閉鎖通学圏分析2012 - 東大合格者数編、首都圏公立

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 今回は、茨城県を除く首都圏公立校です。不思議なことに、浦和高校、日比谷高校、湘南高校が躍進すると学区撤廃による一極集中現象が起きたとマスコミは書き立てます。とにかく、『全体では伸び行く私立と停滞する公立』という構図でないと広告費がもらえないので、マスコミは確信犯的にそう書きます。今年、本当に一極集中が起きたのは、実は東京私立のほうだったりします。

都県・区分 2011 割合 2012 割合 増減
千葉・公立 38 2.42% 43 2.63% 0.21%
埼玉・公立 58 3.69% 77 4.71% 1.01%
東京・公立 99 6.31% 105 6.42% 0.11%
神奈川・公立 37 2.36% 49 3.00% 0.64%
合計 1570 1636

 確かに千葉公立は、県立千葉高校の増分を除くとその他の公立は減っています。他の都県では、公立トップ校だけでなく、幅広く裾野を広げています。千葉県の場合、東葛飾高校が予想外の不振(といいつつも京大シフト)でしたが、常磐線沿線の高校の大学進学実績は、単純に偏差値だけで説明できない奇妙な動きを今年は示しています。

区分 増減 茨公 茨私 千公 千私 埼公 埼私 東公 東私 神公 神私
千公 0.21 0.21
埼公 1.01 0.73 0.28
東公 0.11 0.11
神公 0.64 0.49 0.15

 さて、好調な公立高校勢ですが、補給元はすばり東京私立です。埼玉県と神奈川県は同一県私立からも優秀層を集めていますが、それだけでなく、東京都からも優秀層を呼び戻しはじめています。これらの学校は主に高校募集ですから、高校で優秀な生徒を集めた可能性もありまがすが、ちょうど『中受ピーク』(中学受験人口が最大になった2008年、2009年頃)の世代ですから、その可能性だけでは説明できず、公立高校の教育内容が受験体制にシフトしたこともあるでしょうね。とにかく、首都圏では公立高校のほうが東大合格割合を増やしているのは事実ですから、『高受出がらし論』は無視しましょうね。