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その他、名言や名セリフ、ラストシーンの解説など、様々な映画をレビュー・評価しています。

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2016-12-07 川村元気が語る『君の名は。』大ヒットの秘訣とは このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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現在、全国で大ヒットしている新海誠監督の最新作君の名は。興行収入が、ついに200億円を突破したそうです。興収が200億円を超えた邦画作品は、2001年の『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)以来、なんと15年ぶりという快挙であり、改めて「すごい!」と言わざるを得ません。

5日には『ハウルの動く城』の196億円を突破し、邦画歴代2位の新記録が伝えられたばかりですが、8月26日の公開から9週連続で興収1位を獲得し続け、公開開始から102日で観客動員1539万人、興収200億618万8400円(12月5日時点)と、またもや邦画史に残る金字塔を打ち立てたわけですな。

しかも日本だけじゃなく、アメリカで開催された『第42回ロサンゼルス映画批評家協会賞』ではアニメ映画賞を受賞。これは「アカデミー賞の前哨戦」としても注目されており、実際に2002年にこの賞を獲得した『千と千尋の神隠し』は、2003年のアカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞しました。

また、大手映画批評サイトRotten Tomatoes」でも97%(5日時点)という高評価を獲得しており、11月24日から公開が始まったイギリスでは「The Guardian」、「EMPIRE」、「The Telegraph」の3誌がそろって5つ星の最高点を与えています。

さらに、今月2日から公開された中国でも、週末興行ランキング1位、公開初日の興収が7596.5万元(約11.3億円)、週末3日間で約2.8億元(約42億円)という驚異的な数値を叩き出し、中国で封切られた日本映画としては最高記録を樹立するなど、海外でも高い評価を得ているらしい。

ただし、このような大ブームについて新海誠監督は「なぜこんなにヒットしているのか、さっぱり分からない」「今回はたまたま今の若い人たちが求めている巨大な需要にマッチしただけで、幸運やタイミングがうまく重なった結果でしょう」と困惑している様子。

一方、『君の名は。』でプロデュースを務めた川村元気さんは、ヒットの理由を冷静に分析しているようです。川村元気さんと言えば、細田守監督と組んだ『おおかみこどもの雨と雪』や『バケモノの子』、さらには『告白』『悪人』『怒り』『モテキ』『バクマン』など、話題作・ヒット作を数多く手掛ける敏腕プロデューサーとして近年評価が高まっていますが、本作にはどのように関わったのでしょうか?以下、インタビュー記事より↓


例えば、新海さんなら彼のやりたい物語の要素がたくさんあるんです。その流れが悪くなっているところを切ったり入れ換えたりする、という作業です。


新海さんに後からお礼を言われたのは、主人公の二人が入れ替わったことを(観客に)どのぐらい分からせるか分からせないか、という打ち合わせをしていた時、僕が「ギリギリ観客が追い付かないぐらいのスピードでやろう」と言ったらしいんですよ。憶えてないんですけど。


出だしから置いていって置いていって、奥寺先輩とデートのときに入れ替わりが起きずに瀧君がデートに行っちゃって、「私なんで泣いてるんだろう?」という三葉のシーンで、初めて観客が追い付く。そこで登場人物と同じ気持ちになるように設計しました。こうすると、観客が必死にのめり込んで付いてきてくれるという、いい作用も起きるんです。


といっても、作っているときはそこまで意識的ではなく、感覚的だったんですけど。観客の理解と同じスピードで進むものは面白くないんですよ。しかし、早すぎるとわからないから、感情移入が落ちる。遅いと退屈に感じる。どこを取ればいいんだろう?というのはずっと考えています。 (「週刊文春エンタ!」より)


川村元気プロデューサーによると、映画は「ギリギリ観客が追い付かないぐらいのスピードで展開させること」が、物語にのめり込ませるコツらしい。実際、新海監督が書いた最初のシナリオでは、尺が2時間近くもあったのに、川村さんの指示に従ってテンポアップした結果、107分に縮まったそうです。

さすが「稀代のヒットメーカー」と言われるだけありますが、川村プロデューサーとしては自分の好みを押し付けるのではなく、「他人フェティッシュ作家性をどれだけ歪な形で残しながら、テンターテインメントの作法に則ったものを作るか」にこだわっているという。

例えば『君の名は。』では、「口噛み酒」や完璧すぎる奥寺先輩のキャラクターなど、「新海さんのフェティッシュが出過ぎちゃっているところを、逆に落とさないように気を付けました。新海さんの内側から出て来るものの味をなるべく薄めず、より良い並びに構成したかったんです」とのこと。

