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2018-11-26 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(ネタバレ) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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スティーブン・スピルバーグ監督『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書はいい映画でしたねえ。

1971年、政府によって長らく秘匿されてきたベトナム戦争の最高機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」がニューヨーク・タイムズによってスクープされ、ニクソン政権は直ちに記事の差し止めを要求

一方、出し抜かれたワシントン・ポスト編集主幹ベン・ブラッドリートム・ハンクス)は、何とか巻き返そうと記者たちに発破をかけ、ついに文章の入手に成功する。

……というのが物語の前半部分で、普通の映画なら新聞記者たちが苦労して特ダネを手に入れる過程をじっくり描いただろうし、それだけでも面白いジャーナリスト映画として十分成立したでしょう。

しかしスピルバーグ監督は、もう一人の主人公として亡き夫からワシントン・ポストの経営を受け継いだキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)を登場させ、まだ女性地位が高くなかった時代に男社会の中で重要な決断を迫られる「一人の女性の苦悩と成長」も描いて見せたのです。

ベンは手に入れたネタを元に記事を作成し、明日の新聞に載せようとしますが、会社の上層部は猛反対。なぜならワシントン・ポストは株式公開を控えており、掲載には大きなリスクが予想されたからです。

社の顧問弁護士も「政府から訴えられるぞ。会社が潰れたらどうするんだ?」と掲載中止を求めますが、圧力に屈して真実報道できない新聞社なんて死んだも同然だ!」と一歩も引かないベン・ブラッドリー。

そしてクライマックスでは、色んな立場の男たちが別々の場所からキャサリンに電話をかけて「最終的な決定権は経営者の君にある。どうするか君が決めてくれ」と迫るわけです。

激しいプレッシャーの中、悩みに悩んだ末に「OK、載せるわ!載せましょう!もう寝る!おやすみなさい!」とキレ気味に言い放つキャサリンが痛快で良かったなあ(笑)

その後、主人公たちは政府との裁判にも勝利し、劇中のセリフ(「報道の自由は報道することによってしか守られない」)を体現したのです。

というわけでこの映画、実際に起きた事件を元にした社会派ドラマでありながら、内容的には極めてシンプルでわかりやすいエンターテインメントになっていることに驚きました。

ドラマの構造としては、「ワシントン・ポスト vs ニューヨーク・タイムズのスクープ合戦」、「アメリカ政府 vs 報道機関」、「ワシントン・ポスト内部の経営陣 vs 新聞記者」、「女性経営者 vs 男性社会」という4つのバトルが繰り広げられているわけですが、それぞれが非常に面白く&バランスよく描かれており、最後まで全く飽きさせません。

さらにビックリしたのは制作期間の短さです。2017年の2月にスピルバーグが脚本を読んで、5月30日からニューヨークでクランクインし、わずか50日で撮影完了。

その後、編集作業ポストプロダクションを経て11月には全ての作業を完成させ、そして2017年12月22日に劇場公開という驚くべきハイスピードで制作されたのですよ(日本での公開は2018年の3月)。

元々スピルバーグは早撮りで有名で、『レイダース』の場合は当初88日間の予定だった撮影スケジュールを13日も短縮し、たったの75日間で終わらせスタッフを仰天させました。

また、『 ジュラシック・パーク』は70日間、『 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』では、全140箇所にも及ぶ過酷ロケーション撮影をわずか58日間で完了。

しかし、『ペンタゴン・ペーパーズ』は過去のどの作品よりもぶっちぎりで撮影期間が短く、スピルバーグ監督の自己最短記録を更新してしまったのです。うわあー!

おまけに「超大作SF映画レディ・プレイヤー1』と同時進行で作られていた」ってんだから凄すぎる!スティーブン・スピルバーグ、恐るべし!

ちなみに映画のラストシーンは、ワシントン・ポスト紙が「ウォーターゲート事件」の真相を暴くきっかけとなる場面で、この後に大統領の陰謀へと繋がっていくわけですね(^.^)

yossyyossy 2018/11/26 18:46 本作を観てこれほど陰湿な圧力があるのか驚きました。
逆にいうと公衆の面前で大声で恫喝するトランプはまだかわいいもんですよね。
本当に悪いやつはそれと気づかれずにこそこそとやるんですね。

それに負けずにぎりぎりの判断をした報道会社も一枚岩ではなくどちらに転ぶから危うかった。

報道の自由は、ちょっとしたことで失われてしまうとぞっとしました。

しゃーくふかまちしゃーくふかまち 2018/11/27 00:57 見応えありましたね!

やはり、あのラストを観ると続けて『大統領の陰謀』が観たくなりますよね。

なんとなく、『ライトスタッフ』と『ドリーム』の関係に似ている気がします。

type-rtype-r 2018/11/27 15:12 >yossyさん

かつてのニクソン政権時代に行われていた悪質な事件を描くことで、現在のアメリカの情勢に対し、何らかのメッセージを伝えようとしているのは間違いないでしょう(トランプ大統領は堂々とやってますけどねw)

type-rtype-r 2018/11/27 15:18 >しゃーくふかまちさん

まあ実質的に『大統領の陰謀』の”前日譚”みたいなものですからね(笑)。この手の映画でああいう終わり方をするのは結構珍しいので、ちょっと驚きました(^.^)

kenken 2018/11/29 08:15 『ザ・シークレットマン』と二本立てで観ました。
ウォーターゲート事件つながりで事件のコトがなるほど!感じました。
大事なことは映画とマンガから得ています。。。。

type-rtype-r 2018/11/30 13:47 『ザ・シークレットマン』も関連作品の一つとして観ておきたいですね。別の角度から事件を描いているので「なるほど!」感が得られやすいし(^.^)

パトリックパトリック 2018/12/01 13:48 個人的に
プライベートライアン
ターミナル
ブリッジオブスパイ
ペンタゴンペーパーズ
とスピルバーグ×ハンクスにハズレなしと思います

type-rtype-r 2018/12/01 19:01 確かにどれも傑作ですね!(^.^)