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December 17(Sun), 2017

「メンフィス」('17/12/16ソワレ、12/17マチネ)

††キャスト††
山本耕史 ヒューイ・カルフーン
濱田めぐみ フェリシア・ファレル
ジェロ デルレイ
米倉利紀 ゲーター
伊礼彼方 ボビー
栗原英雄 シモンズ
根岸季衣 グラディス

ICHI/風間由次郎/上條駿/当銀大輔/遠山裕介/富永雄翔/水野栄治/渡辺崇人/飯野めぐみ/岩崎ルリ子/ダンドイ舞莉花/増田朱紀/森加織/吉田理恵



2015年に上演された作品の再演。
2015年には、2月に見に行って、その時点で、「今年最高のミュージカルに出会った」と思った作品でした。
作品の持つ力と、役者さんたちのパフォーマンスに圧倒され、再演を望んでいた作品です。
再演を知ったときは、本当に叫んでしまったくらいにうれしく、それを支えに半年くらいがんばってきました(笑)。

劇場は、新国立劇場中劇場。
何度か来たことがあります。
そして、来るたびに、新宿駅で迷っています。
今回は、絶対迷いたくないと思って調べてみると…、新宿駅から歩いたほうが迷わない感じ?
(これまでは京王新線で一駅、電車に乗っていました。で、この京王新線の乗換えで毎度迷っていたのです)

新宿駅から新国立劇場までは、甲州街道をまっすぐ行けばよい。

実際には、甲州街道を逆の方向に進んでしまい、また軽く迷ったのですが(^^;
でも、地図を頭に入れていたから、このまま進めば新宿御苑という案内をみて、修正ができました。
よかった。

ついでに、ホテルも新宿で取れたので、ものすごく余裕のある旅行になりました。


お芝居の内容については、2015年の感想(http://d.hatena.ne.jp/ugur/20150208)をご覧いただければ…。
なんだか、細かい内容を書くよりも、思ったことを書いてしまいそうなので。


16日ソワレは、1階上手の前方席で、各役者さんの表情も良く見えて、とっても良かったです。
17日マチネは、2階席でしたが、こちらはライティングが良く見えて、とっても良かったです。
もし、1階席だけだったら気が付けなかったので、両方の席で観劇できたのはラッキーでした。

今回は、前回とアメリカの状況が変わっていることもあって、ヒューイの置かれた位置について考えさせられるところがありました。
黒い肌のせいで、人として見られなかったフェリシア。
それは、オバマさんが大統領となったことで、少しずつ、変わっていくのかもしれないと思えた前回。
それでも、まだまだ残っている黒と白の間の壁。

今年、トランプさんが大統領になり、「忘れられたアメリカ人」というワードが注目を浴びました。
ヒューイは…厳密には、「忘れられたアメリカ人」ですら、ないのですが、肌が白いだけでほかに何も持たず、最底辺で生きるヒューイと「忘れられたアメリカ人」はどこかで重なるような気もします。

もちろん前回にも、文字さえ読めず、定職に就けないヒューイと、自分の店を持つデルレイ、ヒューイに広告の読み方を教えるボビーなどを比べて、白の中にある壁についても考えさせられたのですが、それにくわえて、もう一点、考えさせられたのです。

音楽が、人と人を結びつける。
壁さえ越えさせていく。
でも、それは、すべての人、ではなく。
どうしても越えられない人もいる。

今の世界も、そうなのかもしれません。

それでも、分かり合えるはずだと、ヒューイのように愚直に馬鹿みたいに信じていけるとよいな。
どれだけ時間がかかろうとも、一度は後戻りするように感じることはあっても。
いつか。


以下、簡単な個別感想です。


■山本さんのヒューイ。
歌も動きもさすがでした。
しかし、ちょっと体がごつくなっていて、筋肉を付けすぎじゃないの?と思って、前回のように何をしていても格好良い(はあと)みたいな感じにはなりませんでした。
いえ、もちろん格好良いんですよ。
でも、なんともいえない色気とか、そういうものより、ごつい…が先に来てしまった感じです。
それこそ、最底辺にいる人にしては、しっかり体の管理ができすぎ。
もっと不健康そうでよいかと。
ラストシーン近くのラジオ局。
前回は、「ONE」とだけ書かれていたのを見て、「現在の聴取率は〜一人」でした。
ああ、ヒューイは字が読めるようになったのかな。
そう思ったシーン。
今回は、もっといろいろ書かれていて、「数字は苦手なんだけど…」とその表を読み解いていたので、字が読めるのはもちろん、もう少し複雑な内容も読み取れるようになったのかなあと思いました。

