覚え書:「書評:考える練習 [著]保坂和志」、『朝日新聞』2013年05月19日(日)付。
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考える練習 [著]保坂和志
[掲載]2013年05月19日 [ジャンル]人文
消費税増税、TPP、原発ほか現代は賛否に迷う問題に満ちていて、「どうすれば自分の頭で考えることができるのか」と思った若い編集者が、作家に「考える方法」を教えてもらいたいと、12回にわたって講義を受けた。作家のスタンスは、そもそも「わかる」のは目的ではない、公式をいくら覚えてもだめ、公式を自分で立てられなくては、と、「わかろうとする」営為からどんどん遠ざかる。その遠ざかること自体が「考える」そのものでもあるのだが。
政治、経済、文学、スポーツ……話題は人生観のひだにも及ぶ。タイトルは「ハウツー」的だが、親切な保坂さんの講義はその土台から掘り起こす。編集者の狙いもそこにあるのだ。
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大和書房・1680円
−−「書評:考える練習 [著]保坂和志」、『朝日新聞』2013年05月19日(日)付。
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