うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

続インド・ヨガ教典―瞑想と健康の技法 ジバナンダ・ゴーシュ 著

続インド・ヨガ教典―瞑想と健康の技法
先日ご紹介した「インド・ヨガ教典」の続編です。読んだのはこちらが先で、きっかけは図書館サイトでの「ヨガ」検索。図書館で借りてみたら、この著者さんのグルとわたしの師匠のグル(パラムグルってことです)が一緒でした。
内容として、この続編のほうが少しくだけた感じになっています。最初の本では、基本的なことでもう1冊出来上がっちゃったよ、ということなのでしょう。続編だけ読んでも、基本的なところもおさらいされているので、これはこれでまとまっています。

いくつか興味深く読んだ箇所を紹介します。

<24ページ 自宅と道場での実習 より>
ヨガを実習して、エネルギーを得た人は、バランスをとること。そして規律を守り、自己統制を忘れないこと。次の三項目を記録すること。
 一、ナチュラル(自然)に考え、行動する。
 二、好きなことを系統立てて、上手にする。
 三、悪いことをしない。

記録すること、とあったので、記録しました。シンプルな教え。

<54ページ ヨガ体操の章より>
項目12:仰向け脚回し 脚を開いて左右の脚を外巻き、内巻きに回す。
項目13:仰向け脚回し(両脚揃え) 脚を揃えて上方で円を描くように回す。
項目26:腕立て(指先内側)
項目27:腕立て(指先外側)

この本はアーサナとは別に「ヨガ体操」という準備運動のような、可動域をほぐすようなメニューが多数紹介されています。腕立てを、手首の向きを変えてやるのは、発見。たしかに、「ピーコック(アーサナの名前)」とかは、腕立ての手首の向きが通常とは逆なので、こういうアプローチがあるなぁ、と。

<159ページ ヨガはアクロバットではない より>
一見、日本人と中国人、韓国人の外見は、よく似ている。しかし、個性は、はっきり違っている。これと同じく、ヨガはアクロバットや体操と違うのである。
(中略)
ヨガとアクロバットや体操とを混同してごちゃまぜにしている人は、成功を望めない。こんなことを長期間続けても、なんの良い効果も出ないので、ヨガやアクロバット、体操の有難みはなくなってしまう。どれ一つをとってみても、それらは有効なものであるから、システム通りに楽しく練習すれば、良い結果となる。

そう。ヨガにはヨガのシステムがある。見た目アクロバティックに見えるかもしれないけれどアーサナも、そこに至る過程で他のいろいろなアーサナとつながっていて、総合的なものであるなぁといつも思います。

<176ページ 熱があるときにヨガを練習してよいか より>
発熱中、舌の味覚が変化する。そうしたとき、朝方に、きめ細かい粉状の塩とマスタード・オイルを混ぜ合わせ、ペースト状にし、指で歯とか舌を洗うとよい。

ものすごく具体的。

<180ページ ヨガ・クリヤ より>
(18の項目の中から、記憶しておきたいと思った最後の2つ)
 17:誰とでも不必要に喋ることはしない。なぜならば、エネルギーを失うからである。が、話していけないと、言うのではない。限界をわきまえた交際、話し合い、意見の交換であれば、悪くない。こうすれば、心の集中に役立つ。
 18:必要もなく他の人に話したり、人の助けを求めることはしないこと。しかし、保護者、先生、医者、グルとは充分に話し合うべきである。

これはほんとうにだいじ。

<215ページ 自己調節 より>
たまたまある人が努力して得たその成果が、他の人によって利用されてしまうことがあるかもしれない。たとえそんな場合でも、彼(彼女)は不満足な心を持ってはならない。そのときこそ、自己調節心が然るべく磨かれる時なのである。

インド人の語る教訓には「利用する」とか「盗む」に関するものが多いな…。

218ページ 幸運・不運 より>
さて、神を信じないという人がいる。これは現代の宗教のあり方の反映であることはわかる。しかし、本来の「神」とは、人間の小さな知恵ながら、宇宙のすべての大法則を「一」として、人格的に「神」と名付けたものである。「神」とは生命の本源を指すのである。「運命の法則」を毎日の生活に生かせる人が、当然のように、何をやっても成功できるわけは、ここにあるのである。

なんかここだけ、すごくイマドキのスピリチュアル本みたいだなと。

<275ページ 私のグルが与えてくれたアドバイス より>
(著者のグルを紹介する内容のなかから)
最初の霊的グル、故ビシュヌ・チャラン・ゴーシュ(1903─1970)
1. 彼はインド人でインドに住んだ。
2. 身体修練を、まず、行なう。
3. 恐れは、心の中に侵入させない。
4. 常に、弱い無力な人を助ける。
5. 無理やり、他の人に教えない。
6. 強い忍耐を持つ。
7. すべての生徒を、常に、等しく扱う。各々の生徒の願望と目標に応じて教える。
8. 不可能なことはない。
9. 何でも、充分、満足して食べる。
10. カースト、信教、国籍で人を差別しない。
11. 利己的でなく、他を思いやる。
12. できるだけ寄付するように努める。
13. 日本や諸外国に、ヨガを広めるよう努める。

この「無理やり、他の人に教えない」というのがね、すごくわかります。といいつつ、強引にここの日記で「だからヨガはやったほうがいいんだよ」とすすめたりしていますが、「身体によさそうだよね(やれば)」というスタンスの人に、あまりヨガの話を長くしようと思いません。

<300ページ 最後の一文>
私はヨガの様々な効果について述べて来たが、ここで、たやすく、締めくくることができる。人生において「ヨガは万事」である。

「NO MUSIC NO LIFE」に並ぶ簡潔さ!


この続編のほうが、より著者さんのことばがストレートに出ていて面白かったです。