AKB48新曲「RIVER」を無職が聴いて泣く


ワインのBは「teamB」のBです。ゆきりん


私事ですが、無職生活もそろそろ 1 年を終えようとしております。去年の 10 月末で、それまで勤めていた職場を退職したんです。もうすぐ無職 2 年目。ネクストステージに突入しますよ! バイトも何もしてません。

ただ、そんな状態でも AKB48 のニューシングル「RIVER」はフラゲ日(発売日前日)にまったく迷うことなく購入しました。「週刊AKB」などのテレビ番組や YoutTube にこっそり上がっていた PV などが、映像音声ぜんぶ引っくるめて超かっこよかったからです。

RIVER
RIVER
posted with amazlet at 09.10.21
AKB48 アンダーガールズ シアターガールズ
King Records =music= (2009-10-21)
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ふだん自分が CD シングルという商品を買うときは「握手会参加券」がついてることを前提に買うことがほとんどです。「イベント参加券」としてお金を出す考えが根強い。CD はあくまでおまけ。

ところが今回の「RIVER」に関しては、握手会があるとかないとか、下調べをまったくせずに買いました。

それほどまでに、単純に欲しかったんです。

なんだかヲタとしてのステージが上がったようなすがすがしい気分ですね。肉体的接触を求めなくなったという意味ではプラトニックな関係を築きつつあるといえるのかも知れません。とはいえ、握手会参加券はやっぱり今回も封入されてましたし、おそらく握手会にも行くことにはなるんですけれども。主体性が無いだけです。

ちょっと前に発売されている雑誌「BUBKA」や集英社ムック「水着サプライズ!」などに、AKB のプロデューサー・秋元康のロングインタビューが載っていました。それを読んで、ぼくの秋元康に対する考え方はすこし変わりました。

めちゃくちゃ真剣に AKB のことを語ってるんです。熱いんですよ。かなり嬉しくなりました。

たとえば秋元康の顔で「うたばん」に AKB を出そうと思えばいくらでも出せるはずなのに、そうしない。「プロデューサーから声がかかるのを待ってる」という主旨のことを言っている。実際たしかに一度も出演してないわけです。「出ない」ことが続いてるので表面上は目立ちませんが、これけっこう凄いことだと思ってます。

あと当たり前すぎるほど当たり前のことなんでしょうが、秋元康は AKB に実際めちゃくちゃ関与してるんですよね。自身が関わった楽曲をファンから「クソ曲」とか揶揄されるとちょっとヘコむみたいです。これまで「鉄面皮」みたいなイメージしかなかったので、なんか安心しました。

「RIVER」の作詞についても、これまでの AKB 楽曲と同様、やはり秋元康が手がけています。

タイトルの「RIVER」には、まず真っ先に美空ひばりの歌で秋元康が作詞をした「川の流れのように」を思い出します。他にも川を題材にしたヒット曲には「リバーサイドホテル」や「ムーンリバー」などがあります。

その点、ただ単刀直入に「RIVER」というのは、ややもすれば大味な気もしますけれども。

ただ、この歌詞がいいんですよ。サビとかもう力強くてね。

君の目の前に川が流れる
広く大きな川だ
暗く深くても流れ速くても
怯えなくていい
離れていても
そうだ向こう岸はある
もっと自分を信じろよ

聴いてておもわず泣きそうになります。無職をこじらせて心が弱っているんでしょうか。

ただ、もしも秋元康が自分の著書で同じような内容のことを言っても、特になにも思わないはずなんですね。あくまで AKB48 という媒体を通して、メロディであり歌声であり、あるいは衣装であり、ダンスであり、といった華やかなアイドル性をまとうからこそ、かえってダイレクトに届くんです。

最終的に言葉をどう都合よく受け取るかはすべて自分次第なんです。

ほんと AKB の歌唱のたくましさったらないですよ。声の迫力にでたらめな心意気がみなぎっている。先述した秋元康の歌詞がなんのてらいもなくぶち上げているアジテーション感は、モーニング娘。「そうだ! We're ALIVE」がかつて放った圧倒的なパワーを彷彿させます。

メロディラインも余裕たっぷりで、それでいて最後の一音まで緊張感に満ちている。アレンジはスケールが大きく、攻撃的ですらある。最初のサビに突入する部分のシンバルの「グシャーン!」みたいな細部まで好きです。

楽曲の出来を褒めようとしたところで音楽的素養の欠如をさらけ出すだけなのでこのくらいにしますが、とにかくこの「RIVER」が今ぼくの頭の中を延々と流れ続けています。

ぼくの AKB48 観測史は今年 6 月発売の「涙サプライズ!」から始まりました。たたみかけるような祝祭感にやられました。

そこからシングルヒストリーを遡って「大声ダイヤモンド」「十年桜」。どちらともわけわかんないエネルギーに満ち溢れた凄い楽曲で、「全編サビ」みたいな盛り上がりだし、PV もやたら凝ってる。

そして「涙サプライズ!」の後は「言い訳Maybe」。青春疾走ギターポップを夏の終わりに切なく演出しました。

で、万全を期してリリースされたように見える、この「RIVER」。

「とにかくシングルで外さない」という AKB の印象です。雑誌でのグラビア露出も怒濤の展開で、もう最近のトータルでの充実ぶりったらないです。おそらく問題点もさまざまにあるんでしょうが個人的には気になりません。全方位的にエナジーが充満しまくってる感じです。

そのエナジーを励みに、私事ですが、来月から、東京でひとり暮らしをしようと思ってます。