今まで新海誠作品の興行成績は、最大でも1億5000万円程度しかなかったのですが、『君の名は。』で一気に200億円を超えました。それはもしかしたら、川村プロデューサーと組んだおかげで、新海監督がもともと持っていた独特の作家性を、より多くの観客へ届くように上手くブラッシュアップできたからなのかもしれませんね。


2016-11-27 メナヘム・ゴーランの『キャノンフィルムズ爆走風雲録』感想 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。

先日、レンタルビデオ店内で映画を物色していると、気になるタイトルを発見したので観てみました。

作品名はキャノンフィルムズ爆走風雲録』

キャノンフィルムズ?爆走?何だか良く分からないけど、勢いだけは凄そうですねえ(笑)。というわけで本日はこの「映画制作にまつわるドキュメンタリー」のお話です(完全にネタバレしてるので悪しからず)。

なお、「キャノンフィルム」で検索すると、カメラメーカーの「キヤノン」ばっかり出て来るんですが、全く関係ないのでご注意ください(^_^;)

さて「キャノン・フィルムズ(Cannon Films)」とは、1967年設立されたキャノン・グループの一部門で、独立系映画会社です。

規模は小さいものの、低予算かつ観客に受ける映画を製作してヒットを生み出し、80年代に入ってから新作映画を次々と公開するようになったキャノン・フィルムズは、一気にメジャーグループに迫るほどの急成長を成し遂げました。そのラインナップはこんな感じ↓


チャック・ノリス主演作

地獄のヒーロー』、『地獄のコマンド』、『デルタ・フォース』など

チャールズ・ブロンソン主演作

スーパーマグナム』、『必殺マグナム』、『バトルガンM‐16』など

●ジャン=クロード・ヴァンダム主演作

ブラッド・スポーツ』、『キックボクサー』、『サイボーグ』など

ショー・コスギ主演作

ニンジャ』、『ニンジャII / 修羅ノ章』、『デス・オブ・ザ・ニンジャ/地獄の激戦』など

シルヴェスター・スタローン主演作

コブラ』、『オーバー・ザ・トップ』など


個人的には非常に懐かしいというか、「午後のロードショー」辺りで放送したら喜ぶ人もいるんじゃないかと思うんですけど、ぶっちゃけ微妙なセンスだなあと(笑)。

実は、80年代のこういう雰囲気現代風にブラッシュアップしたものが『エクスペンダブルズ』シリーズなわけで、出演者の顔ぶれがシルヴェスター・スタローン、ジャン=クロード・ヴァンダム、チャック・ノリスなのも、ある意味、キャノン・フィルムズのノリを再現してるんですね。

そんなキャノン・フィルムズの創設者メナヘム・ゴーラン監督は、子供の頃から映画作りに目覚め、通っていた小学校自主制作映画を上映するほどのめり込んでいたそうです。

そしてメナヘム監督には、ヨーラムグロバスという従弟がいました。ヨーラムの父親映画館経営者でしたが、ある日、「息子が1日中映画館へ入り浸って困っている」とメナヘムへ相談

ヨーラムは映画のポスターを作ったり、チラシを配ったり、映画を売ることが大好きで、6歳の頃から劇場チケットを売っていたという。

それを聞いたメナヘム監督は、一緒に映画会社を運営しようと持ちかけます。映画の仕事を夢見ていたヨーラムは大喜びでメナヘムの元へ。

こうして、「メナヘム・ゴーラン&ヨーラム・グローバス」の名コンビが誕生!母国イスラエルで様々な映画を撮って大成功を収めた後、次に目指したのがハリウッドでした。

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はるばるロサンゼルスへやって来た二人は小さなアパートを借りて「キャノン・フィルムズ」を立ち上げ、色んな映画を企画するものの、設立間もない小さな映画会社ではなかなか実現に至りません。

そこで彼らは「質より量」の作戦を実行しました。低予算のB級映画を大量に作ったのです。しかも、他のメジャースタジオよりも何倍も早いスピードで!

