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あの映画の裏話を公開!『プレデター』ネタバレ制作秘話


■あらすじ『南米某国で行方を絶った重要人物奪還のためにジャングルに潜入する特殊コマンド部隊。だがゲリラを掃討した彼らを待ち受けていたのは宇宙から飛来した肉食系異星人”プレデター”だった。体を透明化させて周囲の風景に溶け込み、どこからともなく牙を向くプレデターに、隊員たちは成す術もなく次々に倒されていく。仲間を全て失ったアラン・"ダッチ"・シェイファー少佐(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、姿なき敵が熱に反応して攻撃してくる事を突き止め、ついに一対一の闘いを挑むのだった!』


本日、午後のロードショープレデターが放送されます。

1987年に公開されたアーノルド・シュワルツェネッガー主演の『プレデター』は、当時『ターミネーター』や『コマンドー』の大ヒットで勢いに乗っていたシュワちゃんが「宇宙からやって来たとんでもない化け物と壮絶な死闘を繰り広げる」という、小中学生のハートをガッチリ鷲掴みするような素晴らしい内容で公開前から話題になりました。

そして前評判通り『プレデター』は大ヒットし、後に『プレデター2』『プレデターズ』『ザ・プレデター』などの続編が作られ、さらに『エイリアンVSプレデター』『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』というクロスオーバー作品まで製作されるなど、大人気シリーズへと成長したのです。

この『プレデター』を監督したのは、今や説明不要の大傑作アクション映画『ダイ・ハード』を撮ったジョン・マクティアナンですが、当時は『ノーマッズ』というサスペンス映画を一本撮っただけのほとんど無名に近い状態でした。

そんな彼に目を付けたのが「派手な映画なら俺にまかせろ!」でお馴染みの敏腕プロデューサー:ジョエル・シルバーです(『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』でトム・クルーズが演じたプロデューサーのモデルらしい)。

ジョエル・シルバーといえば、『48時間』、『ストリート・オブ・ファイヤー』、『リーサルウェポン』、『コマンドー』、『ダイ・ハード』、『マトリックス』などなど、そのタイトルを並べただけでわかる通り、常に一貫したポリシーで世のボンクラたちを虜にする映画ばかり作り続けている”ブレない男”です。

自分のポリシーに固執するあまり、時々『ハドソンホーク』とか『スピード・レーサー』などトンチンカンにも程がある映画を作ったりもしますが、全く気にしている様子はありません(だがそれがいい!ボンクラ魂に揺るぎなし!)。

似たような路線のジェリー・ブラッカイマーと比較されることも多いんですけど、ブラッカイマーの映画が「派手なだけで中身が無い」のに対し、シルバーは「派手で面白い映画」を作っている点が評価されているポイントだと言われています。近年も『シャーロック・ホームズ』や『フライト・ゲーム』など精力的に映画を制作中(ただ、デリカシーに欠ける言動が災いし、多くの業界関係者からは嫌われているらしいw)。

そんなシルバーから『プレデター』の監督を依頼されたジョン・マクティアナンは、当然の如く様々な苦難に直面します。なんと、撮影が目前まで迫っているにもかかわらず、肝心のプレデターのスーツが全然できていなかったのですよ!仕方が無いので、先にプレデターが出ないシーンを撮影することになってしまいました(このため、映画の前半は全くプレデターが出てきません)。

そして撮影開始から数日後にようやくプレデターのスーツが届いたものの、トカゲの出来そこないみたいなカッコ悪いデザインにびっくり仰天!「こんなもん使えるか!」と激怒した監督はダンボール箱にスーツを詰めて送り返してしまったそうです。しかし、すでに撮影も中盤に差し掛かっていたため、現場はパニック状態!困り果てた監督がシュワちゃんに相談したところ、『ターミネーター』で特殊メイクを担当したスタン・ウィンストンを紹介されました。

スタン・ウィンストンといえば、『ターミネーター』で金属製のガイコツ(エンドスケルトン)を作ったり、『ジュラシック・パーク』で実物大のティラノサウルスのロボットを製作するなど、ハリウッドの超大作映画で様々な怪物を生み出してきた一流のモンスター・デザイナーです。

そんな彼が急遽『プレデター』のスタッフとして雇われたのですが、新しいデザインを考えるための時間が絶望的に足りません。監督は「プレデターは透明で見えない」という設定を利用し、なんとか姿を出さないように誤魔化しながら撮影を続けていたものの、さすがにもう限界です。やむを得ず、移動中の飛行機の中でスケッチするハメになってしまったスタン・ウィンストン。ところが、その飛行機にたまたま乗っていたのが、映画監督のジェームズ・キャメロンでした。

彼はスタン・ウィンストンが悩んでいる姿を見て、「こういうデザインにしたらどう?」とアドバイスしたとの事(節足動物の下顎を参考にするよう提案したらしい)。こうして「なんてブサイクな顔なんだ!」とシュワルツェネッガーも驚愕するほど凶悪なプレデターのデザインが出来上がったそうです(もちろんクレジットにキャメロンの名前はありませんが)。

また、本作はプレデターのデザインだけでなく、脚本をチェックする時間すらも無かったようで、『リーサルウェポン』や『ラストボーイスカウト』の脚本を書いたシェーン・ブラックが特殊部隊隊員の一人(ホーキンス役)として撮影に参加し、現場でシナリオを直しながら撮影していたらしい(どんだけ強行スケジュールなんだよw)。ただし、『プレデター』の脚本はもともと書き直すほどの分量が無かったため、主に役者としての仕事のみだったようです。

その他、苦労したのは「プレデターが熱源を感知する」という設定を映像で見せる場面。これは”ヒート・ビジョン”と呼ばれる特殊な映像で、劇中ではプレデターが獲物となる人間を狙うシーンに使用され、独特の効果を上げていました。

この映像を撮るために、当初は本物のサーモグラフィー装置を持って行ったそうです。しかし、ロケ地のメキシコのジャングルは気温が30度以上もあり、サーモグラフィーを使ったら画面が全て真っ赤っか!つまり、プレデターがもし本当に熱源を感知できるなら、あんな画像にはならないわけですよ。結局、ジョン・マクティアナン監督は撮影終了後に会社へ戻り、一人でヒート・ビジョン用の映像を作るハメになってしまいました、トホホ

ちなみに、プレデターの中の人は新人時代のジャン=クロード・ヴァン・ダムである」という噂が昔から映画ファンの間で都市伝説のように囁かれていましたが、実際はケビン・ピーター・ホールという黒人のスーツアクターが演じていたのです。厳密に言うと、ヴァンダムは2日間だけ撮影に参加したらしく、NGになった最初のスーツを着る予定だったものの、スーツがボツになったと同時にヴァンダム本人もクビになってしまったそうです。ヒドい話だなあ(苦笑)。


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