河童伝承大事典と八咫烏

 東京国際ブックフェアに行ってきた。でもあんまり時間がなかったのでざっと回っただけ。買ったのも『河童伝承大事典』(和田寛、岩田書院)というどでかい本1冊のみ。A4判上製で780ページもある。高い本なので2割引はありがたい。私の田舎、和歌山の話がいっぱい載っていたから買ってみたんだけど、あとで著者紹介を読むと和歌山出身の人だった。
 私の生まれ育った土地には河童の目撃者がけっこういた。河童同士が相撲をとっているのを見たというおばちゃんや、カシャンボに追っかけられたというおいやんもいた。カシャンボというのは河童の別名で、夏場は頭に皿をのせたイメージ通りのカッパだが、冬になると寒いので川から出て山に入り、体中に松ヤニを塗って落ち葉や枯れ木をくっつけて防寒するのだそうだ。同じ河童でも、夏場はガイタロボウシ、冬場はカシャンボと呼び名まで変わってしまう。件のおいやんはカシャンボに谷で出くわし、一本足でピョンピョン跳ねながら追っかけてきたので“けてんもうてくろて尻逃げに逃げた”(注:とても驚いて一目散に逃げた)とのことだった。河童は架空の妖怪ではなかったのである。そのおいやんも数年前に死んでしまった。80歳を過ぎても山仕事に出ていて、なんか腹が痛いと病院に行ったら癌だとわかり、その3日後に亡くなったらしい。そういえば、私の母はツチノコの目撃者だ。「普通のヘビがネズミでも飲み込んどったんちゃうんか?」と疑ったら「ウソ違う! 兄も一緒に見た!」と本気で怒っていた。
 つい最近は本宮の方で三本足のカラスが目撃されたらしい!? まるで八咫烏だ。近々ブログ旅志貫徹証拠写真も含め報告があるかも。この写真、たしかに衝撃的だった。もし本当なら、既に『紀南新聞』とか『紀伊民報』に載ってるかもしれないな。(←ウソ写真だった! 種明かしは小口自然の家だよりに)

河童伝承大事典