うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

Patala(夢の種)

シュリー・オーロビンドさんの本に出てきた「Patala」(サンスクリット語)の説明を英文で読みながら、「こころの深部の教えは英語 ⇒ 日本語で理解していくと微妙に、かつ恐ろしくズレていくもんだ」というのを感じたので、書いてみます。
「Patala」というのは「MORE LIGHT ON YOGA」という本のなかの「PLANES AND PARTS OF THE BEING」という章に出てくる言葉なのですが、巻末にある英文の代替英語表現には「the nether world」とある。これを英和辞書で調べると、「冥土」とか「地獄」ってことになる。
でも、読んでいると、明らかに日本人がイメージする「冥土」の話ではない。
辞書で引くとこれ、「仏教用語で死者の霊魂が行く暗黒の世界。冥界」という説明をされているところもある。そしてまず思いうかべるのは「冥土の土産」だったり「三途の川」のイメージだったり。


以下は、そんな「Patala」についてのオーロビンド先生の説明。
下は、うちこの感覚的な意訳です。なんとなく「種(たね)」という言葉を使ってみました。

 Patala is evidently here a name for the subconscient ─ the beings there have "no heads",that is to say,there is there no mental consciousness;men have all of them such a subconscient plane in their own being and from there rise all sorts of irrational and ignorant (headless) instincts,impulsions,memories,etc., which have an effect upon their acts and feelings without their detecting the real source.At night many incoherent dreams come from this world or plane.The world above is the superconscient plane of being ─ above the human consciousness ─ there are many worlds of that kind;these are divine worlds.


Patalaは潜在意識の存在を明らかにします。
それは無意識の場所にあり、考えようも言いようもない、こころの意識の届かないところにあるものです。
人はみな無意識のうちに存在する分別のない、無知な衝動傾向、感覚、記憶の種をもっています。
それは実際に起こった原因が思い当たらなくても、行動や感覚に影響をあたえることのある「種」です。
眠っているときに見る脈絡のない夢はこの「種」によるもので、この存在は、微細な、実直な、人間の意識の上にあります。このような世界はいくつもあります。それは、聖なる世界です。

英語は正直あまりわかっていないのですが、でもヨガっぽいやつは聞いたり読んだりする回数が多いので、なんとなく……なんとなく……で、なんとなくなまんまインプットします。
サンスクリット語は、こころの描写の単語が豊富。よくそんな要素まで単語作ったねぇ、というくらい。なので、オーロビンド先生の本は、何度も言い方を変えて同じことを言っていてまどろっこしいのだけど、読んでいると楽しい。なんか楽しいんですね。
ダウンドッグで「膝伸ばせ」っていうのと「踵つけろ」っていうのは同じようでいて、感触は違うわぁ。という感じに似ています。




「the nether world」は、せめて


 あなたの知らない世界


くらいの記述にしておいた方がいいかと思った瞬間同時に、「なんだかもっと地獄っぽい!」ということに気づき、日本はとにかくなんでも、目に見えないものは「ああおそろしい」というイメージを育てる土壌がしっかりした、とても仏教っぽい国だ。と思いました。
「精神世界」よりも深いところの話を訳そうとすると「あなたの知らない世界」という直訳が思い浮かぶのは、ちょっとおもしろい。まじめに表現を考えてみる。



 夢の種、無意識の世界、潜在意識の世界……


というのが、うちこなりに探してみた表現なのですが、はじめのやつは、なんかおいしそうな文字列になってしまいました。
でもこれが、英語 ⇒ 英和辞書を経由すると、「冥土」とか「地獄」になってしまう。
こころで読まなくちゃ!