「そんな回路があったんだ」

上山:「ひきこもりの問題について人前で話をしたり、文章を書いたりする能力を褒めてもらうことがあるが、そういうことをする能力が自分にあるとは、それまで本当に思っていなかった。というか、そんなことで頑張っても誰も評価してくれないよ、と。」

自分で気付けずにいる、意外な「評価の回路」と、それへの自分の能力と。それに気付くのも、やはり「出会い」としか言いようがないと思う。
完全に閉じこもっている人は、そういう出会いのチャンスからすら疎外される――と同時に、それまでの人生経験や対人経験に食中毒を起こしているので、「二度と誰にも出会いたくない」という拒絶もある。二重三重に、「つながっていく機会」から排除されている。