覚え書:「今週の本棚・新刊:『ボケてたまるか! 62歳記者認知症早期治療実体験ルポ』=山本朋史・著」、『毎日新聞』2015年01月25日(日)付。
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今週の本棚・新刊:『ボケてたまるか! 62歳記者認知症早期治療実体験ルポ』=山本朋史・著
毎日新聞 2015年01月25日 東京朝刊
(朝日新聞出版・1296円)
「最近、もの忘れがひどい」「テレビを見ていて俳優の名前が出てこない」などというのは、ある年齢に達した人の多くが感じることだが、この記者氏がすごいのは一念発起して本格的な早期治療を受け、体験を逐一週刊誌に連載したことだ。
専門医にかかる決心をしたのは、取材日程をダブルブッキングしてしまったこと。「認知障害の疑い。放っておくと数年後には症状が進んで認知症になる可能性」との診断に驚いた著者は、筑波大学附属病院で認知力アップトレーニングを受けることにする。
だが、トレーニングは並大抵ではない。感覚神経を脳につなげるための筋トレで汗びっしょりになり、言葉の記憶テストをしたり不得手な楽器やダンスなどをさせられたりと、まさに難行苦行。とはいえ、同病の人々との交流も含めた楽しみもあり、章の表題「笑いと汗と格闘の日々」が続く。トレーニングの写真や図版、認知機能検査や医療機関の費用も収録されていて参考になる。
ますます大きな問題になってきた認知症。その早期治療の一例を伝える貴重な記録である。著者は今後も治療を続けるという。(冠)
−−「今週の本棚・新刊:『ボケてたまるか! 62歳記者認知症早期治療実体験ルポ』=山本朋史・著」、『毎日新聞』2015年01月25日(日)付。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20150125ddm015070028000c.html