■濱田さんのフェリシア。
歌、最高。
ゴスペルを歌うシーンは、アイーダを彷彿とさせます。
そして、とってもかわいいのですが、とっても強い女の子でもありました。
自分の夢のために、自分を変えるために必死で戦っている。
最後に光り輝いているフェリシアは、その戦いに勝ったからと言えるのかも。
前回、なぜ、フェリシアはヒューイにコンサートに来てと言ったのか、と書いていますが、今回はそこに疑問はありませんでした。
ヒューイは今は落ちぶれているかもしれないけど、確かにフェリシアの成功のきっかけを作ってくれた恩人。
その恩人がいる町に帰ってきて、彼を呼ばないはずがない。
もう、同じ道を行くことはないけれど、彼がくすぶっているなら少しでも前に進むために力を貸したい、という思いではなかったのかな。
なんというか、しっかり自立した女性でした。

■ジェロさんのデルレイ。
2年たったし、大丈夫だろう!と思っていたけど、やっぱり台詞は厳しそうでした。
怒るシーンが多いから、どうしても早口になってしまい、余計難しいんだろうな。
今回は、デルレイの「俺、あの婚約者、あんまり好きじゃないんだ」にひっかかりました。
なんで、わざわざそんなこと言うの?
婚約者って…白人だから? それとも、ヒューイのことを今は認めているということを暗に言うため?
フェリシアには、きつめに「その話はしないで」と制止されていたのもきになります。
なんなんだろう??

■米倉さんのゲーター。
…もしかして、山本さんより年上なのでは(実年齢)。
なのに、かわいいです。
そして、話せるようになってからのゲーター、無口な君のほうが好きだったよ、はなんとなく同感。

■伊礼さんのボビー。
伊礼さんだと、気づかず。
うわ、歌うまいなーとか思っていました。
16日には、「モップ持ってるって思え!」とTVではじめて歌うときにいわれていましたが、17日には「モップだと思え!」に変わって、直立不動で歌っていました。
カテコで「モップになったのは初めて」とおっしゃっていました。

■栗原さんのシモンズ。
ちょっと踊るところもあって、キレがありました。
何のお菓子だったろう、バッグの中にいっぱい入っていて、そこのシーンが楽しかったです。

■根岸さんのグラディス。
デルレイ、ボビー、ゲーターと歌うところがかわいかったです。
衣装かけに乗って、くるくる回るところでは、「もっと前に!」とか、「千秋楽だから思いきって前に!」と三人に檄を飛ばしていてさすがショーガール。
最後のコンサートでもそういう雰囲気が出ていて、とっても楽しかったです。
母としてヒューイを本気で思いやっているのもわかるし、黒人を受け入れられないのもわかる、そんな葛藤もありました。

■アンサンブルの皆様。
黒人パートの皆様が(アンサンブルさんだけでなく)濃いめの顔立ちの方が多く、白人パートの皆様との区別がはっきりしていてちょっと驚きでした。
胸毛の濃いDJさんは、毎回笑いをとっている感じでした。
山本さんに胸毛抜かれてたり。


今回の舞台では、山本さんも演出をされていて、舞台機構に工夫があると聞いていました。
それは、1幕ではせりを使い、2幕では盆を使うというもの。
ラジオ局ブースや、地下にあるデルレイの店を表現するのに、うまくせりが使われていました。
2幕ではテレビ局が舞台になるので、広い空間をつかった盆がうまくはまっている感じです。
そして、ダンスに盆の機構をうまく使われていて、とっても格好良かったです!

最後に、ちょっとだけ残念だったこと。
とにかく、のりの良い曲が多くて、そのたび手拍子が起こるのですよ。
それは客席と舞台とが一体となる、とても良いことなのですが。
全部が全部、手拍子するのは、ちょっと苦手なのでした。
(しっかり歌を聴きたいのもあるので)
また、歌のあとに「拍手」「ヒューヒュー」と入ることが多くて。
歌によっては、見事に歌い上げられて入るけれど、ものすごく辛い歌も多く。
その歌について、「ヒューヒュー」があると、うーーーーーーーん、となってしまったのでした。
場合によっては拍手さえしたくないくらいに、歌に浸りこんでいたので。
2階席では、拍手はやや減り、お芝居に集中できたので、17日のほうが良かったかな。
(演技を間近で見られたのは16日で、そちらのほうがもっとお芝居に入り込んでいたので余計に「ひゅーひゅー」が辛かった)
もちろん、ラストのコンサートでは、楽しく手拍子して参加しましたよ。
(そこまでかたくなではないので)

あと。
最後のコンサート。
ヒューイは舞台には上がっていないのではないかな。
あくまでも、あそこからがカーテンコールのようなもので。
ヒューイは舞台袖にはきたと思う。
フェリシアも気づいたと思う。
でも、一緒の舞台には、きっと上がっていない。
あのシーンは、一種の心象イメージ。
そう、私は思っています。
再び、みんなの心が結ばれた、というイメージを表したシーンだと。

2年前と比べると、少し熱は冷めた気もします。
もう一度、絶対みたい、とまでは思っていないかな。
でも、やっぱり大好き。
そして、やっぱりいろいろと考えさせられる舞台でした。

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