上野日記

自分が主人公の小さな物語

吉田修一の『最後の息子』を読んだ

吉田修一の『最後の息子』を読んだ。1999年に文藝春秋より刊行された短編小説集で「最後の息子」「破片」「Water」が収録されている。1997年に「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞し小説家デビューし、同作で第117回芥川賞の候補になった。

最後の息子」は吉田修一の処女作という事で読んでみることにした。
最後の息子:オカマと同居するヒモの青年が主人公で、ビデオを撮りながら日々の出来事や悩みが綴られている。

破片:東京から長崎に帰省した青年(長男)。子どもの頃の想い出や幼いころ水害で母を亡くしたこと、そして現在の様子が語られている。母親の死が次男の女性に対するストーカーまがいの行為や奇抜な家作りに影響しているようだ。

Water:高校水泳部キャプテンの少年が主人公。友達のこと、恋愛のこと、家族のこと、兄の事故死で色々と悩む青春の一片が綴られている。

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