「幻想」の効用

なんか、つながってきた。

私は、「『本当は』人は全ての瞬間にベストを尽くしている」という意見に賛成なので、「本当は、こうなりたかったのに」の「本当」は、本当でなく「ありもしない仮定」となってしまいます。

http://d.hatena.ne.jp/u_1roh/20070601/1180715130#c1181240672

これは先日のエントリ 「好きを貫く」ために必要なのは「能力」よりも「ビジョン」とか「戦 - カタチづくり で貰ったコメントの一節。すぐに返答が出来ず、このコメントがしばらく頭をぐるぐると回っていた。
で、これが昨日書いたエントリ。

先行するのは「生き方」であり、「本当の自分」というのは「生き方」が発されたことの事後的効果として生じる幻想である。

先行するのは「行動」であり、「意思」は幻想である - カタチづくり

これに対しては別の方から次のコメントを頂いた。

ただ、世の中を成り立たせるためにはおとぎ話(幻想)も一定の役割があるというのも事実です。常識と言われる概念は、客観的かつ冷徹な事実ではなく、共同体を維持するためのお約束の塊みたいなものですから。

http://d.hatena.ne.jp/u_1roh/20070609/1181395802#c1181472348

つながってきた、ような気がする。

そう、「『本当は』人は全ての瞬間にベストを尽くしている」。だから、「本当は、こうなりたかったのに」の「本当」は「幻想」に過ぎない。
でも、人は幻想を信じる生き物だ、と思う。「俺はまだベストを尽くせていない」という幻想を信じる。「自分はもっとやれたはずだ」という幻想を信じる。だから明日はもっと良くしようという力が湧いてくる。だから未来を作れる。過去の幻想を未来の現実に昇華できる。
幻想と現実は相補的な関係なんじゃないか。幻想と現実がブートストラップして歴史が紡がれるんじゃないか。幻想と現実という2本の糸をより合わせるようにして人は生きているんじゃないのかな。
だから、「幻想でいいじゃない、信じれば」って思った。