元永定正展@三重県立美術館


元永定正展三重県立美術館
2009年4月11日(土)〜5月31日(日)

元永定正さんといえば、谷川俊太郎さんとの絵本共作で有名ですね。

もこもこもこ (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)

もこもこもこ (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)

実を言うと、昔は作風としてはそんなに好きではなかったのですが、数年前に見た「具体」*1の展覧会で、元永さんも具体のメンバーだったことを知りました。そのとき見た野外美術展の「水」の作品がとてもカッコよくて(今回の展覧会でも再現されています)、それ以降気になる存在に。


具体時代の作品が案外多く、絵本の作風を知っている人にはちょっと意外な感じもするかもしれませんが、最初期の作品から変わらないのはユーモラスさとファニーさ、そして色の鮮やかさ。
きっと触ったらぽにょぽにょしてるんだろうな〜と思わせるふんわかした線と形。音が聴こえてきそうなリズミカルな画面。抽象絵画だけどなぜか親しみのわくような、不思議な魅力にあふれた作品がいっぱいです。さらに、どの作品もでかい!でかすぎ!!絵本サイズでしか観たことがなかったので、迫力に圧倒されました。ぜひ多くの方にナマでご覧になってほしいです。
「色玉の世界」と題された部屋が特に楽しすぎます。この絵本が現実になったような感じ!

ころ ころ ころ (幼児絵本シリーズ)

ころ ころ ころ (幼児絵本シリーズ)

5月3日にはご本人もいらっしゃったらしく、扉を入ってすぐのところに、当日製作された巨大なパフォーマンスアートが展示されています。86歳のおじいちゃんの絵かこれが…という作品です(ポカーン)。


今回の企画展にあたり、美術館は隅から隅まで元永ワールドに仕立て上げられています。通常企画展は行われない県民ギャラリーや資料室、ロビーの壁面やガラス窓、果てまた外の庭まで元永作品で埋め尽くされています。とにかく、ありとあらゆる場所に作品がありますので、行かれる方は必ず隅から隅まで回るように。
三重県立美術館渾身の企画?! 絵はゆるゆるな雰囲気ですが、非常に力のこもった展示でした。近年の財政難でおそらく芸術関係の予算は真っ先に削られているでしょうし、決して大きな美術館でもありませんが、企画力で楽しませるスタッフの皆さんの心意気にちょっと感動しちゃいました。


さらにミュージアムショップでは展覧会に合わせこんな商品が!


オリジナル干菓子、その名も「もともと」。地元の和菓子屋さんが作っていることといい、元永さんならではの可愛らしい形をお菓子にしたということといい、非常に秀逸なミュージアムグッズ!


旦那は元永さんの近作を購入。

ちんろろきしし (福音館の単行本)

ちんろろきしし (福音館の単行本)

これがまた頭がふにゃふにゃになっちゃうような本でして…もっと大人に読まれても良いと思う。この判型、この表紙、この出版社、で、ちょっと損をしているかも。少なくとも書店で目に止まったことはなかったなあ。


会期終了まであと僅か、おそらく巡回もないと思いますので、行ける方はぜひとも足を運ぶことを強ーくおススメしておきます!


ちなみに三重県立美術館では、今年の展覧会は地元出身の作家特集だそうで、なんと秋には大橋歩さんの展覧会が開催される予定とのこと(三重出身とは初耳)!また行かなきゃ〜。

*1:具体美術協会。1950〜60年代に関西で活動していた現代美術のグループ。詳しくは検索してみてちょ

09.5.11

清志郎さんは、大学の先輩にすごーく好きな人がいたのでそこから曲を覚えたりしたのですが、私にとってはむしろ竹中直人作品などで見られるシャイな素顔の方が印象的で。お化粧の顔の方は小学生時代に見た『い・け・な・いルージュマジック』の映像がトラウマになっているのか(笑)、まあそんなに熱心に聴いている方ではなく、たまたまテレビをつけて観たときに「いいよねえ〜」というくらいのもので。
でも、昨日NHKの夜中に放送していた特集番組を(やっぱり)たまたま目にした時に、妙にうるっと来たのは、きっとそのときちょうどツマミもなく酒を呑んでいたせいだけじゃなかろう。


清志郎さんがいつも口にしていた「愛し合ってるかい?」という言葉。
この言葉をみんながいつも胸に抱いていれば、きっと清志郎さんの望んでいた世界平和もやってくるんだろうなあと。
楽観的すぎますかね?


「愛し合ってるかい?」という言葉を、真っ向から言ってくれる、ステキなおとながひとり、いなくなっちゃったこと。
それが悔しかったのかもしれない。


「楽しくやろうぜ、ベイビー!」