第13回広島国際アニメーションフェスティバル行ってきました

どんなイベントなのか?

端的に言うと、「アートアニメ中心の国際映画祭」です。2年に1回のペースで行われているので、次回開催は2012年です。
各国の作家の作品を審査するコンペティションがイベントの中心で、他には「アニメーション作家を目指す学生たちの交流の場」という機能もあるようです。Twitterで見ているとそんな感じでした。
今回行ったのは、卒論の論拠*1を探しに行くという目的が中心でした。もちろん、純粋にアニメーション映画祭に行ってみたかったというのもその理由です。
他にも、アステールプラザの各部屋を使って、各種展示や、アニメーション制作体験*2、持ち込み上映スペースも用意されています。

ちなみに、今回の受賞作はhttp://hiroanim.org/ja2010/03compe/3-06.htmlに載っています。
個人的にはなぜ「ダイバーズ・イン・ザ・レイン」がヒロシマ賞という賞を貰ってるのか良くわからん感じです。*3

行った感触

やっぱり「アートアニメ」が中心なせいか、女性比率が高めです。アニメスタイルイベントとかに慣れていると驚くかもしれないです。あとは、広島という立地で相当フィルタがかかるのか、上映本数・作品などの規模の割には人が少ないです。快適です。
気づくとアニメーション界の大御所達がそこら辺を歩いているという、距離感が歪んている感じも魅力かなぁと思います。日本の商業アニメとは少し違う世界を見るのも、「アニメについて語る」には必須だと思うので、アニメについて何か語ることに興味がある方におすすめしたいと思います!

オススメ作品

虫歯鉄道/cavity express(武藤 健司/日)


Twitterで「虫歯特急」とか書いていた件について。もう死ねる。
これが今回の一押しですね。
キャラも可愛いし、「虫歯予防の啓蒙」が目的の割に全く説教臭くないし、動きもその見せ方も爽快。
中の人も、「くまいもとこショタと中尾隆聖バイキン」という鉄板過ぎる布陣なので愉快。
実はストーリーも続きが気になる仕様となっております。続き見たいぞ!
動画革命東京の公式概要ページはhttp://www.anime-innovation.jp/sys/works.php?itemid=134です。

LOST AND FOUND/まいごのペンギン(Philip Hunt/英)


かわいい繋がりでこれも。ペンギンかわいいよペンギン。
ちなみに会場では、子供のために、字幕の代わりに女性が翻訳セリフを上から重ねていたのですが、その声が超絶かわいらしくて、雰囲気にマッチしていました。プロの仕事でした。

Madagascar, carnet de voyage/マダガスカル、旅日記(Bastin Dubois/仏)


2Dと3Dの境界線を自在に行ったり来たりする映像の質感がたまりません。
導入の仕方も自然なので、難なく変幻自在なマチエールを楽しめる構成になっています。
映像の快楽も追求しつつ、観客を置いていかない工夫が散りばめられているバランスの良さを保っている稀有な作品です。

再来年行くつもりの方へ

  • 宿はアステールプラザ至近のものをとったほうがいいです!
    • 駅前から結構距離があるのです……。
    • 私は今回駅前でした。宿そのものは良かったんですけどね。
  • 昼ごはんは事前に確保!
    • 会場内で出店もあるのですが、やや高いので、事前にコンビニ等で購入しておくといいです。
    • 持ち込み上映をする人はソイジョイ系必須だそうです(byつくだやま先生*4
  • やっぱりコンペは見ておこう!
    • 各日の最後に行われるコンペティションがメインイベントです。コンペティション時だけは他の会場は全く上映を行ないません。
    • その時間帯に会場にいられるように交通機関などを手配するのがベターです。私は深夜バスを使ったので、滞在最終日のコンペティションの時間に会場にいられないという事態が発生しました。うおー!

*1:つまり、「アニメーション」と「実写」の境界線が曖昧になっている、ということを示す論拠です。

*2:子供たちだらけ+係員が子供にしか注意を向けていないので、大きなお友達が制作を体験するのは非常に困難です。気まずいです。場の本来の目的としては最適な状態ですが、入り口の係員さんの発言(「大人でも大丈夫です!」)と実態が食い違っているのはいかがなものかな、と思いました。

*3:私の所属は芸術について色々考えるところですが、構成をわかりにくくすることで神秘性を作るような「お芸術」というものは信用できないです。公式ガイドブック買わないと概要もわからないのは困ったものです……。

*4:北大アニ研の生んだえろい人。公式サイト:http://kane-gen.oops.jp/