関西ソニョシデ学園

過去に生きるK-Popのブログ

第250話 地下世界へようこそ

ガッシャーン!
スヨン「バッカ野郎! ドラマがなんや、『スピード』がなんやっちゅねん!(ウイッ)…おっちゃん、焼酎とボンジリ10羽分!」
ひげ八親父「わぁ、これはあかん。えらいやさぐれ様や。自分、なんとかいさめて来いや」
チユル「わ、私がですか? 少女時代の人、苦手なんですけど」
ひげ八「んなことゆうたって、このまま屋台破壊されたら、自分のバイト代も払えんようになるんやで」
チユル「えー、それはまずいなぁ。仕方ない、やってみます」
ひげ八「頼むわ。骨は拾うさかい」
チユル「全然慰めになってまへんよ。…(つんつん)あのー、お客さん」
スヨン「なんじゃい、くそダンサー(うがーっ!)」
チユル「飲み過ぎは身体に悪いですよ」
スヨン「え、心配してくれてんの?」
チユル「はぁ、それはもお」
スヨン「(うけけけ)いらん世話じゃ、ボケ。少女時代は鉄で出来とるんや。余計な世話焼かんと、さっさと焼酎持って来い!」
チユル「こ、これやから少女時代は(ムカムカ)。…スヨンさん、なに荒れてるか知りまへんけど、世間に迷惑かけたらあきまへんよ」
スヨン「やかましい! 説教すんな、場末の踊り子風情が。貴様に主演ドラマが頓挫した者の気持ちがわかるか!」
チユル「まぁ確かにそれは理解出来まへんけど、スヨンさんならすぐまたええ話が来ますって」
スヨン「来るか、ボケ! 『止め婚』であんなに頑張っても『漫画』で死ぬほど気持ち入れても女優業にはつながらへん。
  結局ウチは、歌番組のMC程度にしか思われてへんねん。
  今度のドラマはそんなイメージを覆すええチャンスやったのに」
チユル「ちゅうても総合編成チャンネルのTV朝鮮でしょう?」
スヨン「それでもヒロインや。『止め婚』よりずっとええ」
チユル「主演が欲しいのか…(ぼそ)スヨンさんほどの美貌と人気なら、すぐにでも主演出来る世界があるんやけどなぁ…」
スヨン「(ぴくん)え、え? 今、なんてゆうた? すぐにでも主演?」
チユル「あ、聞こえちゃった。ごめんなさい、独り言ですから無視してください」
スヨン「これを無視出来るかいな。なぁなぁ、そんなええ話があるなら教えてや。お願い、ユルユルちゃん」
チユル「チユルです。人をヤリマンみたいに言わんといてください」
スヨン「細かいことゆうなや。これ、この通りや(土下座)。教えてくれたら、次の活動曲、振り付けさせてあげるから」
チユル「(絶対ウソやな)仕方ありませんねえ。…ウチがゆうたのは地下世界の話です」
スヨン「地下世界ゆうたら、美味しいモノが仰山あって試食し放題の?」
チユル「誰がデパ地下の話をしとるか! 地下芸能界のことですわ」
スヨン「地下芸能界?」
チユル「例えば永いこと練習生やっててもデビュー出来へんやったり、一発屋で終わったり、スキャンダルで失脚したり。
  表の世界の枠組みからはみ出した人たちが密かに活動しているのが地下世界です」
スヨン「そんなの需要あんの?」
チユル「もちろんです。お金持ちほど世の中に退屈し、建前だけの表世界では得られない刺激を求めるのです。
  東京ドームの地下には秘密の闘技場があるし、暗鬼館では時給11万2千円で愚かな人々が殺し合いを行っています。
  地下テレビ局では、そうした様子を専用回線で世界中に配信しているのです。
  もちろん地上に準じた芸能番組やドラマもたくさんあります。
  膨大な会費をとっているので、出演者には表以上のギャラが支払われますし、実質のステータスはこっちの方が高いかも」
スヨン「ギャラは判るけど、ステータスが高い訳ないやん。地下世界なんやろ?」
チユル「顧客はみんな富豪ですよ。そんな人たちをペンにしたら世の中好きに動かせるやないですか」
スヨン「(がーん)そ、そうか…地下世界恐るべし。
  …ん? てことはユルユルも地下芸能界で生きてるん?」
チユル「へえ。『冷麺』以来地上で生きられなくなりましたので」
スヨン「そ、その節はウチのスンギュが失礼した(土下寝)。奴に代わって詫びるさかい、もうちょっと地下のこと教えてや」
チユル「どんなことを知りたいんです?」
スヨン「そうやなぁ、いったいどんな芸能人が活動しとるん?」
チユル「はあ…例えば、地上世界には”国民の妹”と呼ばれる人たちがいますよね」
スヨン「うん。キム・ヨナムン・グニョン、アイユあたりかな」
チユル「地下の”国民の妹”はキム・シニョン姐さん、ピギードールズのキム・ミンソン、JOOねえさんてことになってます」
スヨン「う…それは確かに地下な顔ぶれ」
チユル「国民的俳優は、地上ではアン・ソンギさんですけど、地下ではオ・グォンロクさんです」
スヨン「なるほど。個性と実力がありつつ、表では活動しにくい。確かにそうや」
チユル「地下アイドルもいますよ。今一番人気があるのは。もとSMの練習生で作った”女の子世代”ゆう9人組です」
スヨン「わははは、だっさい名前」
チユル「”少女時代”もさして変わらないと思いますけど。
  気をつけなくちゃいけないのは、どっちも英訳すると”Girls’ Generation”になることです」
スヨン「あ、ホンマや」
チユル「油断してると、地下アイドルに取って代わられますよ。ドバイ辺りの大金持ちにはその辺の区別がつかないんやから」
スヨン「ぴゃー、欧米で一番人気が”女の子世代”ってことになっても世界の大半には気付かれへん。まさに地下戦略や」
チユル「地下の連中は隙あらば表を食おうとしてますからね、用心用心」
スヨン「そんな怪しげなモン、まだある?」
チユル「まだまだ。てゆうか、地下は全部怪しいですよ。例えば地上で人気の番組『一泊二日』は、地下では『一泊三日』て名前で…」
スヨン「海外旅行の格安弾丸ツアーみたいやな」
チユル「MCはカン・ホドンさんがやってます」
スヨン「ぴゃー! ち、地下で生きてた」
チユル「主な出演者は、お笑い界からグレートチキンパワー、ブーマー、音楽界からはJYJとJOOねえさんです」
スヨン「またJOO?」
チユル「『青春失敗』なんてのもありまして、MCは田代ま●し、スペクトラム新田一郎。G8にはセイントフォーの4人、MILKのソ・ヒョンジン、TiA、第一期KARAからキム・ソンヒ」
スヨン「人妻やんか」
チユル「そしてJOOねえさんです」
スヨン「なにがなんでもJOOなんやな」
チユル「ある意味、地下最強アイドルかもしれませんね」
スヨン「そうゆうことなら音楽番組もあるんやろうね?」
チユル「ええ、『ミュージックパンク』とか『陰気歌謡』とか『JIN! オレ様中心』とかありますよ」
スヨン「なんやねん、JINて?」
チユル「MCの赤西某のことじゃないですか?」
スヨン「そっちの仁か(がくっ)。もはや音楽番組のタイトルとは思えん」
チユル「アシスタントは黒木…」
スヨン「わかったわかった、皆までゆうな」
チユル「今週の『ミューパン』はAst’1がミュティズンでした」
スヨン「まだいたの!?(ぴゃー)」
チユル「その他の出演者は、元SS501のキム・ヒョンジュンとか」
スヨン「ヒョンジュンにいさんは表の歌手やん」
チユル「当然、マンネの方のキム・ヒョンジュンです。あとはメン・ユナ、フライ・トゥ・ザ・スカイ、Vanilla Lucy、ステラ…」
スヨン「ステラも表…(はっ)ま、まさか、あっちのステラか?」
チユル「あっちのステラです」
スヨン「…韓国帰ってたんかぁ」
チユル「そして、JOOねえさんです」
スヨン「はいはい」
チユル「地下世界のこと、おわかりになりました?」
スヨン「まぁなんとなく。メンツはともかく盛り上がってることはわかったわ」
チユル「こんな世界やからこそ、地上でトップの少女時代メンボが参入すれば、ドラマでも映画でも主演やり放題なのです。
  いま一番人気のある『太陽をこました月』がやがて終わりますから、その後番組とか狙ってみたらいかがです?」
スヨン「うーむ、『ワイルドロマンス』に振られ役で出るよりよっぽどいいかも…」
チユル「まぁ今夜は家に帰ってゆっくりお考えになってください。その気になったら私が地下の偉い人を紹介しますさかい」
スヨン「お、おおきに…むむむむ(熟考)」

