2014-05-02

現在、一人の女優が話題になっているらしい。事の発端はセゾンカードのCMで、一見おしとやかな美少女に見える女性が、なんといきなり目の前に積まれた瓦を頭突きで粉砕！というとてつもない衝撃映像が公開されたのである。

●クレディセゾンカードCM「頭は使いよう。カードも使いよう」篇

このCMを見た多くの人が度肝を抜かれ、「あの女の子は誰なんだ！」と問い合わせが殺到。その結果、先日から『特ダネ！』、『行列のできる法律相談所』、『スッキリ!!』、『ミヤネ屋』など、様々な情報番組に彼女が出演しまくり、頭突きで瓦を割りまくり状態というわけだ。

もちろんこの映像は本物で、CG加工もしていなければスタントマンも使っていない。正真正銘、本人が頭で瓦を割っているのだ。いったい彼女は何者なのか？

●CMメイキング映像

彼女の名前は武田梨奈。女優であり歌手でもあり、既に多くの映画やテレビで活躍しているが、最大の特徴は”空手の有段者”という点だろう。10歳の頃から空手を習い始め、黒帯を取得。過去に数々の大会に出場して優勝するなど、輝かしい実績を残している。

●武田梨奈インタビュー

そして2009年には映画『ハイキックガール』で初主演を果たし、アクション女優としてデビューを飾った。この作品は、「空手使いの女子高生が謎の格闘技集団に立ち向かう」というアクション映画なのだが、実は本物の役者がほとんど出ていない。登場人物の大半が空手やキックボクシングやムエタイや拳法など、何らかの格闘技に精通している現役の格闘家、という一風変わった作品なのである。

このため、通常なら殴ったり蹴ったりするシーンは”当てるフリをするだけ”でいいはずなのに、この映画では実際に相手を殴ったり蹴ったりしているのだからやられる方はたまらない。まさに前代未聞のリアル・ヒッティング・アクション・ムービー！メチャクチャにやられまくっている悪人役の人たちが気の毒になるほど”痛そうなシーン”のオンパレードで、撮影現場ではケガ人が続出したらしい（痛い演技が上手いのではなく、全員本気で痛がっているのだ）。

●映画『ハイキックガール』予告編

さらに『ハイキックガール』から数年後、再び武田梨奈が主演を果たした映画が『KG カラテガール』である。前作『ハイキックガール』では、「本物の女子高生がミニスカートをヒラヒラさせながら見事な空手技で屈強な男どもをなぎ倒す」という、世界に類を見ない革新的なコンセプトで全国のアクション映画ファンのハートを鷲掴みにしたが、本作においても「美少女空手アクション」という独自の路線を貫き、更に激しく、更に美しく、本気の格闘技を追求している。その揺ぎ無い制作姿勢こそが最大の魅力であり、他の映画では決して見られない唯一無二のアドバンテージなのだ。

●映画『KG カラテガール』予告編

このように、武田梨奈自身はアクション映画界において将来有望な逸材なのだが、残念ながら出ている映画が全くと言っていいほどヒットしていない。内容も（アクションシーンは頑張っているものの）面白いとは言い難く、彼女の魅力を十分に活かし切れていないのが惜しまれる。今後は是非ともメジャーな映画で活躍して欲しいものだ。