかったんですが、本作を観て自分が3D CGのロボットに感じていた「重厚感が足りないのではないか?」とか「2次元の背景や登場人物たちとの間に齟齬が出来てしまうのではないか?」といったネガティブな先入観……というか、悪い意味での偏見が全て吹き飛びました。手描きのロボットは勿論最高なんですが、いやいや、CGのロボットも良いじゃないか! おもしろいじゃないか!! と。


自分の場合は、そこから一気に3D CGに親しみが出てきた……という感じです。そうしたら、CGの女の娘も何だか可愛く思えてきて……。あとは、やっぱり格ゲーファン的には、『ストリートファイター4』も『マジェプリ』と前後しての大きなターニングポイント。


f:id:tunderealrovski:20141117010209j:image


3Dで作られたキャラクターを2Dの画面で動かす、そして、3Dで作られたキャラクターなのに、まるで2Dの様な質感……というバランス感覚は、例えば『ストリートファイターEX』であるとか『KOF MAXIMUM IMPACT』の様なCAPCOMやSNK(プレイモア)の人気格闘ゲームシリーズを3D化したゲームに対して、強い違和感を抱いていた自分も感嘆の完成度。自分が不勉強と偏見から"3D"という表現に対して距離を置いていた間に、こんなにも技術は進んでいたんだな、と深く反省をさせられた次第です。『スト4』の超必殺技を立体的に見せる演出なんて、最初に観た時は度肝を抜かされました……。


そういう、各作品毎のターニングポイントを迎えながら、徐々に徐々に3D CGへの違和感や偏見を無くしていき、遂には冒頭に書いた通り『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』のエルフェルトに対して極々ナチュラルに"可愛い"というフィーリングを持つ様にまでなったわけで……。そういう境界線を一回越えちゃうと凄い楽になるというか、『Hi☆sCoool! セハガール』のサターンちゃんとかも凄い可愛く思えてきたんですよ、最近。作品自体への評価も高いですし、今度時間がある時に『蒼き鋼のアルペジオ ‐アルス・ノヴァ‐』も観てみようかな、なんて思っている自分がいます。



■最後に

ここまでで何度か繰り返して書いてきた様に、自分の場合は2Dの作品、キャラクターが好きで、3Dのそれに対してはなかなか愛着を持ちづらいタイプの人間だったんです。その原因が、3Dでモデリングされたキャラクターに対する、所謂"不気味の谷"的な感性の齟齬からだったのか、それとも、旧来の2D、二次元への強烈な愛着故の頑固なこだわりからだったのかは分かりませんが、とにかく、自分の中では3D表現に対して距離感がありました。


そんな自分の思い出を振り返りながら、3Dで描かれた女の娘に対して「可愛い!」と思える様になるまでをまとめてみた今回のエントリ。こうして見返してみると、自分の世代だと、その出始めの時代から要所要所でエポックメイキングな3D CGの作品に触れることが出来た世代だったのかなぁ、と思います。


それで、もしかしたら自分と同世代……もしくは、少し上のジェネレーションだと、自分と同じ様な感覚や体験を持ってらっしゃる方がいらっしゃるんじゃないかな、なんて思うんです。3D CGに対して偏見を持ってらっしゃる方。2D至上主義というか、3Dを2Dの一個下に置いていた人。サターンとプレステの発売が間違いなく一つのターニングポイントで、あそこは一つの大きな分岐点だったと思います。自分たちのより下の世代だと、流麗な3D CGがアニメやゲーム、Web上で観ることが出来るアマチュア作品なんかでも一般的になっていて、極々自然にCGによる女の娘やロボットや背景にも馴染めているイメージ。あくまで、印象論ではあるんですが……。


3D CGのキャラクターを"可愛い"と思えるか、"カッコ良い"と思えるかって、結構大きな感性のポイントなんじゃないかな、と思います。この辺の感覚って、本当に人それぞれだと思うので、色んな人の体験とかも聞いてみたいなと思う今日この頃です。


<P-Model / 2D OR NOT 2D>