通常、1本の映画を制作するには、企画から完成まで、最短でも1年以上はかかると言われています。規模の大きな映画になればなおさら時間がかかり、公開まで5〜6年を要する場合も珍しくありません。

ところが、キャノン・フィルムズは製作時間が異常に早く、『ブレイクダンス』という映画を作る際は「ブームが起きている今がチャンスだ!」と突貫作業を強行。

その結果、アイデアを思い付いてから劇場公開まで、なんとたったの3ヶ月という驚異的なスピードを叩き出し、業界関係者を唖然とさせたそうです。

また、製作費の安さも特筆すべきで、メナヘム・ゴーラン監督は「3000万ドルかけて映画を作る?まさか!」「映画1本にそんな大金を注ぎ込むなんて出来ないよ」「30本作ることは出来るけどね」などと公言し、敢えて低予算ムービーを量産しました。

さらに、作品内容も”低俗で単純明快な娯楽映画”に徹し、「銃撃戦」「大爆発」「流血」「お色気シーン」などを必ず盛り込み、多くの大衆の心を鷲掴みにしたのです。『ホステル』や『キャビン・フィーバー』のイーライ・ロス監督もその一人でした。

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「子供の頃、キャノンフィルムの映画に夢中になった。キャノンフィルムといえば銃撃戦にエロシーンにバイオレンス。まさに”ヤバイ映画の代名詞”だったね。あんな映画会社は他にないよ。ユーチューブも無い時代、僕が教わったのは、チャック・ノリスとチャールズ・ブロンソンと忍者だ(笑)」


「キャノンの映画は大半がゴミと言われてたけど、いまだに賛成できないね。タランティーノは自宅に『レッドコブラ』のフィルムを持ってて一緒に観たことがある。世界有数の監督が絶賛する映画なんだぜ?面白いに決まってるだろ!」 (イーライ・ロス監督のコメント


やがてキャノン・フィルムズの評判が高まってくると、色んな人が興味を示し始めました。ある日、メナヘム・ゴーラン監督が奥さんとフレンチレストランで食事をしていると、若くてハンサムなウエイターが近づいて来たそうです。

両手にスープが入った皿を持った彼は「ゴーラン監督ですか?」と尋ね、本人だと確認すると、いきなり監督の頭上スレスレをキック!しかもスープを一滴もこぼさずに!そのウエイターこそ、当時無名のジャン=クロード・ヴァン・ダムでした。

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翌日、監督のオフィスに招かれたヴァンダムは、上着を脱いで上半身を見せ、「どうですか、この筋肉は!」と猛アピール。さらに、椅子を二つ並べて股割を披露したり、空手の型を見せたり、必死自分を売り込んだそうです。

しかし、ゴーラン監督は「まあ、落ち着け」とヴァン・ダムを椅子に座らせ、「いいかい?私が求めているのは演技力だ。その筋肉と開脚は役に立たないよ」と不採用理由ゆっくり説明したそうです。

でもヴァン・ダムは諦め切れず、「お願いです!何でもしますから映画に出させて下さい!」と懸命に懇願し、その場に泣き崩れました。

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すると、それを見たゴーラン監督はしばらく考え込んで、「そんなに映画に出たいのか?」「よし、俺がお前をスターにしてやる!」と断言。こうしてヴァン・ダム初主演作『ブラッドスポーツ』の出演が決まったのです。

その後も、『地獄のヒーロー』や『スーパー・マグナム』など次々とヒット作を生み出し、ついには全米興行収入の約20%がキャノン社の売上になるほどの大躍進を遂げました。

さらにヨーロッパ全域で1000スクリーン以上の映画館を所有し、わずか50万ドルで設立した小さな会社の時価総額が、なんとたったの7年で10億ドルを突破!

ただし、映画評論家からの評価は散々で、「彼らは所詮”セールスマン”だよ」「一度も名作を生み出したことはない」と酷評されまくっていたらしい。

それを聞いたゴーラン監督は「クソ!じゃあ次は賞を獲って評価を高めてやる!」と闘志を燃やし、ジョン・ヴォイトが『暴走機関車』でゴールデン・グローブ賞主演男優賞を受賞した時は大喜びしていたらしい。

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さらに、カンヌ国際映画祭に47作品も出品し、総額10億フランも投資するなど、世間の評価を高めようと必死になっていたそうです。

そして次にオファーしたのが、当時トップスターだったシルベスター・スタローンでした。「ギャラは600万ドルだ」と言われたゴーランは「600万は払いたくない」と拒否。「なぜだ?」と聞かれると「1000万ドル払うからだ」と答えて相手を仰天させたという。こうして作られた『オーバー・ザ・トップ』でしたが、興行成績は惨敗