チユル「なんとか大人しくさせました」
ひげ八「自分、すげーなぁ。いったいどんな手を使うたん?」
チユル「まぁちょっとした夢の世界の話をしただけです。
  うふふふ、おパボなスヨンさん。そんなええ話がタダで転がってる訳ないやないの。地下世界のアイドルは妓生と同じ。人気と性上納はトレードオフなのに(冷笑)」
スヨン「…!」
ひげ八「こ、怖い顔すんなよぉ…ああっ、スヨンがいない!」
チユル「え、ホンマでっか?」
ひげ八「そんなでかい声で性上納とかゆうからや。あっという間にとんずらこいたで」
チユル「うふふふ、上手く追い出せましたね。バイト代弾んで貰わなきゃ」
ひげ八「やり過ぎや、食い逃げされたやないか。奴が飲み食いした尋常やない量のお代、自分のバイト代から引いとくからな」
チユル「ええーっ!(がっくり) やっぱり少女時代と絡むとロクなことがない。奴らこそ地下アイドルやわ」







スペクトラム…1979年にアミューズからデビューしたロックバンド。
 ホーンを前面に押し出した日本では珍しいスタイルと3ヴォーカル、デビュー時衣装代に1000万円かけたというど派手なプロモーションで話題を呼んだが、色物的な扱いでわずか2年で解散した。
 後にその音楽性が一部で評価されている。
     SPECTRUM 『IN THE SPACE』
    ファルセットで歌っているのが新田一郎