“ちはやふる(1)〜(3)”末次由紀
“潔く柔く”を読み終わったらもう少女漫画は読まないだろうと少し前の記事に書いたばかりなのですが、いろいろあって、もう少し読んでみます。
人気連載漫画“ちはやふる”。少女漫画ですが、王道のラブストーリーではなく、競技かるたのお話。主人公の千早(ちはや)ちゃんが「かるた」と出会って、夢中になって、強くなって、美しくなっていくお話です。
最初に手にしたのはもう一年以上前なのですが、こっちの漫画もいろいろあって、しばらく続きを読めませんでした。さんざん悪口みたいなことも言って、わたしは悪口のつもりじゃなくて、思ったことを言ってるだけなんだけど、話している相手の目をみてると、自分の発している言葉が自分の中で悪口になっていくんです。自分が汚くなってくみたいですごく嫌でした。
わたしにとっては、不本意ながら、そういう漫画になってしまったので、今さら“ちはやふる”を褒めても説得力はないかもしれませんが、最初に読んだときからわたしはこの漫画の1巻はとても好きなのです。そしてまた読み返しても、やっぱり好きでした。絵もストーリーもセリフも。ぎゅっと惹きつけられて、心が揺さぶられます。学べることもたくさんある。
2巻になると、小学生だった千早ちゃんが、中学生をすっ飛ばして、高校生としてのストーリーが始まるんですね。わたしはそれが気に入らなかった。読み返してみてもやっぱり気に入らなかった。物語の流れを考えたときに、わたしは千早ちゃんの過ごした中学3年間というのはとても重要なドラマのあった期間だと思うのだけれど、それが描かれていないのは、なんていうのか、信じられなかった。いや、ついていけなかった。小学6年生のときの想いを、読者であるわたしが、高校1年生の時点にワープさせることはできなかった。読み返してみても、やっぱりできなかった。何度も何度も読み返してみたけれど、やっぱりできなかった。
なので、ひとまず先に進みます。
3巻です。1巻の情熱がまた元に戻ってくる感覚があります。ああなるほど、いい漫画なのだと思わないわけにはいきません。しかしわたしは千早ちゃんのことを1巻ほど疑いなく好きではいられません。わたしは彼女の「かるた好き」を100パーセント信じることができません。かるたの向こうには常に新君がいます。かるたの札の裏側には常に新君がいます。それはもしかしたら、千早ちゃんにとっての表かもしれない。そう思うと、千早ちゃんの「チーム」っていったいなんだろうと思います。千早ちゃんの「仲間」って、いったい誰だろうと思います。そのことに彼女は無頓着に過ぎます。
この後のどこかの巻できっと、そのことが大きな問題として扱われるのだろうなという気がします。扱われなかったら、やっぱりわたしは「気に入らない」って言うと思います。
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