この映画の製作費は4000万ドルで、キャノン・フィルムズの映画としては破格の予算です。しかしスタローン自身も「こんな地味な映画がヒットするのだろうか?」と不安を感じていたらしい。この不安が的中し、全米では全くヒットせず、スタローン主演作品としては過去最低の成績になってしまいました(結構好きな映画なんだけど…)。

この頃から、メナヘム・ゴーランとヨーラム・グローバスとの仲がギクシャクし始めたようです。ヨーラムは資金を集めるプロでしたが、メナヘムが映画製作ですぐに使い果たしてしまうため、会社にお金が無くなっていたからです。

元々キャノン社は「低予算映画を数多く作る」ことで利益をあげていたのに、いつしか会社のイメージを良くするために大作映画を作り始めていました。そこで、銀行から多額の融資を受けてることになったんですけど、なかなかヒット作が出ず、徐々に首が回らなくなってきたのです。

このピンチを、メナヘム監督は映画を撮ることで挽回しようとしました。「20本撮ってヒットが出ないなら、あと50本撮ればいい」という謎のロジックを振りかざして。ヨーラムが「一度、映画作りを休んでじっくり考えよう」と提案するものの、メナヘムは全く聞く耳を持たず、狂ったように映画を撮り続けたのです。

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人気アメコミ映画『スーパーマン4 最強の敵』は、そんな絶望的な状況の中、起死回生の一発逆転を狙って作られたのですが、結果は大失敗!そもそもこの映画を作る時点でキャノン・フィルムズにはほとんど資金がなかったため、費用がかかるオプチカル合成を省いて安いビデオ合成で済ませるなど、徹底したコストカットを実施したそうです。

その結果、ビジュアルが全シリーズ中で最もショボくなり、1700万ドルの製作費に対して興行収入はわずか1570万ドルという大爆死状態に。会社の評価は猛烈な勢いで下がり続け、45.50ドルあった株価が、たったの1年で4.75ドルまで落ち込んでしまいました(この映画は本当にヒドいので観ない方がいいです)。

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そして、ついにヨーラム・グローバスの忍耐が限界を突破。「一生映画作りの資金集めに追われる生活を送りたくない」と訴えたところ、メナヘム監督は「だったら俺が会社を辞める!」と激怒

周りのスタッフも説得しましたが「俺は映画を作りたいだけなんだ!」と言い残し、とうとう会社を去って行ったのです。こうして1989年、30年間を共にしてきた二人は完全に決別してしまいました。

結局、メナヘム・ゴーラン監督は「映画を作りたい」という思いが強すぎたんでしょうねえ。本当はヨーラムも彼と一緒に映画を作り続けたかったようですが、あまりにも強引なメナヘム監督に付いていけなくなったのでしょう。

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その後、ヨーラムは会社に残って事業の立て直しを進め、MGMや他の映画会社を買収するなど、活躍の場を広げていきます。一方のメナヘムは単独で映画の製作に着手するものの、取引銀行から見放され、資金集めもままならず…。

それから数年後、ヨーラムの方もその後トラブルが発生し、結局、会社を辞めて故郷のイスラエルへ戻り、新しく映画スタジオを建設。そして、メナヘムもまた、「どこで映画を作るのが一番最適か」を考え、イスラエルに戻って来たのです。

こうして二人は数年ぶりに再会。また一緒に映画を作るのかと思いきや、互いに歳を取り過ぎたようで「我々二人は完璧なコンビだった。二人で世界の映画を作った。数々の賞も受賞した。実に残念だよ」と過去を振り返り、新作映画を作ることはなかったそうです。

というわけで、このドキュメンタリーは「二人の映画好きがコンビを組んで地元で映画を作り始め、やがてハリウッドで大成功を収めるものの、その栄光は長く続かず、失敗してコンビを解消、地元へ帰り再び出会う」という物語です。

映画はそこで終わるんですが、エンディングが流れ始めると、二人が映画館で映画を観ている場面が映るんですよ。広い映画館に二人だけが並んで座って、今まで彼らが作ってきた映画を一緒に観てるんです。このシーンが良かったですねえ。

「この女優、覚えてるかい?」「もちろん」「映画を観るのは楽しいな」「あの頃は忙しすぎて映画を楽しむ余裕が無かったよ」など、ポップコーンを食べながら実に楽しそうに会話してるんです。まさに映画好きの”映画愛”が詰まった名場面と言えるでしょう。

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ちなみに、キャノン・フィルムズの映画で個人的に好きな作品は以下のような感じになります。

コブラ 日本語吹替音声追加収録版 ブルーレイ [Blu-ray]
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント (2016-09-07)

スタローン扮するマリオン・コブレッティ刑事がひたすら暴れまくる痛快アクション。なおヒロインブリジット・ニールセン撮影前に結婚し、撮影後に離婚したらしい(は?)

