広島県の大崎上島で「島にある未来」を見てきた

今年の9月に自由大学で受講した『島で暮らす』の拡大版ということで、教授の森ルイさんが移住している大崎上島にキュレーターと他の受講生とともに総勢7人で1泊2日で行ってきました。授業で聞いた話を目の当たりにし、色々と話をし、気付きを得ることができました。

島にある未来

実際に大崎上島に1泊し、短い時間ながら感じたことを「島にある未来」という視点でいくつか。

物々交換(Do it yourself)

ルイさんが運営しているカフェ(アンテナショップ)で他の参加者の方々とお茶をしていると、近所のおじさまが、今日取れたというミカンやレモン、イノシシの肉をおすそ分けしてくれました。また、ルイさんはカフェ運営や店舗・シェアハウスのリノベーションを行う際、WWOOFのシステムを使い、受け入れた人の滞在費を無料とする一方、彼らの力を借りて仕事を進めているそうです。ルイさんは結果としてお金を介さない方法(DIYと言うこともできるかもしれません)を一部選択して、プロジェクトを進めています。

IMG_1243
ルイさんのお宅(築80年の古民家)

複数のコミュニティ

ルイさんの活動を横目に見ていると、彼女は複数のコミュニティに属し、運営しながら、自身のプロジェクトを進めています。具体的には、大きく「島」「東京」「WWOOF」でしょう。この複数のコミュニティに属している人たちは、それぞれの目的、思惑は違うかもしれませんが、ルイさん、またはルイさんのプロジェクトを介して、出会い、色々な話をしたり、ときに協働したりする中で、自身が過ごす時間や自身の属するコミュニティが豊かになることを感じます。事実、店に訪れたおじさまやWWOOFで来ていたクリスと参加者を交えて色々と話し、島を訪れた経験の厚さが増しました。

antenna
アンテナショップ内のカフェでぼたん鍋

プロジェクトのリードと参加

リノベーションしている築100年と言われている古民家をみんなで見学しました。そのとき「誰が実際の作業をしているのか?」と尋ねると、「私(ルイさん)とWWOOF。」そして、「WWOOFを受け入れたとき、まず、何が得意なのかを聞く。」とルイさん。物々交換、スキル交換や複数のコミュニティを横断して活動をするというこれからの働き方、暮らし方を想像したとき、ルイさんの言葉から、メンバーのインセンティブ、スキルを勘案し、参加経験をデザインすることや、一方、プロジェクトに参加するときは自分自身、何が得意なのかに自覚的になることの大切さを想像しました。

renovation kominka
築100年ほどと言われている古民家の中

参加者との対話

今回の大崎上島ツアーに参加すると、自然と「働き方」「暮らし方」についてや、「自分自身のテーマ」について話が出てきます。温泉に入りながら、ぼたん鍋をつつきながら、そして、寝る前に枕を並べながら、そんな話をオープンに対話することができることも、こういった旅のだいご味のひとつでしょう。個人的にもみんなの話を聞かせてもらったり、自分自身の話ができたりととても楽しい時間を過ごすことができました。

IMG_1275
ルイさんの古民家で朝にヨガクラスを開きました。

これから、様々な働き方や暮らし方を自分、自分たちでつくっていく時代になると夢想したとき、大崎上島という島にある未来から色々なヒントを得ることができるかもしれないと感じた旅でした。ありがとうございました。