大人げない大人になれ!/成毛眞

大人げない大人になれ! (新潮文庫)

大人げない大人になれ! (新潮文庫)

 以前、『本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫)
を読んだときに、その傲慢な言い方が気になって、あんまり本の世界に没入でき
なかったのですが、「大人げない」を自認される方だったのですね…

 この本は、そういうところを「良し」とするだけあって、非常に語り口に説得
力がありました。(笑)

 例えば、という事で、著者が仕事を共にした、ビル・ゲイツや、スティーブ・
ジョブス、孫正義本田宗一郎などの名前を挙げて、偉大な業績を上げた人々の
少なくない割合の人が、ある意味「大人げない」人だった、といいます。

 「大人げない」ことによって、創造性を十全に発揮し、それがイノベーション
につながり、「成功」をもたらした、といいます。

 とかく、特に日本人は、「大人」であることが重要視され、「子供」の部分を
白眼視する部分があると思うのですが、それが「ブレイクスルー」に必要な
創造性のメを潰してしまう社会的な環境があるのかもしれません。

 しかも、その「大人」たちは、自分たちの既得権益を守るために、周囲の
「子供」を迫害する、というのです。

 そうやって、みんなが「子供」になって創造性あふれる社会になるのは、いい
ことなのかもしれませんが、そうなった時の社会の秩序はどうなるんだろう…

 そういうことを考える時点で、ワタクシは、悪しき「大人」なんだなあ、と
実感させられたのでしたが…