マスターズ 超空の覇者 [DVD]
ジェネオン エンタテインメント (2003-12-20)

ドルフ・ラングレンの記念すべき初主演作。ヘンテコな衣装を着て熱演するその姿に目頭が熱くなる(嘘)

スペース・バンパイア HDリマスター版 [DVD]
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全国の巨乳好きを大興奮させたSFホラーの怪作(ただし一部貧乳マニアは除く)

まあ、キャノン・フィルムズの映画はどれも低俗で暴力的B級テイストに満ち溢れてるんですが、それが他の映画にはない魅力だと思います(^_^)

2016-11-19 宮崎駿監督、ついに劇場用長編アニメの制作へ復帰か? このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。

先日、NHKドキュメンタリー番組NHKスペシャル 終わらない人 宮崎駿という番組が放送されたので見てみました。宮崎監督と言えば、2013年に長編アニメ制作からの引退宣言して以来、ほとんどメディアに登場していませんでしたが、同番組では宮崎さんが短編アニメ『毛虫のボロ』を制作する姿を約700日にわたって完全密着。さらに、長編アニメ制作への復帰を目指している様子も映し出していました。

『毛虫のボロ』とは、宮崎監督が『紅の豚』の次回作として「一匹の毛虫が街路樹から街路樹へ旅をする物語」を90分かけてじっくり描きたい、と考えて立てた企画です。ところが、プロデューサー鈴木敏夫さんが「あまりにも内容が地味すぎるし、宮崎さんの年齢的にも今は活劇映画を作るべきだ」と猛反対。その代わりとして提案したのがもののけ姫だったのですよ。

元々『もののけ姫』は、『ルパン三世 カリオストロの城』の次回作として宮崎監督が考えた初のオリジナル企画で、宮崎さん自身も非常に力を入れていました。しかし、当時は「宮崎駿」の知名度は無きに等しく、様々なテレビ局映画会社に売り込んでみたものの、「こんな映画、ヒットするわけないだろ」と全く相手にされなかったそうです。

でも鈴木さんは、「『紅の豚』が大jヒットした今ならネームバリューも高まっているし、絶対に勝算があるはずだ」と考え、必死で宮崎さんを説得しました。結局、悩んだ末に宮崎監督も鈴木さんの提案に従ったのですが、それでも『毛虫のボロ』を諦め切れなかったらしく、その後も企画書をまとめ直していたとのこと。そんなこんなで20年以上が経過した現在、ようやく念願の映画に取りかかれることになったわけです。

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しかし、宮崎さんが引退宣言した後、ジブリスタッフ解散し、今はスタジオにアニメーターがいません。宮崎監督が新作アニメを作っていた頃は、全体で300名を超える社員が在籍していたのですが、”宮崎駿の後継者的な人材”は現れず、『思い出のマーニー』制作終了後に制作部門解体。ただし、ジブリを去ったアニメーターはその後、他社の作品でも目覚ましい活躍を見せています。

特に、新海誠監督の君の名は。では作画監督安藤雅司さんを筆頭に、黄瀬和哉さん、橋本敬史さん、稲村武志さん、田中敦子さん、賀川愛さん、井上鋭さん、本間晃さん、箕輪博子さん、廣田俊輔さんなど、過去にジブリ作品に関わったベテラン・アニメーターたちが多数参加し、その見事な作画技術話題となりました(『君の名は。』には元ジブリの動画マンも多く関わっているらしい)。

でも、そういう凄腕アニメーターを全員手放してしまったせいで、今のジブリは手描きアニメを作れる環境ではなくなってしまいました。そこで鈴木さんは「CGで作ったらどうですか?」と勧めたそうです。ただ、宮崎さんとしてはCGで作ったキャラクターがどういう動きになるのか分からない。

ここで登場するのが、CGディレクターの櫻木優平さん。過去に岩井俊二監督の『花とアリス殺人事件』や『009 RE:CYBORG』などに関わり、自身もCGアニメの監督を務めるなど、CGに関してはエキスパートだそうです(ちなみに凄いイケメン…つーか美形ですねw)。

