SIGNAL

 ATLASに続く6枚目のオリジナルアルバム。このアルバムはCDなのに一旦アナログ盤にカッティングしてからデジタル化したそうだ。(実際にリリースされたのはCDのみでアナログ盤は発売されていない)初夏の青空を思わせるブルーのジャケットが印象的だ。

 曲の方はライブメンバーが加わっていることもあり、再びノリの良いアップテンポな曲が中心になっている。「KISSES」「Mighty Smile」など、ジャケットの印象通り初夏のさわやかなイメージが気持ち良い。そんなわけで、最初に聴いた時にはさわやかで明るいイメージが強いのだけど、そこに混じる寂しさや悲しさや危うさが、聴き終わった後に不思議な余韻を残す。だから好きなんだよね、ただ明るくってノリがいいだけのアルバムじゃないのだ。

 また、このアルバムではストリングスが非情に効果的に使われていていて、華やかさや寂しさを引き立てる。ストリングス・アレンジは溝口肇さんだ。

 現在、このアルバムは廃盤で中古でしか手に入らない。音楽配信では手に入るけれど、松浦さんがアナログの音にこだわって作ったこのアルバムをこのまま埋もれさせてしまうのは非情にもったいない。ぜひ復刻して欲しいものだ。
 

収録曲