2012年上半期に読んだ本ベスト10

人から聞きましたが、どうやら一年の半分が過ぎたそうです。
ということで、今年に入ってから僕が読んだ本の中でのベスト10を備忘録的な意味を込めつつ決めていきます。
ここのブログに感想を載せていない本も多数ランクインしていますが、お気になさらずに。SF以外も普通にランクインしちゃってます。
ちなみに上半期に読んだ本は73冊でした(小説以外も含めて)。


第一位 眉村卓『司政官 全短編』

司政官 全短編 (創元SF文庫)

司政官 全短編 (創元SF文庫)

この本は忘れることはないと思います。


第二位 中井紀夫<タルカス伝>シリーズ

ELPのTarkusにインスパイアされて書かれた、なんでもありの暴走ファンタジー第一部全五巻。
エロ、グロ、ギャグ、奇想、その他様々なものを詰め込んだ、超全力投球の力作。
バーを経営するのもいいですが、第二部をなんとかして読ませていただきたいです。


第三位 三津田信三『首無の如き祟るもの』

首無の如き祟るもの (講談社文庫)

首無の如き祟るもの (講談社文庫)

ホラーと本格ミステリの融合を成功させ続けている刀城言耶シリーズの三作目。
本シリーズでお馴染みの推理パートでの多重どんでん返しで得られるカタルシスの大きさは、かつて味わったことのないほどのものでした。


第四位 筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』

ダンシング・ヴァニティ (新潮文庫)

ダンシング・ヴァニティ (新潮文庫)

長篇実験小説。実験性が物語と乖離することなく巧く融合した筒井康隆にしか書けない傑作。
普通の小説を読んでいたのでは味わえない面白さと驚き。


第五位 デイビッド・イーリイ『タイムアウト

短篇集。表題作がとにかくブッ飛んでいる。奇想中の奇想。奇想好きにはたまりません。
その他収録作もいわゆる「奇妙な味」の佳品。阿刀田高好きな人はぜひ。


第六位 ジョージ・R・R・マーティン『タフの方舟』

タフの方舟1 禍つ星 ハヤカワ文庫SF

タフの方舟1 禍つ星 ハヤカワ文庫SF

とにかくキャラが立っている痛快スペースオペラ。グイグイ読ませます。
マーティンはすごいんだなぁ。


第七位 石黒達昌冬至草』

冬至草 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

冬至草 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

芥川賞ノミネート作家であり、医師でもある著者の文学と科学の両面からSFへのアプローチが図られた高品質短篇集。
生物学好きにはたまりません。


第八位 飴村行『粘膜蜥蜴』

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)

<粘膜>シリーズの二作目ですが、前作と直接のつながりはないのでこれから読んでも大丈夫。
前作『粘膜人間』のグチョグチョヌルヌル感に加えて、今作は最後にサプライズと感動が。前作の内容が内容なだけに、きちんと伏線を回収していることに驚きます。


第九位 中西智明『消失!』

消失! 綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)

消失! 綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)

ほとんどこの一作でミステリ界に足跡を残した、著者の唯一の単独著書。
終盤は驚きの連続です。噂に違わぬ傑作。


第十位 森下一仁『「希望」という名の船にのって』

「希望」という名の船にのって

「希望」という名の船にのって

日本SFの良心、森下一仁ジュブナイルSF。
センス・オブ・ワンダーを存分に感じさせてくれ、なおかつ科学の面白さまで教えてくれる、著者の人柄が窺い知れる上質なジュブナイル



以上こんな感じでした。
下半期も頑張って生きていこうと思います。