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そんな櫻木さんがジブリへやって来て、フルCGで作った『毛虫のボロ』を宮崎監督に見せることになりました。いや〜、これは緊張したでしょうねえ。なんせ相手は世界巨匠:宮崎駿。長年、一枚一枚の絵を自分の手で描き続けてきた宮崎さんですから、「ふざけるなッ!人の心を感動させられるのは手描きのアニメだけだ!お前はアニメのことを何もわかっていないッ!」と海原雄山ばりに激怒する可能性もあるわけですよ(無い)。

ところが意外や意外。CGで作られた毛虫の動きを見て、「なるほど、面白いね」と満更でもなさそうな反応を見せているじゃありませんか!特に、毛が一本一本自然に動いている様子に感心し、「これは空気抵抗とか全部計算して処理してます」と説明されると、「はあ〜、さっぱり分からん(苦笑)」「でも凄いね!」とかなり気に入った様子。

こうして、短編アニメをCGで作ることに決めた宮崎さん。最初は出来あがっていくCGを珍しそうに見ていたので順調にいくのかと思いきや、案の定、次第にこだわりが炸裂し出します。特に、生まれたばかりのボロが初めて世界を見回す冒頭シーンが気に入らないらしく、容赦ないダメ出しが次々と(笑)

「振り向き方が大人になってる」「こんなに”キッ”と向かない」とダメな個所を指摘しますが、微妙なニュアンスが上手く伝わりません。自分で原画を描いて「こういう動きにして欲しい」とスタッフに見せても、CGに変換する過程でそのニュアンスが失われてしまうのです。

しまいには、宮崎監督が自らタブレットを使ってCGを修正し始める始末。でも、使い方が分からないので「あれ?画面が真っ赤になっちゃったぞ?」とアタフタしまくり(笑)。この辺を見てて思ったんですけど、もう宮崎さんが手描きで全部描いた方が早いんじゃないですかね?

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原画を自分で描いて、動画はどこかに外注して、その他の工程デジタルで処理すれば、12分ぐらいの短編なら十分に作れそうな気がするんだけど。新海誠監督は25分のアニメをたった一人で作ったわけだし、宮崎監督なら余裕じゃないのかなあ。

そんな感じで、もどかしい気持ちを抱えたまま何度も何度も修正を繰り返し、CGディレクターの櫻木優平さんやスタッフたちは宮崎さんの要望に応えようと頑張って作業を続けていました。しかし、とうとう櫻木さんが体調を崩して病院へ…。宮崎さんは「気の病です」とか言ってるけど、あんたのせいやろ(笑)。

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まあ、幸い櫻木さんはすぐに現場へ復帰したようですが、毎日宮崎監督から厳しい指導を受けるスタッフたちのストレスは相当なものだったでしょうねえ(苦笑)。そんなある日、「IT企業でCGを開発している人たち」がやって来ました。そして、ドワンゴ会長川上量生さんが宮崎さんの前でプレゼンを始めたのです。

それは、「人工知能で行動を学習させたキャラクターが画面の中を動きまくる」というもので、非常に不気味なキャラが映し出されていました。川上さんは「この動きが気持ち悪いんで、ゾンビゲームの動きに使えるんじゃないか」などと得意げに解説してるんですけど、それを見ている宮崎さんの表情がどんどん曇ってきて…。そして、ついに宮崎さんの怒りが爆発!

「僕には身体障害者の友人がいるんですよ。体の筋肉がこわばってて、ハイタッチするだけでも大変なんです。その彼のことを思い出してね。僕は、これを面白いと思って見ることができないですよ。これを作ってる人たちは、痛みとか何も考えないでやってるでしょう?極めて不愉快ですよね。そんなに気持ち悪いものをやりたいなら、勝手にやっていればいいだけで、僕はこれを自分たちの仕事と繋げたいとは全然思いません。極めて、何か生命に対する侮辱を感じます!」

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そして、このシーンがテレビで放送されるとネットを中心に物議を醸しました。「あれしきのことで怒るなんて大人げない」「人として無礼だ」などと批判する人や、「自分が不愉快だと感じたものをハッキリ伝えただけで、宮崎さんは何も間違っていない」「さすが俺たちのパヤオさんや!」などと称賛する人まで、様々な意見が飛び出したようです。

なお、個人的にこの場面を見て思ったのは、「どうしてこんな映像を宮崎駿に見せようと思ったんだろう?」ってことでした。宮崎さんが言っているように、「気持ち悪いもの(ゾンビゲーム)をやりたいなら勝手にやればいい」だけの話で、わざわざ宮崎監督に見せる意味が分かりません。

ましてや、川上さんは鈴木敏夫さんのところへ「プロデューサー見習い」として弟子入りしていて、普段から宮崎監督に接する機会が多いはずなのです。であれば「どういう対応をすると宮崎さんの機嫌が悪くなるか」ということも推測できそうなのに…。などと疑問に思っていたら、なんと川上量生さんがネットに記事を投下、「この時の状況を詳しく解説する」という前代未聞の事態が勃発したのですよ。すげえ!

