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2007-11-03 ブッダとそのダンマ B.R.アンベードカル / 山際素男 翻訳

アンベードカル

[]ブッダとそのダンマ B.R.アンベードカル / 山際素男 翻訳 23:12

以前「アンベードカルの生涯」という本の紹介を書きましたが、これは、アンベードカルが最後に残した本。不可触民として生まれながら、独立インドの初代法務大臣となり、インド憲法をまとめた人です。不可触民ではない政治家で、不可触民を「ハリジャン」と呼んだガンジーとの戦いは、絶対に知っておくべきインドの歴史だと思います。

彼は政治家になってからも差別を受け続け、1965年の10月に、30万〜60万といわれる不可触民とともに仏教に改宗しました。この人の動いた一日だけで、インドの仏教徒数が三割増加したそうです。

この本を読むまで、「インドに帰化した日本人僧」佐々井秀嶺さんという人を知りませんでした。こちらも必読の書。『「破天」 一億人の魂を掴んだ男


「ブッダとそのダンマ」のあとがきに、この本の出版においては世界で賛否が繰り広げられたといいます。「平等」を真に説く教えが仏教であるというアンベードカル視点の書き方についてです。私には、なぜそれが賛否の議論になるのかわかりません。彼が彼の視点で解いたものであることに価値があるはずなので。

そして、読んでみると中身はそんなに「差別」に特化したものではなく、ブッダの生涯と教えを非常にすぐれた文章で書かれたものです。日本語訳の山際素男氏の力も大きいでしょう。きめ細やかに練りこまれた、美しい表現で書かれています。

とにかく素晴らしい本なので、「これ読んだほうがいいよほんとに」というひとことなのですが、この本を日本人としてこの秀逸な訳で読めることは、とにかくありがたいことです。

なかでも、「仏教徒の生き方」「ブッダの教え」の章は必読。

<234ページより>

「諭しなさい。教えてやりなさい。良くないことは止めさせなさい。そうすれば善い人たちからは愛され、悪い人からは疎まれよう」

「徳のある人びとはいかなる状況にあっても心して歩く。徳のある人びとは快楽を欲してしゃべらない。楽しい目に、悲しい目にあっても賢者ははしゃぎもせずふざぎこみもしない」

人の批判やうわさ話に時間を浪費する人に辟易したとき、救われることがたくさん書いてあります。

(写真は、友人がインド出張時にみつけて撮ってきてくれた銅像の写真です)


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