はじめての望遠鏡(変光星観測編)

 なんとなく3回も続けてしまったこのネタです。懲りずに4回目もいきましょう。もう最終回と言うことにして変光星観測を始める方に適した望遠鏡を考えてみます。
 えー、最初からなんなんですが最初に変光星やるのに一番良いのは双眼鏡です。正立ですし視野が広いので星図との照合もしやすくて導入が簡単です。なにしろ変光星観測の最大のハードルは導入&同定ですから、これは大きいです。何センチでも良いのですが、できれば4センチなり5センチの双眼鏡が良いのではないでしょうか。また光害の無い暗い所に住んでおられる方は少ないでしょうから伝統的な瞳径7mmの天文用の双眼鏡ではなく瞳径が4mm〜5mm程度になるようなちょっと倍率高めの方が視野が黒く締まって暗い星が見やすくて良いです。3cm程度のものでも7等あたりまでは十分狙えますがとりあえず4〜5cmは欲しい所ですかね。これだけあると9等台まではいけます。三脚も要ります。星図が頭に入っている人以外は必需品です。10cmとか15cmとかの大型双眼鏡は変光星にも最適です。まぁ変光星やらなくても双眼鏡は天文趣味に取って必需品とも言えるような物ですから是非手元に1台*1置いておかれるのが良いでしょう。
 さて望遠鏡です。これは・・・何でも良いです。いい加減なようですが、まぁそんな物です。むしろ口径にあった対象を選ぶことです。8cmなら極限等級は11〜12等位でしょうか?これだけ有ればなら一般的なミラ型の極小付近以外は狙えますし、半規則星(SR型)等も全周期狙える星も沢山有ります。また食変光星にも観測対象は事欠きません。ただ屈折の場合天頂プリズムを使うと鏡像になって普通の星図とは照合し難いです。最近は良い正立プリズムも手に入りますから利用されると良いでしょう。
 15cmもあれば極限等級も13〜14等は狙えますので主なミラ型の極小や激変星のモニターにも使えます。さらに大口径なら言うこと有りません。
 架台はどうでしょうか?これも何でも良いです。もちろんちゃんとした奴でと言うことですけど。星図を見ながら導入する訳ですから赤道儀でも経緯台でもかまいません。かえってフリーストップの経緯台の方が能率が良いでしょう。その点で言えば流行のポルタ経緯台やドブソニアン等は変光星観測にもってこいです。自動導入の架台が有ればこれまた能率アップです。赤道儀とかコンピューター制御の経緯台の利点と言うと高倍率で極限等級ギリギリの星を見る時に視野から逃げないので便利なくらいです。無いなら無いでかまいません。実は私も次に口径をアップする際はカセグレン系でドブソニアンに出来ないかなぁって思っています。だって普通のドブだとニュートンですから背が高過ぎますよね。カセグレン系なら後ろから覗きますから低い所から覗けて便利です。ただ普通のドブの架台だと地面すれすれに接眼部が来ますから上げ底して覗きやすくしてやれば使いやすいでしょう。軽量化が課題ですけど。
 と言う訳でどんな望遠鏡でもそれに見合った観測対象は星の数程有ります。御心配なく。

*1:で済まなくなるんだなぁこれが