めっちゃ怒られているのがテレビで放送されてしまった

この記事を読むと、宮崎監督にあのCGを見せた理由は、「CGの世界でどういう技術が開発されようとしているかを知って欲しかったから」だそうです。もしかすると鈴木さんか、あるいはスタッフの誰かから、「今、宮崎さんがCGアニメを作っていて非常に悩んでいる」みたいな話を聞いたのかもしれません。

そこで、「何らかのヒントや刺激になれば…」という気持ちと、さらに「否定的な反応だろうというのは事前から予測して…」とも書いてあるので、どうやら「怒られることを覚悟した上で、敢えてあのゾンビ映像を宮崎監督に見せたのだ」ってことらしい。

なるほど、そういう事情なら理解できなくもないですね。ただ映像では、宮崎監督に怒られた川上さんがもの凄く困って動揺してるように見えるんですけど、事前に予測していたなら、どうしてあそこまで困った表情になっていたのでしょうか?川上さんは以下のようにコメント↓

想定していたよりも、かなり、めちゃくちゃ怒られた。

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なんと、”宮崎監督の怒り”が川上会長の想定を遥かに上回ってた!そりゃあんな顔になるわ(笑)。しかも、放送では短くカットされていますが、どうやら現場ではもっと長く宮崎さんから説教を食らっていたようです。う〜ん、良かれと思ってやったことが、まさかこんな結果になってしまうとは…(^_^;)

ところが、この一件の後、どうやら宮崎監督の中で何らかの変化が起こったらしく、ある日、鈴木さんのところにやって来て一つの企画書を差し出しました。その表紙には「長編企画」の文字が…!うわあああ!ついに宮崎監督が新作アニメーション映画を作る気になったの!?もしかして川上さんの件も「計画通り」だったりして(笑)。

宮崎監督が復帰する気になったのは、意外と川上さんのおかげかも(笑)。ただし、そのスケジュールを良く見ると、2017年6月頃までには絵コンテを完成させて、2019年の前半には公開するという、かなり厳しい計画になっているようですが…。しかもCGじゃなくて「手描きでやる」との文字まで!あんなにスタッフを働かせておいて、結局、CG使わないのかよ!さすが宮崎さんだなあ(笑)。

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というわけで、この放送直後には「宮崎駿監督、長編アニメ制作に復帰か?」と話題沸騰。もし事実であれば2013年の引退宣言を撤回することになるわけで、「わざわざ記者会見まで開いたのに、あの時の発言は何だったんだ?」と言わざるを得ませんが、個人的には観てみたいというか、公開されたら絶対に観るでしょう。たとえ「辞める辞める詐欺」と言われても、いつまでも映画を作り続けていただきたいと思います(^_^)


rocchirocchi 2016/11/21 19:12 はじめまして。
先日、この番組を見て「宮崎監督の映画がまた観られるの!!??」と興奮しました。
ただ番組の最後で、宮崎監督が鈴木プロデューサーに向かって
「この映画を作れるだけの金をかき集めてください」と言っていましたが、
今アニメを作っていないジブリがそんな大金を集められるものなのでしょうか?
たしか『風立ちぬ』の製作費は50億だったと思いますが。。。

type-rtype-r 2016/11/21 21:11 rocchiさん
コメントありがとうございます。

ジブリにお金が無くても、「宮崎駿が新作映画を作る」となったら必ず興味を示す企業が出て来るでしょう(むしろ出資者はすぐ集まるはず)。なので製作費の心配はないと思いますが、問題は「アニメーターが不足している」という点なんですよ。

今までは、ジブリ内で多くのアニメーターを抱えていたので、宮崎さんや高畑さんが映画を作る際は彼らを起用していました。しかし、現在は制作部門を解体し、アニメーターたちがバラバラになってしまったので、映画を作るためには再び大勢のアニメーターを集めなければなりません。

でも、業界は今、深刻なアニメーター不足で、特に腕のいい原画マンなどは数カ月から半年先まで仕事が詰まっており、彼らのスケジュールを確保するのが極めて難しい状態なのです。

