2012-01-27 ぼくも、あなたの犬になりたい
■[本][渡航]やはり俺の青春ラブコメはまちがっている 3 ★★★★☆
- 作者: 渡航,ぽんかん?
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/11/18
- メディア: 文庫
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寸評
残念系ラブコメディ第三巻。由比ヶ浜が奉仕部に来なくなって、八幡と雪乃が彼女を来させるために、あれこれと思案する話。ちょっと疎遠になった友達が、そのままどんどん疎遠になって、最後には分かれてしまうという誰にもよくあるようで切実な問題を、コメディタッチのストーリーのなかにうまく組み込んでいる。由比ヶ浜の問題にやきもきしつつ、いままで通りの残念系ラブコメディとして楽しむことができた。
感想
シリーズの面白さは1巻の時点で完成しているため、本作品も、いままで通りの安定感。三巻ともなれば、登場人物が変わらないために、掛け合いも型にはまったものである。しかし、奉仕部の人間関係にかかわる深刻な問題をもってくることで、作品に新鮮味を感じつつ楽しむことができた。八幡くんの残念さは今まで通りながら、雪乃の魅力は、新たな残念どころが発覚したことで、一層上がったように思う。完璧にみえて、実は意外な弱点をもつ女の子は、とても魅力的に映る。
本作品で目を引くのは、由比ヶ浜の問題の解決プロセスだろう。彼女のためにプレゼント選びをしたが、疎遠になった仲をとりもったのは、材木座が奉仕部にもちこんだトラブル解決の依頼という、それとは全く無関係のもの。お互いの気まずさを意識するから余計に気まずくなってしまうわけで、みんなで一緒になって共通の課題にとりくんでいるうちに、由比ヶ浜の問題は自然と解消される。別の問題に対する共同の意識を持たせることで、本来の問題を問題でなくしてしまうという解決方法は実に賢明なもの。コメディタッチの物語のなかで、こういう問題の解決手段までしっかりと描けている点に、作者のクレバーなところを強く感じた。ちなみに、大一番での八幡の説教は、やはり、少し幼稚だし説教臭いように思う。
最後のバースデーパーティーは、ドラマCDの内容を書き下ろしたもの。本作品らしく楽しいものであり、ちょっとしたいい話に見せかけておきながら、最後に全く別のところからオチをもってくるのがうまい。平塚先生の幸福への道程は、未だ遠いようだ。
作品の方向性を確固なものにしつつ、雪乃の家庭の問題を次第にクローズアップしている。次の巻も楽しみだが、そろそろ大きな展開が欲しいところである。
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