無意識日記々

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自らに対する詐欺行為

小室さんの事を幾らか書いてきている。幾分かはノスタルジックな思い入れが入っているだろうからその評に偏りがある事は否めない。その分自分が書く甲斐もあるって事で。

TM NETWORKのQUIT30の歌詞を聴いていると、小室みつ子作詞分も含めて、私の言ってきたような事がつらつらと描かれているように思えてきた。特に、少年少女に対する目線はそのまま昔のTM NETWORKに対する目線だと解釈してもよさそうだ。

となると、彼は、結構な程度でもって自身の問題点に気がついていて、それでも敢えて今のような活動形態を選択しているのかもしれない。いや、そう考えた方が合点がいく。

そういえば、と余計な事を思い出す。そういえば、この人一回詐欺容疑か何かで捕まってるんだっけ。私は前科などは気にしない方なので忘れていたが、人によっては今の小室哲哉のイメージはそっちなのかもしれない。

詐欺、か。今でも、彼は詐欺行為をはたらいている、ということか。自身のたった今の音楽的志向を欺き、それに伴って今の彼の音楽を支持する人々を欺いている。勿論、これは騙されている方が喜んでいるので犯罪行為でも何でもないが。

ここは本当に悩ましい所だ。個人的な音楽的な嗜好の変化をプロのミュージシャンとして素直に前面に出す事が"正しい"とは限らない。こうやって、皆の期待に応えようという態度も必要になる。変化に対して長年のファンは手厳しい。今までの名曲をツアーで披露し続けていればファンのニーズには応えられるのだからこんなにラク(実際は違うのだろうけど)な事はない。リスクをとって変化した挙げ句ファンも離れていくんじゃどうしようもない。

もしかしたら、その嗜好の変化も、徐々に出していければ、或いはファンもついてきてくれたかもしれない。そんな風にも考える。つまり、ずっと徹頭徹尾己の感性に基づいて創作し、その都度リアルタイムで発表していけば、ファンの方も少しずつ理解しながらついてきてくれていたかもしれない。こればっかりは、わからないが…。


ヒカルも、4年のブランクがある。更に増えるかもしれない。その間のリリースといえば桜流しだけである。4年分の音楽的嗜好の変化を、いきなりどどっと出してしまったらファンも戸惑うかもしれない。この4年の間リアルタイムで作品をリリースし続けていたとしたら、という仮定からシミュレートに入って、順番に説明していかなくては。それができるだろうか。或いは、そのままリリースして受け入れられてしまうのだろうか。そこはもうなんとも。こちらとしては、自らの感性を欺かぬよう祈り続けるばかりである。