しかも宮崎アニメの場合は、作画に対する宮崎監督の要求レベルが非常に高く、よっぽど優秀なアニメーターでなければ対応できないため、ますますアニメーター集めのハードルが上がってしまうのですよ。

「数だけ揃える」なら何とかなるかもしれませんが、宮崎さんは下手なアニメーターに対してすぐに「お前はクビだ!」「もう来なくていい!」とか言いますからね(笑)。なので、「製作費」よりも「優秀なアニメーターをどうやって集めるか?」の方が問題なんじゃないかと思います。

OILOIL 2016/11/22 18:07 近年の宮崎アニメは賛否が分かれがちなので久しぶりに全員が「やっぱ宮崎駿スゲー!」と熱狂できる映画を作ってほしい気持ちがありますが果たしてどうなるんでしょうね…。(そもそも、この年齢で無事に長編を作れるかどうか…)

type-rtype-r 2016/11/22 22:58 OILさん
コメントありがとうございます。

う〜ん、どうなんでしょうねえ。『もののけ姫』以降の宮崎アニメは「分かりやすいエンタメ」から遠ざかっていて、再び「万人に受け入れられる娯楽作品」に戻る可能性は低いような気がしますが…。手描きアニメの制作も年齢的に厳しいとは思います。ただ、「新作を作る意欲」を見せてくれただけでも嬉しいというか、「ああ、やっぱり映画を作りたいという気持ちは失くしていなかったんだ」と。その辺は良かったですね(^_^)

cossy-jcossy-j 2016/11/23 21:25 トップクラスのアニメーターになると、2年先までスケジュールが一杯だそうですね。
昔、宮崎監督が長編アニメを作る際、凄腕アニメーターを集めるために
金を積んで引き抜いたとか、決まっている仕事をキャンセルさせたとか
色々な噂を聞いたことがあるんですけど、どうなんでしょう?

type-rtype-r 2016/11/23 22:40 cossy-jさん
コメントありがとうございます。

>金を積んで引き抜いたとか、決まっている仕事をキャンセルさせたとか

鈴木敏夫プロデューサーならやりかねないかも(笑)。まあ、事実かどうかは分かりませんが、そういう噂はジブリだけじゃなくて他のスタジオでも普通にあるというか、腕のいいアニメーターはどうしても取り合いになってしまうので、皆やってるんじゃないでしょうか(^_^;)

あと、「宮崎さんがアニメを作るなら是非とも参加したい!」と自主的に仕事をキャンセルするアニメーターもいるでしょうから、もし宮崎さんが本当に長編アニメを作るとなったら、2017年〜2018年は質のいいアニメが作れなくなるかもしれませんね。優秀なアニメーターを全部ジブリに持っていかれて(笑)。

三十郎三十郎 2016/11/29 20:19 いつもながら、映画の裏側を興味をそそりつつ深め広めていく文章が素晴らしいですね。宮崎監督のプロフェッショナリズムと天才性を、ここまでコミカルに描くのはすごい表現力です

宮崎監督は一流のプロだからこそ”譲れない点”については人一倍かたくなだし、天才だからこそ”譲れない線”の引き方が、凡人から見ると異常に見えて尊敬を通り越しておかしみを感じてしまいます。それもtype-rさんの文章力あってのものですけれどもね

個人的には風立ちぬは「あまりにも監督の趣味に偏り過ぎた」感があり、見てるほうは置いていかれたようにも思えるのですが…宮崎監督を周囲で支える方々の気苦労も思い知れます(苦笑)

type-rtype-r 2016/11/30 12:54 三十郎さん
コメントありがとうございます。

>個人的には風立ちぬは「あまりにも監督の趣味に偏り過ぎた」感があり

そうですね。あの映画を作っていた時の宮崎さんは「もうこれで長編映画は最後にしよう」という気持ちだったのかもしれません。だからこそ、思い切り自分の趣味に走ったり、主人公の声を庵野秀明さんに任せたのでしょう(通常の感覚ではあり得ませんw)。

ただ、そこまで好き勝手に作ったが故に、『風立ちぬ』には宮崎監督の心情がストレートに投影されたのだと思います。そういう意味で、あの映画には、”宮崎駿のプライベートフィルムとしての価値”があるのではないかと。

いわゆる「一般的な娯楽作品」の文脈からは完全に外れていますが、僕の中では「ああ、宮崎さんらしい映画だな」と感じました(^_^)