アンタッチャブル山崎のよき「お邪魔虫」ぶり

元旦に放送されたフジ系「爆笑ヒットパレード」が図抜けておもしろかったです。

昨年の初司会を「オーディション」と冗談交じりに位置づけて、結果的に二年連続二度目の司会となったナインティナインが相変わらずの巧さでした。テレビでは「めちゃイケ」の金属疲労ぶりが目につきますが、あらゆる状況をコント的に解釈してその場に最適ユーモラスな場回しをしていくさまは、いわゆる「空気読む」の現在的頂点にあるとさえ思えます。

ネタ見せ進行が基本の「爆笑ヒットパレード」のフォーマットにのっとって、かつテロップやナレーションによる小技があまり利かないぶん、逆にすっきり見やすい仕上がりになってました。

ナイナイの補強的ポジションの高島彩アナもまた、さりげないフォローから、ボケ乗っかり、後輩男性アナへのつっこみまで手抜かりはなく鉄壁の司会陣といえます。この年末年始のフジ特番は、アヤパンと、あと「レッドカーペット」や「ヘキサゴン」周辺でひそかにどこの誰よりも高視聴率バラエティに関与している中村仁美アナがバラエティを牽引してたような印象です。

爆笑ヒットパレード」は長時間の生放送ですからネタにしろハプニングにしろ見どころは多数でした。そんな中でも特にアンタッチャブル山崎弘也がピンで出演していてコンスタントに笑いをかっさらっていたのが印象に残ってます。

山崎は屋外ロケの中継先に突如として出現する役割で、この出方は二年連続です。「正式に番組に呼ばれてないけど現場のスタッフと仲いいからつい来ちゃいました」という「てい」で、現場のタレント達とむりやり絡んでいこうとします。基本的にはお邪魔虫扱いでナイナイからもいじられます。それでも持ち前のうわっつら低姿勢で現場をひっかき回します。

たとえば青木さやかがリポーター役だった柴又帝釈天中継では演劇的コンビ芸でおなじみ「フォーリンラブ」が出ていてネタを披露していたのですが、ここで山崎は「ネタ中にわけのわからない合いの手を入れる」という掟破りなことをやってました。画面に映るか映らないかの位置取りをしながらやいのやいのと。完全にネタの邪魔でウザいのですが山崎なら笑えます。相方の柴田もおらず制御不能

ちなみにフォーリンラブの女性の側、通称「バービー」と山崎とは顔そっくり同士で「イエス、フォーリンラブ」とやってたのはいいもの見れました。初共演だったようです。


あとは活動休止直前の「羞恥心」のライブに潜入した場面では山崎のお邪魔虫ぶりが頂点を極めました。

羞恥心のデビュー曲「羞恥心」を歌い踊っているステージ上、メンバー三人が真剣にパフォーマンスしている背後で、山崎はステージうろちょろします。最初はフレームインするかしないかという微妙な位置にいて、スタジオのナイナイも「カメラさん映さないでくださいよ」なんてやんわり状況を見守りますが、山崎はやがて辛抱たまらずステージのセンターに躍り出て、羞恥心の背後でうろ覚えのしたり顔をしながらノリノリで踊り出す。ばかです。

あげくサビで、つるの・野久保・上地という三人それぞれをカメラが切り替えながら映し出す、いちばんメンバーにとっておいしい場面で、山崎は「三人それぞれの画面に図ったようにいちいちフレームイン」という最高のお邪魔ぶりを発揮しました。

羞恥心に狼藉者が・・・

この絶妙に笑えるウザさ。往年のめちゃイケの「オファーシリーズ」において岡村がジャニーズやモーニング娘。あたりに混じったときと似てますが、その岡村が爆笑ヒットパレードでは司会にまわっているぶんだけツッコミがぶ厚く、笑える中継になりました。